前回から「病気をした芸能人を反面教師にして、見ている視聴者は病気にならないように」という番組にかかわった時のことを書いています。では、モデルとなった芸能人の方々は、病気になる前どんな生活をしていたのか?
「そんなにうまいもの食べて、って人には同情できないですよネ」
さて、“病気になった経験を持つ芸能人”で誰を取り上げるかとリサーチをしていったのですが、これにはいくつかパターンがあることがわかりました。
まず一つは“王道”(?)とも言うべき「そりゃあ病気になるワ」という生活。これも、実はさらに大きく2つに分かれるんですね。「豪遊してて不摂生」(笑)と、「人気者で超~激務! ゆえにダウン……」というパターンです。
豪遊パターンは、「まあイイ思いしてんだし仕方ないんじゃないか」みたいな。だって、連日連夜お酒を飲んで、すしをつまんで、焼肉をジュージュー焼いて……というようなことを続ければ血液もドロドロになっちゃうでしょ、と。しかーし、番組的には「このパターンの人は視聴者が感情移入しにくいよね」という理由で、出演者としてはハジかれていきました。すごく乱暴に言うと、「同情できんだろ!?」という感じ。
なので、取り上げられたのは「人気者で超~激務! ゆえにダウン……」というパターンの方々ですね。
「芸能人が忙しいのは、移動が多いからですよ」
「あの頃は、睡眠時間は多くて1日3時間……」というようなフレーズ、過去の大アイドルのウラバナシなどで、聞いたことだあるでしょう? それって本当なのかと言うと、やっぱりホントなんですよねー。
こうならざるを得ない事情というのは、“移動”なんです。歌手なら全国あっちへこっちへ移動してコンサート。女優・俳優さんも、各地で舞台があったり、映画やテレビのロケがあったり。やっぱり、芸能人って移動がすごく多いんです。そうなると、“自宅のベッドで寝る時間”が削られていくわけで、ゆったりとした睡眠時間がドンドン減っていっちゃうのです。
「しかし、健康害するほど移動しなくたっていいじゃないか」と思いますよね? でも、言っちゃあなんですが……「遠方でも仕事の依頼があれば隙間を見つけてドンドン入れ込んじゃう」というのが、芸能人をマネジメントする事務所にとっては利益になるわけで。もちろん、すべての事務所がそうではないですけどね。このあたりはマイペースで通っているタレントさんもいて、人それぞれではあります。
とは言え、こうなってしまえるというのは、「有名になりたい」「多くの人に知ってもらいたい」という“売れたいタレントさん”には、恵まれている環境なんだと思います。ちょっと話はそれますが、“仕事がなくなる”時は、ものすごく急に来るんですよね……。やっぱり芸能人て、流行と共にある仕事なので。ちょっと一息つきたい、一息つくとふた息つきたい、でもふた息つく頃にはその人の旬は去っていて……ということが、芸能界の新陳代謝というものかなぁとも思ったりします。
そんな中、ずーっと一線で活躍を続けている方々は、ホントにタフだなぁと思います。
「忙しすぎて影響受けるのは、睡眠と食事ですね」
そんな「移動! 移動! 多忙!」の生活を続けている芸能人が、健康面でいちばん影響を受けるのは何かと言うと、睡眠時間もさることながら、“食事”なんですよ。
ときどきタレントさん同士が“ロケ弁”のことをアツク語っていることありますよね? アレ、個人的には、「それって視聴者はついていけてないんじゃないか?」とは思うんです。だって、あまりにも内輪ネタすぎというか、関係者でないとそのセツジツさってわからないじゃないですか。
それでも、タレントさんたちにとっては、やっぱり重大な問題なんです。なぜかと言うと、番組収録中に出されるお弁当って、つまりタレントさんたちの日常食なわけですから。一般の方は、朝晩自宅の食卓で食べたり、ランチはレストランで食べたりっていう風ですが、移動し続けるタレントさんたちは、移動や収録の合間に配られるお弁当で三食なんてことも珍しくないわけです。
そういうものでありながらマズイものが続いたりなんかすると、どうしたって不平不満も言いたくなるというわけですね。
で、弁当じゃないときは何かと言うと、夕食でご当地のテレビ局やファンの集いの接待だとか。そういう場合、相手の方は「この土地でいちばんオイシイものをぜひ!」というおもてなしをしてくれます。これはムゲに断れないですし、出されたものに箸をつけないとかは、心情的に難しいわけです。行く先々でオイシイものを食べられるのはウラヤマシイ! とも思うわけですが、こうなると、どうしても栄養バランスは偏ってきます。
かと言って、それが運命と割り切るようでは、自分の道を拓いてきた芸能人らしくない! ですね。やはり、芸能界のみなさま、それを甘んじて受けて入れているわけではありませんでした。
じゃあ、何をしているんだ? というお話はまた次回……。