前回まで、「フリーのアナウンサーで、いろいろとある仕事の一つとして通販のコメンテーターをやっている」人たちについて、そのスゴサをお話してきました。お次は、その商品専属でず~っと紹介している人たちのお話です。
「専属のコメンテーターだとラクですよー」
第35回でパターンを挙げた中に、(2)商品のメーカーが雇った、その商品専属の人、というのがありました。その人たちのお話です。
たとえば、Aという商品があり、この商品Aを、ある決まった人に担当してもらって、テレビではもちろん、ラジオでもイベントでもデパートの売り場でも、説明してもらおうという場合です。
この場合は商品とコメンテーターがセットの状態で通販番組制作の現場に話が降りてくるのですが、しょ~じき言って、制作側はメチャメチャ・ラク♪ と言うのも、そのコメンテーターは何十回、何百回とその商品プロモーションを繰り返してきているわけで、商品の長所はもちろん、お客が注目する言い方やビックリするポイント、買いたくなるツボなど、ぜ~んぶ心得ています。台本もすでにコメンテーター自作で出来上がっている場合がほとんどなので、とにかくラクチン。
自分はこの“商品専属”パターンは、商品にとってもいいのではないかなと思っています。コメンテーターが商品への知識が深いとなれば、収録の場で他のタレントなどから質問が出てもいろいろと的確に答えられるんです。
結果、視聴者がその商品を「買おうかなぁ~」と思ったときに頭に浮かぶ疑問が次々と消えていき、「買うしかない!」という気持ちになってきますからね。
「情けは会社のためにならずってことですかね」
ですがね、やっぱりいいタレントさんもいればそうでない人もいるんですねぇ。商品専属のコメンテーターであるはずなのに「ものすごくヘタい!!」というコメンテーターさんと会ったときが数回あります。回数としてはほ~んのごくわずかですが。
ヒドイときは、「そもそもこの人はしゃべりの仕事してきたのかな!?」と思ってしまうくらいヘタで、「どうしてこんな人を専属にしてるの?」と思っちゃうことがありました。その理由はというと……これが打ち合わせなどの雰囲気でわかるんですが、まぁ商品を提供したクライアントの社長と個人的な関係があったりすのねぇと。
通販商品には、小さな会社がアイデア一本で開発したような商品も多く、「社長ワンマン!」的な会社もよく見られます。で、「お金をかけて通販で売り出そう!」と考えるくらいですから、その商品自体は本当によいものだったりします。
が、その「よい商品をみなさんに広めたい!」という夢と、「自分が何とか助けたいと思っているこの人(コメンテーター)の夢も叶えてあげたい!」ということが、ごっちゃになってるんですな。
あ、ゲスの勘ぐりはいけませんですよ。「この人、社長の愛人……」というパターンにはお目にかかっておりません。後で聞いたら“ヘタい”コメンテーターさんは社長の親族だった、とか、そういう感じです。
で、そんな場合の結果は?……二兎を追うものは一兎をも得ず。2つの夢をかなえようとすれば、2つともかなわないものです。
「この商品は本当によい!」と思って伝えたいならば、ベストの伝え方を選択しないと、消費者に納得感は届けられないものです!!
「社員さんだと、ゲストって扱いが多いです」
で、次いきますよ。第35回でパターンを挙げた中の、今度は(3)商品のメーカーの社員、というケースです。
これには、実際にその会社に勤めている社員というだけでなく、その会社の社長だったり、外部の開発者だったりということも含めてですが、この内部の人がコメンテーターというパターンは稀です。その会社の人とか関係者が出演する場合の多くは“ゲスト”として登場し、司会であるプロのコメンテーターの説明の中で話を振られて答える、というパターンが王道ですね。
最近は会社員の方がプレゼンだとかセミナーだとか、人前でお話をするということも増えていますが、いくらしゃべりが上手ではあっても、司会進行まで勤められる会社員の方というのはやはりあまりいないです。
でも、社長さんたちの中はときどきいらっしゃいますね。社長であり・開発者であり・広告塔である、というパターンで、健康食品・化粧品の分野に多いです。
その社長がコメンテーターという場合の続きは、次回。