2012年食の10大ニュース[9]

  1. 日本産のコメに対するブランド変化
  2. コンビニエンスストア+IT企業で宅配への参入が相次いでいる
  3. ネットスーパー等ネット系宅配の混戦・高コストをどのように吸収か
  4. 価格破壊の進化
  5. 食の安全に対する消費者からの問題提起案件があまりにも増えた
  6. 新しい海の汚染
  7. 英国オリンピック
  8. マグロの100%陸上+内海での養殖が可能に
  9. 高級魚クエの養殖はほぼ不可能に
  10. 健康食品の危険性が話題に

1. 日本産のコメに対するブランド変化

「コシヒカリ」「あきたこまち」等の定番から、北海道の「ユメピリカ」など新しい質のいいコメが市場で伸びている。

2. コンビニエンスストア+IT企業で宅配への参入が相次いでいる

 セブン&アイ 以外にローソンがヤフーと組んで「スマートキッチン」等を開始。単なる食材の配送からセットメニュー的な総合型販売に乗り出した。

3. ネットスーパー等ネット系宅配の混戦・高コストをどのように吸収か

 コストダウンにつなげられるか。“買物難民”をいかに救済できるか。高齢社会への対応はどこまで可能か(若者は入りやすいIT/高齢者が取り残されるIT)。

4. 価格破壊の進化

 各スーパーのPB化は食品も対象となり、大幅に価格を低下させている。

5. 食の安全に対する消費者からの問題提起案件があまりにも増えた

 これの要する回収や対応のコストが会社経営に影響を及ぼしかねない状態に。ジャーナリスムの勉強不足や指導理念のなさも大きな原因か。

6. 新しい海の汚染

 海洋の酸性化、海水中のプラスティク破砕片が大量に。海洋の生態系への影響も考えられる。また、生協・生活クラブの独自検査で缶詰の魚からセシウム検出という話もあった。

7. 英国オリンピック

 オリンピックは成功したようだが、「イギリス料理」はいまだしの感。最近のロンドンではうまいものも増えていると聞くが、かつての開催国の中でも最下位か。

8. マグロの100%陸上+内海での養殖が可能に

 マグロの漁獲規制への対策となるか。

9. 高級魚クエの養殖はほぼ不可能に

 クエ養殖は中部電力浜岡原子力発電所の蒸気冷却に使った温かい海水を用いて行っていた。しかし、同原発が停止したため、この方法での養殖はほぼ不可能に。

 同種の問題は各地の原発にもあるのだろうか。

10. 健康食品の危険性が話題に

 エナジードリンクによるカフェイン過剰摂取による死亡事故、減量用サプリメントのDMAAの危険性などについて、各国当局が報告・警告を行っている。


2012年の10大ニュース
《特別企画》2012年食の10大ニュース[一覧]
これまでの「10大ニュース」
《特別企画》2011年食の10大ニュース[一覧]
《特別企画》2010年食の10大ニュース[一覧]
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About 奥井俊史 106 Articles
アンクル・アウル コンサルティング主宰 おくい・としふみ 1942年大阪府生まれ。65年大阪外国語大学中国語科卒業。同年トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社。中国、中近東、アフリカ諸国への輸出に携わる。80年初代北京事務所所長。90年ハーレーダビッドソンジャパン入社。91年~2008年同社社長。2009年アンクルアウルコンサルティングを立ち上げ、経営実績と経験を生かしたコンサルティング活動を展開中。著書に「アメリカ車はなぜ日本で売れないのか」(光文社)、「巨象に勝ったハーレーダビッドソンジャパンの信念」(丸善)、「ハーレーダビッドソン ジャパン実践営業革新」「日本発ハーレダビッドソンがめざした顧客との『絆』づくり」(ともにファーストプレス)などがある。 ●アンクル・アウル コンサルティング http://uncle-owl.jp/