日本フードサービス協会(JF)は2020年3月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数203、店舗数39,165店=99.5%)合計の売上高は82.7%と2桁の縮小。客単価はやや低めの前年並みながら、客数は83.4%と2桁の大幅減。
すべての業態の売上高が前年同月を大きく下回った。すべての業態で客数が前年同月より大幅に減少した。
売上高が最も低下したのはパブ・ビアホールで、客数が半減した上、客単価の低下も大きかった。次いで、居酒屋、ディナーレストランも売上高が前年同月比50%台まで低下した。
打撃が“軽微”と言えるのは洋風ファストフードで前年同月未達ながらほぼ前年並みで推移した。他、焼肉ファミリーレストラン、和風ファストフード、その他ファストフードなども、売上減が1桁で収まった。
JFでは「3月は、外食産業も新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響を大きく受けることになった。2月最終週の政府による大規模イベントなどの自粛要請以降、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日での減少が顕著で、居酒屋・DRなど飲酒業態を中心に、FR、大型商業施設のフードコートなどの売り上げに大きな打撃となった。特に東京都から「週末の外出自粛」要請が出された3月下旬に一段と客足が落ち、3月の外食の全体売上は82.7%と東日本大震災の減少幅(前年比89.7%)を上回る減少となった」としている。
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=203) | (N=39,165) | 82.7% | 99.5% | 83.4% | 99.2% | |
ファストフード | 合計 | (N=53) | (N=21,552) | 93.1% | 99.1% | 89.3% | 104.2% |
洋風 | (N=12) | (N=6,223) | 99.1% | 99.6% | 91.2% | 108.7% | |
和風 | (N=17) | (N=5,223) | 92.8% | 101.1% | 92.8% | 100.0% | |
麺類 | (N=20) | (N=3,225) | 81.4% | 100.2% | 80.1% | 101.6% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=15) | (N=4,245) | 88.3% | 94.9% | 87.9% | 100.5% | |
その他 | (N=10) | (N=2,636) | 90.7% | 99.7% | 86.4% | 104.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=55) | (N=10,395) | 78.8% | 102.0% | 77.4% | 101.8% |
洋風 | (N=25) | (N=5,447) | 75.0% | 103.1% | 75.1% | 99.9% | |
和風 | (N=26) | (N=2,047) | 69.6% | 97.7% | 70.6% | 98.6% | |
中華 | (N=13) | (N=1,468) | 90.4% | 103.5% | 88.2% | 102.4% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,433) | 93.3% | 102.9% | 91.5% | 102.0% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=36) | (N=2,849) | 56.7% | 97.1% | 59.9% | 94.7% |
パブ・ビアホール | (N=9) | (N=335) | 46.5% | 98.8% | 54.3% | 85.5% | |
居酒屋 | (N=31) | (N=2,514) | 58.6% | 96.8% | 61.3% | 95.6% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=1,177) | 59.5% | 99.5% | 60.9% | 97.7% | |
喫茶(計) | (N=15) | (N=2,049) | 75.3% | 100.0% | 74.6% | 101.0% | |
その他(計) | (N=16) | (N=1,143) | 61.7% | 89.9% | 66.7% | 92.6% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は53、店舗数は21,552店(99.1%)。客単価は上昇し、客数は89.3%と2桁の大幅減。売上高は93.1%と縮小。
洋風ファストフード(事業社数12、店舗数6,223店=99.6%)は、客単価は際立って上昇し、客数は91.2%と減少。売上高は99.1%と未達ながら前年同月並み。
和風ファストフード(事業社数17、店舗数5,223店=101.1%)は、客単価は前年並みながら、客数は92.8%と減少。売上高は92.8%と縮小。
麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,225店=100.2%)は、客単価は上昇し、客数は80.1%と2桁の大幅減。売上高は81.4%と2桁の縮小。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数15、店舗数4,245店=94.9%)は、客単価は前年並みながら、客数は87.9%と2桁の大幅減。売上高は88.3%と2桁の縮小。
その他ファストフード(事業社数10、店舗数2,636店=99.7%)は、客単価は上昇し、客数は86.4%と2桁の大幅減。売上高は90.7%と縮小。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は55、店舗数は10,395店(102.0%)。客単価は上昇し、客数は77.4%と2桁の大幅減。売上高は78.8%と2桁の縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数25、店舗数5,447店=103.1%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は75.1%と2桁の大幅減。売上高は75.0%と2桁の縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数26、店舗数2,047店=97.7%)は、客単価は下降したが、客数は70.6%と2桁の大幅減。売上高は69.6%と2桁の縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,468店=103.5%)は、客単価は上昇し、客数は88.2%と2桁の大幅減。売上高は90.4%と縮小。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,433店=102.9%)は、客単価は上昇し、客数は91.5%と減少。売上高は93.3%と縮小。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は36、店舗数は2,849店(97.1%)。客単価は際立って下降したが、客数は59.9%と2桁の大幅減。売上高は56.7%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数335店=98.8%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は54.3%と2桁の大幅減。売上高は46.5%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数31、店舗数2,514店=96.8%)は、客単価は下降したが、客数は61.3%と2桁の大幅減。売上高は58.6%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数1,177店=99.5%)は、客単価は下降したが、客数は60.9%と2桁の大幅減。売上高は59.5%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数15、店舗数2,049店=100.0%)は、客単価は上昇し、客数は74.6%と2桁の大幅減。売上高は75.3%と2桁の縮小。
その他の業態
その他全体(事業社数16、店舗数1,143店=89.9%)は、客単価は際立って下降したが、客数は66.7%と2桁の大幅減。売上高は61.7%と2桁の縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html