農業機械の展示会に集まった農業経営者たち。売れるもの、利益の出るものを求めて真剣そのもの
食の損得感情

「GMは必要な技術」は消費者にとっておいしい話か?

「遺伝子組換え(GM)技術は日本にとって必要な技術」と、4割の農業経営者が回答――雑誌「農業経営者」が、今年3月にアンケート調査をした結果だ。調査対象者は、同誌購読者を中心とした2004人。43.8%が「必要」「どちらかといえば必要」と答え、48.2%が「必要でない」「どちらかといえば必要でない」と答えた。必要でないとする回答の方が数は多いが、GMに関する否定的な報道が多い中、意外な印象を与える数 […]
苗箱を並べる稲葉氏、「育苗の技術は農家一人ひとりが大切にすべき」と言う
食の損得感情

トップダウンが招く成長の限界

案の定と言うべきか、2月23日掲載の「有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い」に対して、民間稲作研究所の稲葉光國氏より、ご自身の考えと違うとのお話をいただいた。稲葉氏とGM推進派の「両者が心に抱く思いは同じものに見える」という見方は、全く不本意とのことだった。
子供の皿で泣いていた野菜コロッケ
食の損得感情

“理想の食”のために闘えるか

世界を変えることは、闘争であると考える人は、今日なお多い。全共闘世代の人々、それに続く、学園が内ゲバに明け暮れていた頃に学生生活を送った人々と話していると、そう感じることが多い。私の高校の恩師は、さらにその前の全学連の頃の人だが、「生きることは闘いだ」と説かれて困った思い出がある。
圃場で指導に当たる稲葉光國氏
食の損得感情

有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い

長年農業高校で教鞭をとってきた栃木県の稲葉光國氏は、10年ほど前に約30年間の教諭生活に終止符を打ち、97年に民間稲作研究所(現在はNPO法人)を設立した。化学肥料や農薬を使わない稲作の体系作りと普及に専念するためで、現在は活動を全国規模に広げ、各地の生産者が稲葉氏の方法の実践と結果のフィードバックを行っている。
Polysack Plastic Industries社のChromatiNet
食の損得感情

「あれもこれも」で経営の可能性を広げる

イスラエルのPolysack Plastic Industries社が面白い調光ネットを販売している。施設園芸(ビニールハウスやガラスハウスなどの施設を使って野菜や花きなどを栽培すること)では、保温、遮光、遮熱などのために様々なカーテンスクリーンを使う。一般的なのは、白や黒のネット状のものだが、同社のChromatiNet(彩色ネットの意)はその名の通り、赤、黄、青、グレー、パールなどの色が着いて […]
酒類の栓3種。右からコルク栓、スクリューキャップ、ビンディング式圧着栓
食の損得感情

ワインの栓から食品の技術革新戦略を考える

瓶詰めしたワインの熟成には、瓶の外からの空気の(若干の)流入が必要か否か――そんなことの議論がまだ続いている。外気が必要と考える向きは、「従ってワインボトルの栓はコルクでなければならない」と主張し、熟成にはワイン中の溶存酸素で十分で外気は必要ないと考える向きは、「スクリューキャップこそワインの熟成を安定させ長く品質を保つ」と主張する。
1枚で数十haというワシントン州の円形圃場
食の損得感情

雨知らずの土地の自由な農業経営者

「恵みの雨」とも言うが、雨は農家にとっては悩みの種でもある。長く続けば日照不足となるし、作物の茎葉が湿ればカビの胞子や病原菌が付きやすくなる。圃場の管理が悪ければ根の呼吸を阻害し、いわゆる湿害を来す。何より作業計画が立てづらい。やっと晴れたと思えば雑草対策に追われる。そんなあれやこれやの心配がなく自由にできたら、というのはこの季節の農家のお定まりの話題だ。
食の損得感情

人間は物質だけでなく意味を食べる

今夏、米国では飼料用のGM(遺伝子組換え)アルファルファが流通する見通しという。目を引くのは、これまでに商品化されているGM作物は、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、ジャガイモなどいずれも飼料作物か工業的に利用される作物が主で、今回また飼料作物が加わるということ。このことをつかまえて、米国のマーケットでも主食をGM作物にすることには躊躇があるという声もある。