前回に引き続いて、今や健康食品の代表格・黒酢にまつわるお話を書きます。前回黒酢のふるさとのおばちゃんは肌がキレイだったなぁ(編集部註:個人の感想です!)とか、思いがけずあるタレントさんも愛用しててビックリ、などの話をしましたが、今回はそもそも黒酢は何がいいの? って話です。
「それって普通じゃないんですか?」
この商品、一般には「パワーのヒミツはアミノ酸」とされていて、私も番組で「タップリのアミノ酸があるんですよ」「それは体の材料となり、いろんな助けになる」など説明してきました。が、番組を作りながらも個人的にずーっと疑問を持っていたのが「アミノ酸ってそんなにすごいのか?」ということ。なぜかというと、アミノ酸ってただのタンパク質を分解したものですよ。タンパク質なんて毎日みんなたーっぷりとってる。
でも私の身近にも「黒酢サプリ、いいね!」という人は多いんです(知り合いのディレクターも「疲れにくいよ~」と愛用)。
そこである取材のとき、専門家(内科医)に「アミノ酸って「そんなに意味あんの? 所詮タンパク質でしょ」と聞いてみました。その答えは?
「バランスかもねって……弱!」
内科医に「アミノ酸ってそんなに意味あります?」と聞いた答えは「人によるでしょうね」……何と煮え切らない答え!!!
それでも補足してくれたのは、「黒酢サプリはアミノ酸のバランスと吸収がよいから、そのバランスのよさが実感として現れるかもしれませんね」と。タンパク質を構成するアミノ酸だけで20種類、こまごま入れるともっとあるんだそうですよ。で、とくに大切と言われているのは、タンパク質の材料になる20種類で、それをまんべんなく摂れるからいいのかも、という濁した答えになりました。
「『人による』ってどういうこと?」と聞くと、「今までヒドイ食生活だった人は良さを感じやすいでしょうし、黒酢なしでも割と健康的な食生活の人は実感しにくい、逆に、黒酢を飲んでも睡眠や生活がボロボロの人は何も変わらないでしょう」などなど。
「ヒドイ食生活」には、暴飲暴食だけでなく体重を気にして食事制限しすぎという人もあてはまるそうです。
でも何だかすっきりしなかったのは、私の日常生活があまりに不規則すぎて、飲んでも実感を得られなかったからでしょうか……。そんなとき、「黒酢がいいのはアミノ酸のためじゃない!」と言うメーカーに巡りあったのです!
「黒酢は●酸がよいのだ!?」
「黒酢がいいのはアミノ酸のためではない!」と唱える会社が主張するのは「『酢酸』があるから黒酢はよいのだ!」ということでした。「うーん。あんまりその理屈聞かないなあ」と思っていたら、そのメーカーが言うには「酢酸というのは揮発性で、サプリにするときは通常ほとんどなくなってしまう」と。それを閉じこめているから我が社のはいいんである、というものでした。
で、いろいろな検証データも見せてもらいフムフムとは思ったものの、そもそも酢酸だけなら黒酢だけじゃなくて普通のお酢にもあるよな……なんてことも思ったり。「酢酸もアミノ酸もとれるからよいのだ!」というのがこの黒酢サプリのウリのようでしたが。
このあたり、何が体によいのかは飲んだ人のみぞ知るという世界になってきますねぇ。
ちなみに黒酢サプリは出している会社も多く、私が担当しただけでも5社! それぞれ“黒酢+何か”を特徴にしたり、産地で特色を出していますね。
他の健康食品でも「似たようなアレを売っているA社とB社で何が違う?」というようなことを見ることがあるかもしれませんが、そんなお話を次回。