- すかいらーく、あきんどスシローが外資系ファンド傘下に
- 牛丼チェーンの全需要対応化が進む
- コーラにも「トクホ」、トマトジュースの売れ行き2倍など、飲料の健康志向高まる
- サントリーホールディングス、子会社上場でM&A加速へ
- 俺のイタリアンに次いで、俺のフレンチがオープン
- レバ刺し販売禁止
- コメダ珈琲、関西・関東出店で躍進
- サッポロビールがセブン&アイ向けPBビールの販売開始
- “おひとり様需要”に注目集まる
- ノロウイルス、猛威をふるう
この年末、フードビジネスコンサルタントの清水均さん(プロジェクト・ドゥ ホスピタリティマネージメント研究所代表)、元商業界出版部長の石川秀憲さん(名古屋文理大学健康生活学部フードビジネス学科教授)、イワサキ・ビーアイの岩崎毅さん(岩崎代表取締役)といっしょに(順不同)、2012年の食ビジネスを振り返ってみた。
1. すかいらーく、あきんどスシローが外資系ファンド傘下に
これまで国内の投資ファンドが保有していたすかいらーく、あきんどスシローの株式が外資系投資ファンドに売り渡された。海外の投資ファンドが、日本の外食企業を投資・売買の対象として本格的に目をつけ始めていることを示しており、すでに国内系投資ファンドが実質的に保有するコメダ、ひらまつといった外食企業にも外資の手が伸びる可能性がある。
2. 牛丼チェーンの全需要対応化が進む
これまで牛丼を核にメニューを絞り込んで営業してきた牛丼チェーンが、メニューを拡大することで稼ぐ時間帯と客層の拡大に乗り出した。
「すき家」を例にとれば、ハンバーグを中心とした定食メニュー、卵や焼き鮭、納豆、豚汁などを組み合わせた朝食メニュー、果てはお子様メニューを展開するなど、ファミリーレストランに近いメニュー揃えになっている。
3. コーラにも「トクホ」、トマトジュースの売れ行き2倍など、飲料の健康志向高まる
キリン、ペプシ(サントリー)が相次いで特定保健用食品許可(承認)のコーラを発売した。
キリンの「メッツ コーラ」は、当初年間100万ケースの販売を見込んだが、700万ケースに上方修正するほどの売れ行きという。「コーラを飲むシーンで、健康のことを気にするか」という声もあったが、見事に裏切られた形に。
カゴメやデルモンテ(キッコーマン)のトマトジュースの販売も好調で、とくにカゴメは前年比2倍の売り上げを見込んでいる。飲料にも健康志向が強く表れていることを示すものと言えそうだ。
4. サントリーHD、子会社上場でM&A加速へ
サントリーホールディングスが2013年夏をめどに、主力子会社で、清涼飲料事業を手掛けるサントリー食品インターナショナルを東京証券取引所に上場することを発表した。これにより約5000億円の資金調達を見込んでおり、主に海外でのM&A資金に充てる。
国内食品メーカーでは、味の素が子会社のカルピスをアサヒビールグループに売却。売却資金で、アミノ酸事業のテコ入れを図るなど、企業の上場や売買による資金調達が増えてきている。
8. サッポロビールがセブン&アイ向けPBビールの販売開始
サッポロビールが国内ビールメーカーとしては初めて、セブン&アイ向けPBビールを発売した。これまで流通系PBビールは海外メーカーが受託生産する形で供給してきたが、シェアの低迷に苦しむサッポロが、「背に腹は代えられぬ」とPBビールの生産に乗り出したという声も。
大手スーパーや生協などはPB商品の開発に力を入れているが、その生産を引き受けるのは中堅・中小メーカーが中心であった。近年は大手メーカーが“素性”を明かしてPB商品の生産に乗り出す事例が増えているが、今後自社商品との競合などが起きないかが見どころとなる。
10. ノロウイルス、猛威をふるう
ノロウイルスを中心とした感染性胃腸炎の患者が急増している。東京都福祉保健局の発表によれば、2012年48週(11月26日~12月2日)の患者報告数/定点は23.6人と、ここ数年で最も多く、かつ速く流行警報基準を超えた。九州では弁当由来のノロウイルスが原因と見られる患者が1500人を超える事例が報告されている。変異型ウイルスの報告もあり、2012年冬のノロウイルスの脅威は、ここ数年では最大のものとなっている。
- 2012年の10大ニュース
- 《特別企画》2012年食の10大ニュース[一覧]
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