遺伝子組換えトウモロコシ(左)と非組換えトウモロコシ(記事とは直接関係ありません)
「よい農産物」とはどんな農産物か?

農業生産と環境負荷/遺伝子組換え作物のメリットと安全性

次に、遺伝子組換え作物の問題について考えよう。遺伝子組換えというのは、生物の細胞からある性質を持つ遺伝子を取り出し、他の生物の細胞の遺伝子に導入して新しい性質をもたせることを言う。遺伝子組換え作物とは、その技術を用いた作物品種ということである。従来の交配・選抜による品種改良は生殖が可能な同士(つまり同じ種)でしかできなかったが、遺伝子組換え技術では、種を超えて形質を移転できるところが特徴だ。 除草 […]
科学・法令

2012年食の10大ニュース[2]

各国の基準値超過食品への対応:米国・EU・韓国 DMAA(1,3-ジメチルアミルアミン)を含む製品について各国が警告 米国食品医薬品局(FDA):コメおよびコメ製品のヒ素濃度の予備的データを発表 欧州食品安全機関(EFSA):暴露マージン(MOE)および毒性学的懸念の閾値(TTC)の利用について意見を公表 イタリアの個人病院でソルビトールと称する製品により女性が死亡 世界保健機関(WHO):福島第 […]
食品安全情報(化学物質)

リスク評価の新課題への対応

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.22(2012.10.31)を発表した。ECは環境とヒトの健康について、食品以外のリスク評価課題の意見の募集を開始した。韓国KFDAは来年から始まるカフェイン関連に規制に先立ち、国内流通中の“エナジードリンクなど”カフェイン含有量の調査結果を発表した。
食品安全情報(化学物質)

セラリーニ論文はデータ不足

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.21(2012.10.17)を発表した。フランスでは先にグリホサート含有製品およびGMトウモロコシの混餌投与が齧歯類に有害とする発表がされたが、欧州食品安全機関(EFSA)はじめ複数国の研究機関から疑義が呈されている。英国食品基準庁(FSA)はカクテル中の液体窒素に警告を発した。BfRシンポジウム「危機対応と危機予防」のプレゼン概要が発表さ […]
食品安全情報(化学物質)

食品安全情報(化学物質)No.24(2011.11.30)

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)。トータルダイエットスタディの方法を統一するためのガイドラインが発表された。EUは食品添加物の規則を改定、甘味料としてステビオール配糖体の使用を認めた。
食品安全情報(化学物質)

食品安全情報(化学物質)No.21(2011.10.19)

国立医薬品食品衛生研究所が月2回発表している「食品安全情報」(化学物質)。今号は、米国と韓国が減塩への取り組みを強化、ビタミンE過剰摂取で前立腺がんリスク増の報告、低用量域での発がん物質のリスク評価方法の提案、などが注目の話題だ。
北海道よもやま話

4πr2が示唆する日本国産ダイズの将来

4πr2(よんぱいあーる2じょう)――この方程式に何度、悩まされたことか。たぶん皆さんも一度は覚えたことがある方程式ではないだろうか。この方程式は、ダイズの規格を大きく左右する“汚れ”について、ある一定の説明をしてくれる。今回は、日米のダイズの規格の違いを考えることによって、日本のダイズの将来を展望してみたい。
読み書きバイオ

百聞は一見にしかず――遺伝子組換え作物展示栽培の意義

 テレビなどを見ていると、「天然ですから、安心ですね」などというセリフが当たり前のように繰り返されている。そして「もちろん、遺伝子組換えなどは使っていません」と続く。これを毎日刷り込まれていれば、農薬も遺伝子組換えも避けたいと思うのが当然だろう。私たちは、身近に実物がなければそれがどんなものか確かめられないから、このような発言や表示から想像してそれを恐れるようになるのかもしれない。遺伝子組換え作物 […]
北海道よもやま話

有機栽培農家の敵「農薬」、その価格と流通

北海道のダイズ、ムギ農家が農薬を使用する金額はどれくらいだと思われるだろうか? 現場では除草剤、殺菌剤、殺虫剤の3タイプを主に使っている。金額、量は少ないが、成長促進剤、発芽抑制剤なども使用して、しっかりと農薬取締法に書かれている“国民の生活環境の保全に寄与”しているはずだ。ただ残念なことに、そのような話を生産者仲間が集まってしたことはないのだ。
北海道よもやま話

農薬の希釈倍率と水の使用量に関してもっと自由を!

期待はしていなかったが、やはりFoodScience編集部にクレームがあった。昨年6月25日付けの拙稿に対してである。農業生産者であり、科学者ではない自分が、かって知ったる本業の範疇と思い込み、しっかり下調べもせずに、うろ覚えで書いてしまったのが原因だ。農作業が忙しく……の言い訳はだめだ。間違いは間違いである。これからは自分の言葉で現場のことを書くように努めたい。
北海道よもやま話

半分の濃度で2回散布すると減農薬栽培にならない不思議

米国ノースダコタ州の農家Bobと農薬の話になった。私が「ところでどのくらい農薬を使用しているんだ?」と聞くと、「日本人は農薬の使用にウルサイからな?」と言いながら説明してくれた。春コムギの場合、除草剤が2回、殺菌剤が1.5回(1回と2回の場合がある)、殺虫剤が0.5回(使用する場合と1回使用する場合がある)だそうだ。殺虫剤を除いて農薬の名前を聞けば、馴染みのある物ばかりであった。正直言って、殺菌剤 […]
コロのGM早分かり

除草剤グリホサートに耐性のある植物の自然への影響は?

こんにちは、コロです。前回は除草剤グリホサート耐性の遺伝子組換え作物はどのようなものなのかをお話しました。そして、その除草剤グリホサートはどんな植物でも枯らせてしまうとても恐い除草剤に思えますが、実はそうではないということも説明しました。今回は、除草剤グリホサートに耐性のある植物がほかの植物と交雑した場合自然への影響はあるのか、また、グリホサートに抵抗性のある雑草についてお話しましょう。