国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.16(2019.08.07)を発表した。
注目記事
【BfR】家庭菜園や市民農園で植物保護製品を安全に使う
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、専門家ではない人が家庭菜園や市民農園で植物保護製品(農薬)を安全に使用できるように注意点をまとめた。
※ポイント:使用前、使用中、使用後の3つの工程に分けて、使用者が気をつけるべきことを、工程毎に箇条書きで丁寧にわかりやすくまとめています。
【TGA】医薬品広告:「天然」表示は誤解をまねかないよう確認すること
医薬品広告への「natural」(天然)という用語や、「naturally derived」(自然由来の)、「sourced from nature」(自然の)、「all natural」(すべて天然の)などの関連語の使用規制について、オーストラリアTGAが要点をまとめた。
※ポイント:オーストラリアでは、伝統ハーブ製品、ビタミン・ミネラルのサプリメント、伝統的中国薬やアーユルベーダなども「補完医薬品」として医薬品の枠組みに入ります。今回ご紹介した記事によると、製品に「natural」(天然)と表示するには、加工が最小限であり、化学的修飾を受けていない(成分の化学構造が原料のときと変わらない)が原則です。そして、消費者に「天然」が「安全」を意味するという誤解を与えないようにすることも重要だと指摘し、次のような文句は表示しないよう注意を呼びかけています。
×「天然ものを選択し、子供の健康を守る」
×「天然は最高である」
×「合成成分ではない—安心することができる」
×「[製品名]を信用できる、すべてが天然成分のため」
日本の消費者にも、「天然だから安心」という誤解が生じていると感じていますが、「天然」だからこそ「何が含まれているかわからない」「均一でない」ものなので、安心してはいけないものだと言えます。
【FAO/WHO】コーデックスに科学的助言を提供する最初の栄養の専門家会合
栄養に関するFAO/WHO合同専門家会合(JEMNU)が、2019年7月16-17日にスイス・ジュネーブにおいて初めて開催された。JEMNUは、コーデックス栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)から、フォローアップフォーミュラの規格改訂作業の一環として、その大豆由来原材料と乳由来原材料のタンパク質含量を推定するために使う窒素・タンパク質換算係数に関する科学的助言を依頼された。
【FDA】FDAは色素添加物として大豆レグヘモグロビンを認可
米国食品医薬品局(FDA)は、挽肉類似製品(つまり野菜バーガー類)用の色素添加物として、大豆レグヘモグロビンを安全に使用できるよう色素添加物規制を改定する。これは、Impossible Foods社からの認可申請への対応である。30日間、反対意見の提出を受け付ける。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.16(2019.08.07)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201916c.pdf
今号の目次
【FAO】
1. Qu DongyuがFAO事務局長に就任
2. Codex
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. 食品酵素関連
2. 食品と接触する物質関連
3. 健康強調表示関連
4. 農薬関連
5. 飼料添加物関連
【FSA】
1. FSAは2018/19年の年次報告書及び会計報告書を公表
2. ウェールズのFood and You 第5回調査報告が発表された
3. リコール情報
4. 最新の一般市民の意識調査によると、食品衛生格付けを活用する人が増加
【FSS】
1. 栄養に関する科学委員会(SACN)は飽和脂肪及び健康報告を発表する
【BfR】
1. 科学的リスク評価は消費者の健康保護の世界的協力が必要
2. 一部の抹茶に高濃度アルミニウム
3. トウアズキ、トウゴマとその仲間―エキゾチックなお土産は有毒な植物の種子を含む可能性がある
4. マイクロプラスチック:事実、研究、未解決の問題
5. 家庭菜園や市民農園で植物保護製品を安全に使う
6. 科学評議会がBfRの信頼できる研究を認証する
【ANSES】
1. 子供、高齢者、妊娠中及び授乳中の女性の栄養:ANSESは子供の過剰な砂糖摂取に警告し、高齢者へ身体活動の有益性を強調する
2. ANSESはグリホサートの発がん性を調べる入札を開始
【FSAI】
1. リコール情報
【FDA】
1. FDAはがんやアルツハイマー病、オピオイド離脱症状、痛み、ペット不安症の治療を根拠なく謳った未承認カンナビジオール製品の販売業者に警告する
2. FDAは色素添加物として大豆レグヘモグロビンを認可
3. 栄養成分表示:若者向けの栄養表示教材を読もう
4. リコール情報
5. 警告文書
【Justice】
1. 司法省はニューヨークの会社に異物混入されたダイエタリーサプリメントの販売を中止するよう告訴
【CDC】
1. フィールドからの報告:飲料水汚染検出後のGenXとその他パー及びポリフルオロアルキル物質の的を絞ったバイオモニタリング-ノースカロライナ、2018
【NIH】
1. The Scoop 消費者向けニュースレター- 2019 夏
【FSANZ】
1. 食品基準改定
2. 食品基準通知
【TGA】
1. 医薬品広告:「天然」表示は誤解を招かないよう確認すること
【MPI】
1. 食品事業向けのビジネスソリューション
2. 貝のバイオトキシン警告
【香港政府ニュース】
1. 新鮮な牛肉のサンプルに基準値超過の二酸化硫黄が検出された
2. 食品安全センターはマッド・カープ(淡水のコイ科の魚)のサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出
3. 食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出
4. 違反情報
【HSA】
1. HSAは他国で発見された異物混入健康製品に関する情報を更新(2019年3〜4月)
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(EurekAlert)研究が米国の減塩は米国食品産業に利益があることを強調
・(EurekAlert)放射性物質の謎の放出が解明された
・(EurekAlert)有毒な草:新しい研究が安心を提供