前回から、お仕事でご一緒した芸能人の美容・健康法について書いています。「芸能人の見た目の若さはプロポーションのよさにあり!」と個人的には思うのですが、その維持にはそれぞれご苦労があるようです。そのあたりのお話をしておきましょう。
「役者さんの健康を守る!? ドラマ現場の職人さん」
で、とある大物女優さんに聞いたお話なのですが、太りたくないという俳優・女優さんたちを悩ますのが……「食事シーンの撮影」なんだとか。もっともなお話ですね。昔も今も、食卓を囲むシーンは実に多いし、セリフも多い。それゆえ一回のテイクではうまくいかず、「撮り直し」の回数も多いものだそうです。そしてそのたびに新たなご飯が並び、また食べて……
でも「回数が重なってもう食べられない」だとか、ダイエット中の役者さんから「たくさんは食べたくない」というリクエストが出ることは、やはりあるんです。ではどうするか? そんなとき、頼りになる“職人さん”がいらっしゃるのですね~。小道具さんが、ご飯をあるもので作ってくれちゃうんです。
そのあるものとは? 白くて、ご飯に見えて、低カロリーのもの……わかりますか? 答えは大根おろし。ギュッとしぼって水分を抜いたものをお茶碗にもりつけて、ご飯に見せちゃうんです。名作の裏には、こうした隠れた達人の存在もあるのですね。
ただし、地デジ化のおかげでお化粧のしかたを変えなくちゃいけないほど画質がよくなった今、大根おろしには頼れなくなっているかもしれませんねぇ。食事シーンのときに何を食べているのか、よく見てみましょう。
「芸能人と切っても切れない“お弁当”」
さて、「食べるシーン」があってもなくても、芸能人のダイエットには困難がつきまとうものです。なにしろ、芸能人の普段の食事メニューは限定的にならざるを得ません。なぜなら、食事の多くはスタッフが注文したお弁当なのです。撮影で昼から夜まで拘束されるのはざら。あるいは1日の中で数カ所の現場を移動することもありますが、その場合でも昼夜の食事はお弁当になることが多い! バランスのよい食生活を維持することは、なかなかたいへんなのです。
そんな食生活の中で芸能人がちょくちょく実践するコツ、その1。「揚げ物の衣を食べない」。衣を取って中身だけを食べ、カロリーをダウンさせているわけですね。作って時間も経っているから、作った人には申し訳ないけれども、わかる話ではあります。さらにコツ、その2。「ゴマやお手製ふりかけを持ち歩く」。かけることで少しでも栄養バランスを取ろう、というわけです。小魚のふりかけだったり、梅のふりかけだったり、とさまざまあります。さらに……、「お茶だけは専用の健康茶を持ち歩く」という方にも、しばしばお目にかかります。
健康茶というと、「それ、何?」と気になりますか。何茶が多いかというと、……これはバラバラ。プーアル茶だったり、雑穀茶だったり、人それぞれです。
もちろん、厳密にカロリーを管理している芸能人には、お手製の弁当を持参する方もいらっしゃいます。あるいはお付きの方がお弁当を作ってくれる、という方もいらっしゃいますね。
「日本のお母さんはドラマの現場でもおかあさんだった」
また、ドラマの撮影となると期間も長期になるし、1日の中で拘束される時間も長い。出演者とスタッフは四六時中いっしょにいながら、いつも冷めたお弁当では栄養も楽しさもしりすぼみになりがちです。
そんな中で、ある女優さんは鍋やホットプレートなどを現場に持ち込んで、栄養のある野菜料理などをいろいろ共演者にも振る舞っていたとか。
これはお名前を出しても差し支えないでしょう。“日本のお母さん”として名を馳せた名女優、今は亡き山岡久乃さんです。若い共演者のに、「ちゃんと食べないとダメよ」なんて言いながら振る舞っていたそうで、カメラが回っていない舞台裏でも演じる役さながらにお母さん的存在だったそうです。
こうした懐の深さも、テレビ史を代表する“お母さん”の雰囲気を創りあげていたのかもしれませんね。
芸能人の美容・健康法、次回ももう少し続けましょう。