スクリーンの餐

「トリス」と昭和戦後の男たち

 1990年代から2000年代にかけて低迷していた国内ウイスキー需要は、2009年頃からのハイボールブームの影響もあって近年はやや持ち直している(図1)。このブームにサントリーの「角瓶」と並んで貢献したのが、かつてトリスバーやアンクルトリスで一世を風靡した「トリス」。今回は戦後の洋酒ブームの火付け役となった「トリス」と、トリスバーが登場する映画を通して、戦後の昭和を振り返っていく。 「トリス」とト […]
スクリーンの餐

居酒屋主人とはかない女たち

映画に描かれた居酒屋の印象的な飲食シーンに着目する。シリーズの1回目は、タイトルに「居酒屋」の名を冠する3本の日本映画「居酒屋兆治」と「居酒屋ゆうれい」・「新 居酒屋ゆうれい」から。 「居酒屋兆治」の「煮え切らない煮込み」  1本目は、寿屋(現サントリー)在籍時に「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!」のコピーライターとして知られ、1963年に「江分利満氏の優雅な生活」で第48回直木賞を受賞した作 […]
東欧フルーツブランデー紀行

苦い会議と新鮮で甘いプラム

後から考えると、なぜそこまで正直に言ってしまったのか自分でも不思議なのだが、セルビアで調子のいいことを言って日本に帰ってきてから頭を抱えるような事態になっては