食の損得感情

有機農家に期待される役割

1月19日、任意の生産者組織JOHF(Japan Organic Heart Farmers-Food-Family)の生産者会議が開催された。同会は、事務局長でワタミファーム社長の武内智が平成フードサービス副社長時代に目標と価値観の会う生産者と設立したもので、年に一度の生産者会議も今回で10回目となった。会場はワタミ本社で、同社の渡邉美樹社長も出席した。
EurepGAP認証を取得した木内氏の農場。右手の休憩施設も、EurepGAPが農園に設置することを推奨している
食の損得感情

日本版GAP普及の鍵握るは小売業

日本版GAP(Good Agricultural Practice/適正農業規範)の確立・普及について、農水省がここ数年取り組みを強化してきている。2005年度は「食の安全・安心確保交付金」(総額約27億円)の内数という形で予算化している。国家的な事業であるわけだが、ここに至ってもなお、農業界にも、小売業界にも、外食業界などにも、アパレルのブランドではない「GAP」なる単語が十分に浸透しているとは […]
化学肥料を使用しない水田〈右〉と、慣行栽培の水田〈茨城県で〉。右の水田の農家曰く「うちの目標はローならぬノー・コスト経営」
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有機は信条、制度、マーケであり、栽培技術ではない

前回の記事に対して、何人かの読者から「この筆者は有機農法派であるか?」といった問い合わせが寄せられた。これについては、連載の回を重ねるに従って徐々に明らかになるようにと考えていたが、疑問や誤解を生むのは本意ではない。ここで私の基本的なスタンスを明らかにしておこうと思う。
1枚で数十haというワシントン州の円形圃場
食の損得感情

雨知らずの土地の自由な農業経営者

「恵みの雨」とも言うが、雨は農家にとっては悩みの種でもある。長く続けば日照不足となるし、作物の茎葉が湿ればカビの胞子や病原菌が付きやすくなる。圃場の管理が悪ければ根の呼吸を阻害し、いわゆる湿害を来す。何より作業計画が立てづらい。やっと晴れたと思えば雑草対策に追われる。そんなあれやこれやの心配がなく自由にできたら、というのはこの季節の農家のお定まりの話題だ。