約2カ月、ずいーぶん間をあけてしまい大変申し訳ございませんでした! えーと理由は……国政選挙があったりゴニョゴニョゴニョ……(ウソです)。何かと時間に追われて連載執筆が滞っていたこと、おわび申し上げます! 先頃リニューアルしました、こちらFoodWatchJapanのサイトにて、掲載曜日も金曜日から木曜日に変わって、気持ちも新たに、また健康食品通販の現場にかかわる構成作家である私が体験したウラ話、コボレ話をお伝えしていきましょう!
なんて言いながら、復帰第一作はテレビではなくて、雑誌のお話から。
「『効くか?』って結論は、まあ出せませんよね」
去年、もうすぐクリスマスシーズンだなぁと思う頃、書店の雑誌コーナーを歩いていたら衝撃的な表紙が……「徹底検証! 健康食品は本当に効果があるか!? 飲む前に読む 健康食品・サプリのウソホント」。「週刊ダイヤモンド」2012年11月24日号の大特集です。今回はその読後感を……
まず全体の感想は「こりゃあホントに総力特集だ!」という内容の充実ぶり。非常に取材されていていい特集だったと思います。筆者がこの連載でよく触れている、薬でないので“効く”としてはいけない健康食品をどう広告するか、ということについても手法を検証・解説しています。
で、表紙にも書いてあって、これ買った人がいちばん知りたかった問いかけ「健康食品は本当に効果があるか!?」への答えですが、「いいものもあれば、悪どいものもありますよ」ということ、ですね。まあ、そういう書き方にならざるを得ないんですよね。一生懸命に開発している商品もあれば、二番煎じでとくに消費者に対する使命感もなくやっているところもありますから。
「トクホって、もうみんな飽きたんだと思いますよ」
この特集で、筆者が改めて認識したのは、近年の「トクホ」つまり特定保健用食品の存在感の強さですね。トクホの許可品目の数がグングン増えてて、15年前の1998年では200品目に満たなかったのが、今や1000品目を突破したんですって。
トクホはデータなどをそろえて申請して、「特定の保健の目的が期待できること」を表示してもいいよ、として厚生労働省が認可するものです。だから我々PRする側としてもラクなんですよね~。「おぉ!『体に脂肪がつきにくい』って堂々と言っていいんだ!」みたいな(こういうの、皆さんもCMでちょいちょい目にするでしょう)。
だけど、同じ記事の中のグラフを見ると、品目数は増えていても、トクホ市場の規模はそんなに大きくなってないみたいでした……。これは、トクホの中で消費者が行ったり来たりしていて、いわゆる「パイのとりあい」になってるのかなぁと。
正直、筆者がかかわる通販の場でも、数年前にあったような「へぇ~。厚労省のお墨付き(※)を得ているトクホなんだぁ!」ということが視聴者に与えるインパクトは減っているように思います(売り上げもさることながら、通販に出演するタレントさんのリアクションも、新鮮さが薄れてきていますね)。
みんな見飽きてきたんでしょうな。
「前はアレはメディアで出せなかったんですがね」
特集では、健康食品関連の広告媒体への出稿費(新聞広告、テレビCM、通販番組などなど)の巨大さにも触れています。
その中で、広告代理店営業マンの話として伝えているんですが、以前であれば掲載基準に引っかかって広告できなかった商品が、今は堂々とPRされている、と言うんですね。それは何かというと、以前この連載でも触れた“下半身系”(精力系)のもの、だとか。
まぁ広告を認めるくらいに市民権を得てきたということと、スポンサー不足に悩むメディアとしては認めざるを得ない、というところなのでしょう。
特集記事を見ていろいろと思ったものの、なんだか健康食品を売るっていうのはファッションを売ることに似てきたのかな、とも思いました。
ファッションとしての衣料は「ないから買う」という人は少なく、「流行のものがほしいから買う」というベクトルで動いていると思うんです。健康食品も、なにか成分名などの新しさやおしゃれさ(知らないと遅れている感)を刺激していきながら売っていくモノに、すでになっているのかもな、と。
たとえば、女性の方で「コラーゲン飲料」を摂る方って結構いると思うんですが、効能プラス“話題になっているアレ”という流行感にも魅力を感じているんじゃないかと。
そんなコラーゲンのことについては、近々いろいろ書かせていただこうと思ってます。