北海道よもやま話

GMの里、北海道遺伝子の香りのする街からのつぶやき

北海道には、倒幕政府主導の開拓の後に明治時代に米国人がやってきて、日本で唯一彼らからパイオニア精神を引き継いだ農業生産者がいると言われている。でもいったい今、北海道のどこにいるのだろうか? いるとすれば、何人くらいいるのか? 私に言わせればこれは大嘘もはなはだしい。こんな大嘘を今でも小学校で教えているとすれば、あきれるばかりだ。1985年(昭和60年)頃から「バイオ!バイオ!」とメディアが騒ぎ立て […]
コロのGM早分かり

有機栽培にも役に立っていた害虫抵抗性GM作物の導入遺伝子

はじめまして、コロと申します。遺伝子組換え(GM)技術や、それを応用して育種された作物は、食糧増産、土壌劣化や水不足、地球温暖化などの環境変化への解決策の1つとして、大いに期待されています。しかし、科学的な説明が十分にされていないため、とても分かりにくく、議論も滞りがちです。私たちの地球の将来のためにも、ここでしっかり議論を進めなければ…。そこで今日から、相棒のルルとともに、遺伝子組換えで何が議論 […]
子供が包んだギョーザ。やれやれ、可愛さも味のうちか……
食の損得感情

ギョーザの内食化が進むのは外食の黄色信号

同業者のことをあげつらうのはあまりやりたくないことだが、新聞、テレビ、週刊誌のむき出しのセンセーショナリズムには、いよいよぞっとさせられる。中国製冷凍ギョーザの中毒事件に関して、最初は「中国産」「農薬」「毒」が見出しに躍っていたかと思えば、この1週間は「テロ」の2文字を入れるのが流行になっている。現在の段階では、分別に欠ける、危険な言葉の使い方と感じる。
コメの収穫作業(茨城県)
食の損得感情

コシヒカリ新潟BLの販売方法は「情報隠し」か

新潟県の泉田裕彦知事は、JAなどがコシヒカリ新潟BLを在来コシヒカリと区別せず売っていることを批判した。朝日新聞などによれば、知事は2007年12月4日に、「消費者の信頼を獲得するため、なるべく情報を開示する方向でやったほうがいい」と発言。11月30日の県議会の委員会でも、「在来品種と新品種の違いを分からないようにして売ってしまおうという戦略。『情報隠し』だ」と言ったという(ともに朝日新聞の報道) […]
うねやま研究室

科学が歪められているのに声を上げない科学者

私たちは安全な食生活を求めて、科学的根拠をもとにいろいろな対応をします。例えば高温で食中毒菌を殺す、カビが生えないように保存条件を管理する、などのようなことです。偏食しない、というのも科学的根拠があるといえるリスク管理でしょう。ところが食品分野では、この「科学」がしばしば間違って報道され、実際とはかけ離れた形で一般の「常識」になっていることが、多々見られます。それは日本だけではなく、世界中どこでも […]
左が天然ブリ。右は養殖ブリ。刺身にしてうまいのは……
食の損得感情

「生」「天然」に味では負けないとして、では勝てるのか?

フードビジネス向けの経営情報誌「日経レストラン」に「新・何でも実験隊」(監修:管理栄養士で料理研究家の村上祥子氏)という痛快な連載がある。一般消費者4人と外食のプロ1人の混成チームで、さまざまな食品をブラインドテストの形で試食し、評価を下すというもので、毎回、試食する食品のチョイスが面白い。「生野菜 vs 冷凍野菜」「天然魚 vs 養殖魚」といった組み合わせで、味を判定する。
巨大なカントリー・エレベーターの前で、グローバル・マーケットの中のローカルなビジネスを語る
食の損得感情

ラウンドアップレディ・アルファルファ――栽培禁止に困惑する米国農家

Indiana州では、10の牛舎に約3万頭の牛を飼う巨大な酪農場と、それに隣接するカントリー・エレベーターを訪ねた。このカントリー・エレベーターを経営する会社は、トウモロコシ、大豆、小麦、ライ麦、アルファルファなどを生産、貯蔵し、地域の酪農場などに供給している。ここで聞いた話から、日本の消費者がほとんど気付いていないグローバリゼーションの何たるかを思わずにはいられなかった。
タケヤマの高松求氏。近年はタケの形、表面の色や蝋の状態も格段に良くなり、タケノコの色と味もさらに向上した。品質向上に、消費者の声が影響した部分もあるのかも知れない
食の損得感情

言うことより買うことが、生産を変える

毎年4月ごろになると、茨城県牛久市の農家高松求氏のタケヤマ(竹を栽培する圃場)にタケノコを掘りに行く(高松求氏については、2005年8月18日の「『オカルト』を乗り越えて見聞せよと叱責されたものの」でも触れた)。高松氏のお話をうかがい、タケノコを掘るという作業を通じて、植物のこと、農という循環システムのありさま、働くことの意義、仕事の段取りの付け方、地域社会での生き方などなど、教わることが多い。独 […]
超繁盛回転ずし店「寿司虎」新別府店
食の損得感情

ディズニーの野菜工場と「寿司虎」の養殖サバ

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが、“野菜工場”に取り組む。毎日新聞が報じたところによれば、同社子会社が発光ダイオード(LED)による水耕栽培施設を千葉県袖ケ浦市に作り、葉もの野菜を生産。来春からTDRに出荷する。栽培するのはレタスのほか、ホウレンソウ、ハーブ、水菜など。
苗箱を並べる稲葉氏、「育苗の技術は農家一人ひとりが大切にすべき」と言う
食の損得感情

トップダウンが招く成長の限界

案の定と言うべきか、2月23日掲載の「有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い」に対して、民間稲作研究所の稲葉光國氏より、ご自身の考えと違うとのお話をいただいた。稲葉氏とGM推進派の「両者が心に抱く思いは同じものに見える」という見方は、全く不本意とのことだった。
子供の皿で泣いていた野菜コロッケ
食の損得感情

“理想の食”のために闘えるか

世界を変えることは、闘争であると考える人は、今日なお多い。全共闘世代の人々、それに続く、学園が内ゲバに明け暮れていた頃に学生生活を送った人々と話していると、そう感じることが多い。私の高校の恩師は、さらにその前の全学連の頃の人だが、「生きることは闘いだ」と説かれて困った思い出がある。
圃場で指導に当たる稲葉光國氏
食の損得感情

有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い

長年農業高校で教鞭をとってきた栃木県の稲葉光國氏は、10年ほど前に約30年間の教諭生活に終止符を打ち、97年に民間稲作研究所(現在はNPO法人)を設立した。化学肥料や農薬を使わない稲作の体系作りと普及に専念するためで、現在は活動を全国規模に広げ、各地の生産者が稲葉氏の方法の実践と結果のフィードバックを行っている。
Polysack Plastic Industries社のChromatiNet
食の損得感情

「あれもこれも」で経営の可能性を広げる

イスラエルのPolysack Plastic Industries社が面白い調光ネットを販売している。施設園芸(ビニールハウスやガラスハウスなどの施設を使って野菜や花きなどを栽培すること)では、保温、遮光、遮熱などのために様々なカーテンスクリーンを使う。一般的なのは、白や黒のネット状のものだが、同社のChromatiNet(彩色ネットの意)はその名の通り、赤、黄、青、グレー、パールなどの色が着いて […]