再考・ワイン物流改善

ソムリエ下野隆祥氏の不満と願い

赤提灯で、下野隆祥氏が私に国産ワインのテイスティングをさせたのは、ダメージのない健康なワインを切望する心を語るためだった。ワインのリーファー輸送が業界にさまざまな波紋を呼ぶことを予想して躊躇する気持ちがあった私だったが、その夜の出来事をきっかけにその成功を誓うこととなった。
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ソムリエ下野隆祥氏からいただいた励まし

「六人会」で出会ったソムリエ下野隆祥氏にはたくさんのことを教わった。その下野氏も、やはり輸入ワインのダメージに注意を払う人だった。ある日、氏に誘われて入った赤提灯で、意外なワインのテイスティングをすることとなり、私は氏の意図を量りかねて混乱した。
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ワインの腐敗臭・カビ臭の原因はワインでないことがある

テイスティングで異臭を感じた場合、それはワインに異臭があるためと考えるのが普通だ。ところが、実際にはワインではない意外なものから異臭が出ていることがある。決して珍しいことではないから、テイスティングの際は環境と道具を適切に準備する必要がある。
再考・ワイン物流改善

蛍光灯などの光源によって赤ワインは黒ずんで見える

ワイン物流改善の第一歩は、ワインの変質の有無を発見することである。そのためには、先入観や既成概念を排除し、五感と判断力をニュートラルにしておくことが重要だ。先入観の例が「濃い色=フルボディ・タイプ」といった思い込みであるし、そもそも色の濃さを正確に判断できる環境を作れていない場合もある。
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ワインの高温劣化は温度そのものによるのではない

国税庁醸造試験所(現独立行政法人酒類総合研究所)第3研究室長(当時)の戸塚昭先生は、ワインを高温にさらして起こる変化を見る実験をしてくださった。その結果は、驚くべきもので、また高温にさらされたボトルのワインが劣化するしくみの本質を読み解く上でたいへん示唆に富むものであった。
再考・ワイン物流改善

リーファー輸送で補糖方法の変化に気付く

ワインのリーファー輸送で健康なワインが安定して手に入るようになったことで、ワインに生じるダメージの原因と結果を結び付けるためのテストも行いやすくなった。そこで、ワインに行われる補糖についての推理も進み、意外な発見もあった。
再考・ワイン物流改善

結露との闘い

ワインのリーファー輸送が本格化するにつれて、改善すべき課題もいくつか浮上してきた。その一つが、主にリーファー・コンテナから保冷倉庫に移動する際に発生する結露だ。これを封じ込め、品質を保つには、作業上の対策とハードによる対策があるが、それぞれ一長一短がある。冷蔵倉庫の空調のしくみの理解も必要だ。
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吉崎和明氏と日本リカー(3)

吉崎氏がヒット商品を獲得したことで、日本リカーのリーファー輸送はよいスタートを切った。そして、同社が契約している倉庫を取材させてもらったとき、我々は作業担当者から驚くべきセリフを聞くのだった。