EurepGAP認証を取得した木内氏の農場。右手の休憩施設も、EurepGAPが農園に設置することを推奨している
食の損得感情

日本版GAP普及の鍵握るは小売業

日本版GAP(Good Agricultural Practice/適正農業規範)の確立・普及について、農水省がここ数年取り組みを強化してきている。2005年度は「食の安全・安心確保交付金」(総額約27億円)の内数という形で予算化している。国家的な事業であるわけだが、ここに至ってもなお、農業界にも、小売業界にも、外食業界などにも、アパレルのブランドではない「GAP」なる単語が十分に浸透しているとは […]
酒類の栓3種。右からコルク栓、スクリューキャップ、ビンディング式圧着栓
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ワインの栓から食品の技術革新戦略を考える

瓶詰めしたワインの熟成には、瓶の外からの空気の(若干の)流入が必要か否か――そんなことの議論がまだ続いている。外気が必要と考える向きは、「従ってワインボトルの栓はコルクでなければならない」と主張し、熟成にはワイン中の溶存酸素で十分で外気は必要ないと考える向きは、「スクリューキャップこそワインの熟成を安定させ長く品質を保つ」と主張する。
EMを使ったモミガラ堆肥の製造を実演する高松求氏
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「オカルト」を乗り越えて見聞せよと叱責されたものの

やや旧聞に属するが、「光合堀菌」なるものが世間を騒がせている。ある食品を摂取すると、体内に存在しなかった菌が合成されるなどという説明で、どうも菌の存在自体が疑わしい。これは際立った例の一つだが、微生物に関する商品はオカルトや新興宗教と結び付きやすく、詐欺や詐欺まがい商法に利用されることも少なくない。
化学肥料を使用しない水田〈右〉と、慣行栽培の水田〈茨城県で〉。右の水田の農家曰く「うちの目標はローならぬノー・コスト経営」
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有機は信条、制度、マーケであり、栽培技術ではない

前回の記事に対して、何人かの読者から「この筆者は有機農法派であるか?」といった問い合わせが寄せられた。これについては、連載の回を重ねるに従って徐々に明らかになるようにと考えていたが、疑問や誤解を生むのは本意ではない。ここで私の基本的なスタンスを明らかにしておこうと思う。
内田農産の水田の様子。株元に日光が差し込み、トンボが飛び交う
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ホタルの里を実現する農薬使用法

福井県鯖江市で水田約50haを経営する内田農産(内田秀一代表取締役)のセールスポイントは、圃場を舞うホタル。内田社長は地域の人々や関西、関東などの顧客に呼び掛け、毎年「ホタルを観る会」を催している。長年培った減農薬・無化学肥料(福井県特別栽培農産物認証)での栽培ノウハウの賜物だが、内田社長本人は「無農薬論者では全くない。農薬はせっかくの文明の利器。使わない手はない」(内田社長)と言う。
1枚で数十haというワシントン州の円形圃場
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雨知らずの土地の自由な農業経営者

「恵みの雨」とも言うが、雨は農家にとっては悩みの種でもある。長く続けば日照不足となるし、作物の茎葉が湿ればカビの胞子や病原菌が付きやすくなる。圃場の管理が悪ければ根の呼吸を阻害し、いわゆる湿害を来す。何より作業計画が立てづらい。やっと晴れたと思えば雑草対策に追われる。そんなあれやこれやの心配がなく自由にできたら、というのはこの季節の農家のお定まりの話題だ。
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人間は物質だけでなく意味を食べる

今夏、米国では飼料用のGM(遺伝子組換え)アルファルファが流通する見通しという。目を引くのは、これまでに商品化されているGM作物は、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、ジャガイモなどいずれも飼料作物か工業的に利用される作物が主で、今回また飼料作物が加わるということ。このことをつかまえて、米国のマーケットでも主食をGM作物にすることには躊躇があるという声もある。