食品ブランドのトップは「NISSIN 日清食品」、外食ブランドのトップは「McDonald’s マクドナルド」。大幅にランクアップしたのは「GUSTO ガスト」――「ブランド・ジャパン2012」(日経BPコンサルティング)の結果から食関連ブランドの動きをまとめた。
ファストフード、カップ麺、飲料が上位
日経BPコンサルティングはブランド評価プロジェクト「ブランド・ジャパン2012」の結果を3月30日に発表。FoodWatchJapanはこのうち食品ブランドと外食ブランドについて「コンシューマー市場(BtoC)編」の総合力ランキング結果の提供を受けた。
これによると、食品ブランドのベスト3は、1位「NISSIN 日清食品」(総合力=偏差値80.3)、2位「SUNTORY サントリー」(同78.1)、3位「CUP NOODLE カップヌードル」(同77.0)で、外食ブランドのベスト3は、1位「McDonald’s マクドナルド」(同82.1)、2位「MOS BURGER モスバーガー」(同74.0)、3位「STARBUCKS スターバックス コーヒー」(同72.6)となった。
ミュージアムのオープンと上場のニュース
食品ブランドの1位「NISSIN 日清食品」と3位「CUP NOODLE カップヌードル」はともに日清食品がブランドホルダー。前者は総合力が前回より2.4ポイント下落したが、後者は同4.0ポイント上昇した。5位の「Calbee カルビー」は総合力が前回より4.7ポイント上昇して75.7で、全体ランキングも15ランクアップの19位となった。
「CUP NOODLE カップヌードル」は東日本大震災に関連して商品への接触が増えたことのほか、2011年9月「カップヌードルミュージアム」(横浜みなとみらい)がオープンというニュースがあった。また、カルビーは2011年3月11日に東証一部に上場を果たした。
食品10位内のブランドは、「NISSIN 日清食品」「SUNTORY サントリー」と前回ノミネートのなかった「meiji 明治」を除いては総合力がやや上昇した。
店舗数増加と新業態の成功
外食ブランドで総合力の上昇が目立ったのは前回より4.8ポイント上昇の「STARBUCKS スターバックス コーヒー」(総合力72.6)と、同じく4.9ポイント上昇の「GUSTO ガスト」(同59.6)。前者の全体ランキングは25アップ。後者の全体ランキング上昇幅は非常に大きく118ランクアップして168位となった。また、「餃子の王将」は総合力が前回とほぼ同じ66.4ながら、ランキングは14アップとなった。
「STARBUCKS スターバックス コーヒー」は店舗数1000店体制をうかがうに至って急速にブランドが浸透してきたと見られる。また、「GUSTO ガスト」はスクラップアンドビルドと並行して進めてきた「ステーキガスト」への転換が成功している。
外食10位内のブランドは、これらを除いては総合力がやや低下した。
全体10位内には食関連2ブランド
全体ランキングで10位内にランクインした食関連ブランドは「NISSIN 日清食品」「McDonald’s マクドナルド」のみ。
なお、全体1位の「Apple アップル」は11ランクアップで、12年間の「ブランド・ジャパン」調査の中初の首位。前回1位の「Google」は2位となった。
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「ブランド・ジャパン」は日経BPコンサルティングが開発したブランド評価。事前調査に当たる「ブランド想起調査」の結果をもとに評価対象ブランドのノミネートを行い、「コンシューマー市場(BtoC)編」「ビジネス市場(BtoB)編」調査を同時に行う。
「コンシューマー市場(BtoC)編」は各ブランドについて15のイメージの有無を尋ね、4つの因子のスコアを算出して偏差値を求める方法を採る。
ブランド評価のための調査としては、調査内容と解析方法を完全に公開しているのが特徴。