美容系の通販健康食品に時折登場するビューティアドバイザーといった肩書きをお持ちの方々について書いています。前回は、PRしたい商品に対しての彼女たちのスタンスめいたことを書いてきました。しかしもう一つ、ビューティアドバイザーなる方々に白羽の矢が立つ、きわめてシンプルな理由もあります……!
「じゃあなんでビューティアドバイザーかって言えば、オカネですよ」
前回までのお話を読んで、「ビューティアドバイザーと、その商品の一般の愛用者と何が違うの?」と思った方も多いかもしれませんが……そう感じた方は鋭い! ビューティアドバイザーは、“ある意味”普通の人なのです。
“ある意味”って、なにかと言うと、オカネのことです。実はビューティアドバイザーさんが通販番組に出るときの一つのケースとして、番組制作費のフトコロ事情により場合があるのです。
「ホントは有名なタレントさんに飲んでもらって、愛飲者ということで出演してもらってよさをコメントしてほしい……」「ホントは日本全国あちこちの、見た目が信じられないほど若い一般の人たちによさを語ってほしい。出来るだけ数多く……」という希望があるものの、「そんなオカネなんてなーい!」
「それでも、魅力的に見せる方法ないか!? そうだ!“ビューティに精通していて自分自身もキレイな人が、心底ほれ込んでいる!”というように見せてPRしてみようか」「それならギャラが高くかかるわけではないじゃないか♪」とこういうことですね。
決して、こういう場合がすべてではありませんが、ビューティアドバイザーさんが登場するときって、このパターン、実はよくあるんです。
「本屋さんですぐ見つかって、予算もクリア、ってわけです」
商品をお薦めしてくれる人としてのいちばんの理想は、誰でも顔と名前が一致する有名タレントや有名女優が出てくれること、です。だって説明がいりませんからね。しかし、それがかなわない場合、一般の愛用者でキレイな人を……となります。
でも、一般の人で目が飛び出るほとキレイすぎる!! ……なんて人、なかなかいないもんなんです。ご自分の周囲の方々を思い出してみてください。キレイな人はいますよね。じゃ、誰もが注目せざるをえないほどキレイすぎる!! ……という人、います? いそうな気がするけど、「誰が見ても目を見張る美しさ」となると、なかなかいませんでしょ?
そもそも、番組スタッフがそういう方を探す労力にも限界がありますよ。じゃあどうするかというと、書店に出かけて、あるいはネットを検索して、見た目がキレイで著作などもある人を探すわけです。女優さんのようには有名じゃなくて、ギャラもお勉強してくれそう……というビューティアドバイザーさんたちを探すわけですねぇ。
つまりビューティアドバイザーさんたちは、有名タレントと一般人の中間的な存在で、番組制作側からすると“オカネがちょっと節約出来るかも!”という存在の方々とも言えるのです。
もっとも、あちこちのテレビですでにひっぱりだこというビューティアドバイザーさんは、ブッキングにもお値段がはりますよ(そういう方々は、もはやタレントですな)。
「でも、あなどれないんですよ、すごいビューティアドバイザーさんは」
そんなビューティアドバイザーさんたちが「美のエキスパート!」というほど、ものすごく知識が深いのかというと、実はそうでない人も結構多い(笑)。話を聞いていて、筆者が「へぇ~そんなこともあるんですか。はぁ~! そういう理論があるんですか! 知らなかった~!」と、感服するほど詳しい方って……自分の体験上ではそうそういないかなぁとも思います(確かに、一部には、スゴイ方々がいるんですよ!)。
実はそれはムリもないことで、以前にも書きましたが誰でも名乗れる肩書きですから。極端に言うと明日から名刺にそう書けば、誰でもなれる(コレ、放送作家と同じです!)。
ただ、自分の足とオカネをかけて取材して情報を得たり勉強したりしている方々には、やはりかなわないなぁと感じます。たとえば、というお話はまた次回。