ステージ風景
小売・外食

「Tokyoインターナショナル・バーショー2013」レポート(2)

次に話を聞いたのは、これも最近世界のトレンドになっているマイクロ・ディスティラリーのブームを先取りした感のある、「イチローズ・モルト」で有名なベンチャーウイスキー(埼玉県秩父市)の肥土伊知郎(あくと・いちろう)社長である。 「イチローズ・モルト」のジョーカーはいつ?  日本のウイスキー・メーカーと言えば、サントリーとニッカ、これに続いてキリンと本坊酒造(鹿児島・「マルスウイスキー」)というのがあら […]
ステージ風景
小売・外食

「Tokyoインターナショナル・バーショー2013」レポート(1)

さる4月20日と21日、ベルサール渋谷ガーデンにおいてTokyo International BarShow 2013(以下TIBS2013)が開催された。37社134ブランドが結集した会場には2日間で8300人の観客が訪れ、日本最大のスピリッツ・イベントを楽しんだ。2000年にわずか600名でスタートしてから12年が経過し、2日目の雨天のなか長い行列が出来る情景には、まさに隔世の感があった。 バ […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(10)

 明治7(1874)年、アメリカ西海岸のヴァレーホ(Vallejo)から横浜にバーテンダーがやって来た。英字紙によれば2つのホテルに1人ずつ別々のバーテンダーが来たことになっているのだが、掲載されたイラストを見る限りこの2人は同一人物の可能性が高い(「横浜・カクテルことはじめ」(4)明治7年横浜のフレア・バーテンディング参照)。 帝国で考案し富士屋へ持ち帰った  このカラクリは、電信のない時代に、 […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(9)

伝えられるところでは、犬丸もまた鼻っ柱が強い性格だったようで学生時代に大学とぶつかっており、長春には犬丸が恩師の紹介で入ったとも伝えられる。それにしても、人に頭を下げることが苦手だったと言われる犬丸にふさわしい仕事は他にあったようにも思うのだが、よりはっきりした資料も持ち合わせていない筆者としては、犬丸は東京高商を卒業後、長春ヤマトホテルに入社したという事実だけを受け入れるより他ない。 ホテルマン […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(8)

筆者の手元に、富士屋ホテルとカクテルのかかわりを示す興味深い資料がある。「回顧六十年」(富士屋ホテル・昭和13年刊、山口堅吉著)の資料編にある明治40(1907)年頃、つまり富士屋ホテルの経営が仙之助から正造に替わった頃のワインリスト(ドリンクメニュー)で、ここには「ジン・カクテル」「ウイスキー・カクテル」とはっきり記載されている。 二度のアメリカのホテル事情視察  筆者が所有しているさまざまなワ […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(7)

金谷カテージ・インの創業からややあって明治11(1878)年、箱根・宮の下に開業した富士屋ホテルは、そのルーツを元治元(1864)年に開業した外国人向けの娯楽施設「神風楼」(横浜)に辿ることができる。富士屋ホテルの初代山口仙之助は明治18(1885)年の改築でホテル内に酒場(バー)を設けた他、当時はまだぜいたく品だったガラスを多用して採光に意を使ったラウンジを作るなど進取の気象に富んだサービスが外 […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(6)

改めて調べてみると、富士屋ホテルは旅行など滅多にしない筆者が思い込んでいたような“どこの温泉地にもあるご当地ホテル”などではなかった。明治11(1878)年創業の後も、外国人向けのリゾートホテルとしてさまざまな新機軸を打ち出している。また、立教大学に観光学部が発足したのは、3代目オーナー山口正造の遺志による寄付講座からだという。 どちらかが盗用というのはあり得ない  これほど品格のあるホテルが帝国 […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(5)

さて、目先を変えて帝国ホテル版マウント・フジのレシピから探索を続けよう。 クリームとレモンジュース  ミキシング・グラスに氷とベルモットを入れて掻き回し、ジンを加えたものをカクテルグラスに注いでオリーブを一粒浮かべさえすれば、味の善し悪しはともかく、マティーニは出来る。ウイスキーにベルモットを注いでチェリーを飾ればマンハッタンと呼べるカクテルも出来ないことはない。必要なものは洋酒と氷である。  と […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(4)

大正時代に世界一周旅行が企画できる旅行会社は、トーマス・クックとアメリカン・エクスプレスの2社を中心に、レーモンド・ウィトコム(ホイットカム)社、クラーク社を含めても4社に過ぎなかった。 大正13年の世界一周旅行団の記録はあるが  当時の通信手段は電信である。世界中の港や観光地に電信一本で人数分の宿泊先と食事を手配し、受け入れ態勢を準備させるわけだから、そこでは信用と実績がものを言う。たとえ資本力 […]
ハラペーニョ・マルガリータを作れる「ハラペーニョ・サングリータ」キット。
小売・外食

バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2013洋酒レポート(5)

ブラジルのカシャーサ  今回、話がいちばん面白かったのはブラジルの地酒カシャーサを出しているブースだった。筆者は以前自動車工場で働いていたことがあるのだが、食習慣がかなり違う日系の方と接して驚いたというのが、ブラジルを知るきっかけだった。酢豚など甘いおかずには「食べられない」と言って箸を置くのに、食後のコーヒーには山盛り3倍の砂糖を入れる。ご飯を炊くときニンニクを入れる……と、食べ物でもかなり日本 […]
モーリシャスのプレミアム・ラム「Blue Mauritius」。
小売・外食

バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2013洋酒レポート(4)

プレミアム・ピスコ  この辺で去年のレポートの“その後”もいくつか知れて来たのでお知らせしておこう。  まず、ペルー産グレープブランデーのプレミアム・ピスコ(バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2012洋酒レポート10(2)参照)について。  筆者は「ピスコ」という音感に、ついつい荒涼としたアンデス山脈を飛ぶ鳥と、栄華を極めながら悲劇で幕を閉じたインカ帝国……というイメージを持つのだが […]
バーチ(白樺)ウォッカ飲み較べ。左がNemiroff社製「バーチ」、右がOmskvinprom蒸留所の「ホワイトバーチ」。
小売・外食

バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2013洋酒レポート(3)

白樺ウォッカ「ホワイトバーチ」  昨年はネミロフ社の白樺ウォッカ「バーチ」(白樺)を取り上げたが(参照)、今回はシベリアの蒸溜所で作られた白樺ウォッカを会場で見つけた。多くのロシア人にとってシベリアは心の故郷であり、白樺はロシアを象徴する木だからまさに「ロシア人による、ロシア人のためのウォッカ」と言っても過言ではないと思う。  ウォッカで味の決め手になるのは原料となる穀物もさることながら、水と隠し […]
近く60度が販売されるコーン・ウォッカ「LUXURIA」。
小売・外食

バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2013洋酒レポート(2)

“ケーキ”風味の透明ウォッカ「UV」  ワインで有名な やまや がかなり冒険的なウォッカを販売している。ベースとなっているのはブランド名「UV」というアメリカ・ミネソタ州のウォッカで、1950年代からフレーバー・ウォッカを作っているメーカーからの輸入品。日本に輸入されるのは「UV」の19種類のラインナップの中の10種類で、とくに目を引くのが“ホイップクリーム”風味、“ケーキ”風味、“チョコレートケ […]
小売・外食

バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2013洋酒レポート(1)

「FOODEX JAPAN 2013」が3月5日(火)~3月8日(金)の4日間、幕張メッセで開催された。今年は66以上の国・地域から食品・飲料メーカー・商社など2544社が出展した。来場者は7万5000人(開会時見込み)。昨年に続いて、今回もバーテンダー視点に立ち、2日間に渡って広大な会場を駆け巡った筆者が見つけたアイテムをご紹介する。 海外のリキュールとスピリッツを視察  ことウイスキーに関して […]
健康食品テレビ通販の現場からお伝えします

健康食品の通販番組作りはハイクオリティになってきたぞ!(2)

前回、6~7年ほど前を振り返ってのプロデューサーとの会話……「これまでの通販番組の構成は忘れ、ゴールデンの番組を作るくらいの構成で提案したい!」と言われたモリハタでしたが、さて、その番組はどうなったのか!? 「豪華通販番組は今では珍しくなくなりましたねぇ」 「海外ロケありOK。スタジオとVTR両方ありOK。番組ディレクターはゴールデンで活躍している腕利きどころ」で通販を作るというお話をもらって、そ […]