20名の識者の方々に、「2010年食の10大ニュース」を選んでいただきました。これらをまとめてFoodWatchJapan版の「2010年食の10大ニュース」という1つのリストを作ることは、FoodWatchJapanらしくないことと考えています。(FoodWatchJapan 齋藤訓之)
皆様「2010年食の10大ニュース」をお読みくださいましてありがとうございました。
編集者という者、それぞれさまざまな個性を持っているものですが、誰にも共通する癖が3つあります――(1)たくさん集めたがる。(2)集めたらまとめたがる。(3)白黒つけようとする。
今回私もご多分に漏れず(1)の癖を発揮したわけですが、暮れも押し詰まって忙しいさなか、執筆依頼を読んでいただけるだけでもありがたいこと、実際に書いてくださるのは、2~3人かもしれないと考えていました。
ところが、予想の約10倍の反響・ご協力をいただいて驚き、おかげさまで感謝の気持ちいっぱいで年越しをさせていただくことになりました。ご執筆いただいた皆様、本当にありがとうございます。
さて、残る(2)(3)の癖が問題です。私も編集者のはしくれ、実はつい昨日まで、お寄せいただいた10大ニュースの数々をまとめたり、白黒付けたりしたい誘惑にかられていました。しかし、それをするのは誤りだとわかりました。
伝統的な出版業、とくに私が長年携わってきた雑誌屋稼業では、(1)(2)(3)が癖であるというだけでなく、それを卒なくこなすことが業務そのものでした。しかしどうでしょう。今回、20人の方々がそれぞれにセレクトしてくださった「10大ニュース」は、それぞれにすでにまとまったものであり、20件足して20で割るためのセレクトではありません。
つまり、読者の皆様にお伝えしたいのは、20のリストを何らかの方法でまとめた1つのリストではなく、20件それぞれに興味深いリストがあるという事実です。このそれぞれを皆様なりに味わい、考えていただけたらと思います。さらに、世の中にはまだ他のリストもあるだろうと考え、その証拠にあなただけのマイリストを作っていただけたら、今回の企画の本当の成功になるのだと思います。