食卓書机

至言「農業は運搬業である」

先週の「スクリーンの餐」でrightwideさんがシャーリー・ヤマグチ(山口淑子、李香蘭)出演のハリウッド映画について書かれ、その中で「東は東」(1952)に描かれた当時のアメリカ西部のレタス農場の収穫作業について触れられました。 サリナスに嫁いだ“李香蘭” https://www.foodwatch.jp/screenfoods0113/  ベルトコンベアとトラクタを組み合わせた合理的な方法が、 […]
カカオ
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一般生菌数が示唆するものは

今年4月の「第5回世界料理学会 in HAKODATE」では、チョコレートとくに「ビーントゥバー」(bean to bar=カカオの生豆からチョコレートを手工業的に作ること)にフォーカスしたセッションにも参加しました。
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泡ファンを作ったのはコーク

 以前、セイコーマートの丸谷智保社長にお話をうかがったとき、同社で統計を活用している例として世代ごとのワインの売れ筋傾向について説明してくださいました。  セイコーマートはもともと酒類にも強いチェーンですが、ワインのラインアップにも力を入れています。一方、クラブカード(ポイントカード)の普及率は高く、どんなプロフィールの人たちがどんなものを買っているのかを把握するのに役立っています。  そこからわ […]
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微生物に賞をと言った大村氏

 ノーベル医学生理学賞が北里大特別栄誉教授の大村智氏、ウィリアム・キャンベル氏(米ドリュー大学)、屠ユウユウ氏(中国中医科学院首席研究員。ユウユウは口偏に幼を2字続ける)の3名に授与されることが決まりました。  大村氏とキャンベル氏の授賞理由は「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療の開発」です。大村氏は微生物由来の有機化合物を多数発見し薬学研究で多くの業績を上げており、NHKの同氏へのインタビ […]
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科学と精神の世界は両立する

 9月24日、女優の川島なお美さんが胆管がんのために亡くなられました。享年54歳。ご冥福をお祈りします。  公式ブログの昨年春の記事には「素晴らしい民間療法との出会いもありました」とあり、一部報道でそれを特定する記事も見られます。信心に意見するつもりはありません。ただとにかくご本人が最期までベストを尽くしたと納得していらしたことを祈るばかりです。また、科学的な治療を拒絶していたことを示唆する記事も […]
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変化を恐れず正しく評価する

 平成26年度「国語に関する世論調査」(2015年1月~2月調査)の結果がこのほど発表されました。 平成26年度「国語に関する世論調査 http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h26_chosa_kekka.pdf  このなかで、「今の国語は乱れていると思うか」の問いに「乱れていると […]
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老人を考えるのは自分のため

 国民の祝日の「敬老の日」はハッピーマンデー化によって9月第三月曜日(今年は21日)となりましたが(2001年~)、9月15日は「老人の日」で、21日までの7日間は「老人週間」です。  改正老人福祉法の「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける」との定めによります。  若い世代は高齢社会に関する話題 […]
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黒船が来て変わる力を活かす

「黒船が来ないと変わらない」というのは、日本の政治・経済のシステムの短所とされますが、日本人の「黒船が来て変わる力」も評価したいと思います。  1950年代、コカ・コーラが本格的に上陸すると伝わってきたとき、ラムネやソーダ水を作っていた全国の中小零細の飲料メーカーの間にパニックが起きました。反対運動もあったようですが、その黒い無敵の飲料に対抗して、ガラナ飲料の開発に着手したり、甘味料使用を廃止して […]
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チェーンは社会インフラなり

 20代の「月刊食堂」編集者時代、毎月1回編集部のメンバーが集まって渥美俊一氏の元を訪ねてお話を聞いていました。氏は日本にチェーンストアを根付かせた指導者の一人とされている人です。  当時の編集部には、渥美氏に意見だとか、ましてや反論などは言える雰囲気はありませんでした。片や名だたる経営者たちが支持するコンサルタント、片やこちらは昨日今日チェーンストアの勉強を始めた若輩者たち、しかも経営者ではあり […]
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ハイテク時代は同質化の時代

 先週記した2020年夏季オリンピックのエンブレム制作者による盗作・盗用・模倣の問題について、その事の流れに触れて思い出したことがもう一つあります。トヨタ自動車出身で元ハーレーダビッドソンジャパン社長、そしてFoodWatchJapanに「恢復するチェーン」を連載していただいていた奥井俊史氏が、以前、昨今の自動車業界について嘆いていたことです。  要約すればこのようなことです。現代の自動車メーカー […]
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便利な時代は個性を失う時代

 便利な時代の仕事のあり方について考えさせられる出来事が進行しています。直接には食とは関係ありませんが、今の外食の仕事についても多いに考えさせられることです。  去る7月25日に発表された2020年夏季オリンピックのエンブレムについて、ベルギーのリエージュ劇場(国王が創立)のエンブレムをデザインしたオリビエ・ドビ氏が盗作だと主張し、このほど同劇場と同氏が五輪エンブレムの使用差し止めを求めて地元裁判 […]
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農業にも統計的プロセス制御

「FoodWatchJapan」に「『よい農産物』とはどんな農産物か?」を書いてくださった岡本信一さんとは知り合ってかれこれ20年ほどが経ちますが、10年ほど前、岡本さんたちが行ったある研究について意見を求められたことがありました。  研究は、場所も経営体も異なる複数の畑を対象とした大がかりな調査と解析によるものでした。それらの畑の作物の収量の多い少ないに影響を与える因子を求めるというものです。調 […]
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品質とイメージ両立の桃太郎

「桃太郎」という名のトマト品種をタキイ種苗が発売したのが1985年。したがって、今年が桃太郎30周年ということになります。  その開発のきっかけは、「トマトがまずくなった」という噂が立ったことだったと言います。高度成長に伴う爆発的な都市化に対応するように、野菜産地は遠隔地に形成されるようになりました。トマトをその長距離輸送に耐えるようにするには、完熟前のまだ青く硬い段階で収穫する必要があり、これが […]