今回は少し脱線しますが、あの! テレビ番組について少し情報を。そして、青汁マーケティングがテレビ通販業界にもたらしたものについて、お話します。
「余談ですが、まじめにやってたのにと……」
ところで、青汁だけでなく、テレビ通販番組で「現代人は○○不足!」といったデータが多用されるようになった背景には、ちょっと前まで花盛りだった一般の健康情報番組の影響も多分にあるでしょう。
代表的なものは「あるある大事典」(フジテレビ系)や「おもいッきりテレビ」(日本テレビ系。後に「おもいッきりイイ!!テレビ」)です。
いろんなテレビ通販番組制作の現場や打ち合わせで「『あるある』みたいなものを……」と何度言われたことでしょうか(笑)。最盛期にはこの番組で取り上げられた食品が、次の日にはバカ売れ、という現象が続いていたんですよね。そんな「あるある」も、多くの方がご存知のように“捏造”という悲しい事件と共に、番組を終えてしまいましたが……。
あの捏造騒動、実際はどうだったの? 全部ウソだったの? と思う方は今も多いでしょう。そのことについて、筆者と親しい番組をやっていたスタッフ数人などから聞いたことを少しお話しておきましょう。
実は捏造と報道された後、私の知人は怒りとやるせなさでいっぱいでした。というのも、あの番組の制作は8~9のチームに完全に分かれていて、そのうちの1チームがやってしまったというのですね。知人は「報道で初めて知った、自分たちのチームはまじめにデータを集めて番組作っていたのに……」と。
ちなみに、捏造チームのやる回は視聴率がよかったそうです。そりゃそうでしょう。センセーショナルな“ファクト”を勝手に作ってるんだから。
これはあくまで知人に聞いた範囲の話です。ただ、個人的な見方ですが、健康情報番組に限らず、このような残念なことが起きる可能性は根絶できていないと思います。というのも、テレビ界の現状として、外部の制作会社に視聴率を求めて制作をまる投げしているシステムは変わらないままなので。
もちろん、テレビ局サイドは以前より取材データや事実関係などを確認するようにはしているようですが、局によるチェックと言っても、やはり限界があるのが現実ですからねぇ。だって、すべてをチェックするぐらいなら、外部に発注しないほうがいいわけで。……
「青汁マーケティングが他の分野にも波及したんですね」
●青汁進歩ステップ3
「原料は安心な……」
また話がそれてしまいましたが、青汁が進歩してきた話に戻しましょう。
進歩のステップ3としては“原料産地情報”を出すことです。「私どもの青汁は北海道の○○を……」とか、「農薬を使わない、オーストラリアの畑で育った△△だけを原料に……」というアレです。
青汁商品が乱立するまでの健康食品は、どちらかというと出来上がった商品の“効能”(もちろんストレートに言っちゃだめなんですが)という“結果”に主眼に置いたものが目立っていたと思います。それが、「こうして安心できる環境のもとで作っています」という“過程”を見せていくことが盛んに行われるようになったのも、青汁のインフォマーシャルが多くなり出してからではないかな、と見ています。
もちろん青汁だけでなく、黒酢のサプリなども、製造工程をウリにしたものが多かったわけですが、原料と商品のイメージが直結しやすい青汁のインフォマシャールではとくに、年々、産地と製造工程の紹介に力を入れているように思いますね。
結果、消費者も知りたい情報がわかると感じてもらっているようです。
以上3回にわたって書いてきたように、
ステップ1 味+α(手軽さなど)の訴求へ
ステップ2 摂る必然性をデータで示す
ステップ3 産地情報の訴求
と、年々伝えるべき内容に研きをかけてきた青汁マーケティングのモデルは、今や健康食品全体に当てはまるかな、と思います。この内容を、どういう手法で伝えるかは、また各々の商品や制作者の個性によるのですけども。
さて次回もひき続き青汁バナシを……いったいどんな人が飲んでいるの? ということについてお話します。