うねやま研究室

「環境ホルモン」問題はどうなった?BPAの評価を巡る世界の動向その1

日本では今のところあまり話題になっていませんが、カナダが哺乳瓶へのポリカーボネートの使用禁止を提案し、米国とカナダで報道が過熱しているビスフェノールAの安全性評価について、これまでの経緯をまとめてみようと思います。「その1」としたのは、米国とカナダでは現在パブリックコメント募集中でまだ結論が出ていないことと、これまでの経緯を紹介するだけで相当な分量になってしまうためです。
実験に使われた色素を入れたオレンジジュース(ニュージーランド・ESR、Peter Cressey博士提供)
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子どもの多動と食用着色料の関連を示唆する研究をEFSAが評価

2008年3月14日、欧州食品安全機関(EFSA)が、食用色素と安息香酸ナトリウムによる子どもの行動への影響に関する論文についての評価を終了し、プレスリリースを行いました(EFSAは食品添加物と子どもの行動に関するサウサンプトン研究を評価する、McCann らのある種の色素と安息香酸ナトリウムの子どもの行動に与える影響に関する研究の評価結果―AFCパネルの意見)。内容についての日本語での概要はこれ […]
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米国で安全性が確認されたクローン動物、日本での受容はどうなる?

2008年1月15日、米国食品医薬品局(FDA)がクローン動物由来食品の安全性について最終リスク評価報告書を発表しました。06年12月に案として発表し、パブリックコメントを募集してまとめたものです。クローン技術を用いて作成したウシ・ブタ・ヤギ、あるいは伝統的に食用とされている動物のクローンの子孫は、普通の家畜同様、食用として安全であるというものです。
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中国ギョーザ事件報道を巡る科学的な不正確

中国産冷凍ギョーザ事件は、当初残留農薬の疑いも掛けられましたが、どうやらそうではなくて、犯罪性の色合いが強まってきました。全容解明までもうあと少しというところでしょうか。とはいえ、一連の報道において、特に薬剤に関する説明では、いくつか誤解を招くようなものもあり、見逃しておけません。今回は、メタミドホスやジクロルボスについて、作用機所や毒性などをまとめてみます。
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日欧比較で分かる残留農薬基準値超えによる回収の愚行

農産物の残留農薬が基準値を超過していたため回収される、という事例がよく報道されます。基準値を超えていることがすなわちリスクがあるということではないにもかかわらず、消費者には「危険な農産物が出回っている」という誤解が多いようです。そこで今回は、日本とは違う対応を行っている英国での事例を紹介してみようと思います。
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発がん物質と発がん性が疑われる物質――マラカイトグリーンの例

この夏、多くの方が「マラカイトグリーン」という物質名を何度も目にしたことと思います。公的機関からの発表では「発がん性が示唆される」または「発がん性の疑いがある」という修飾語がつくことが多いのですが、一部メディアでは「発がん物質」と断定しています。さて発がん物質とは何でしょうか? 一般の人がメディアに踊る「発がん物質」の文字を見て想定するのは「人間のがんの原因となる物質」という意味であろうと思います […]
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科学が歪められているのに声を上げない科学者

私たちは安全な食生活を求めて、科学的根拠をもとにいろいろな対応をします。例えば高温で食中毒菌を殺す、カビが生えないように保存条件を管理する、などのようなことです。偏食しない、というのも科学的根拠があるといえるリスク管理でしょう。ところが食品分野では、この「科学」がしばしば間違って報道され、実際とはかけ離れた形で一般の「常識」になっていることが、多々見られます。それは日本だけではなく、世界中どこでも […]