前月好調企業も前年割れに暗転

2020年12月のフードサービス（株式公開企業。コンビニエンスストアを含む）の業績。既存店売上高では、145件のデータのうち12件が前年同月を上回った一方、133件が前年同月割れとなった。全店売上高では、103件のデータのうち10件が前年同月を上回った一方、93件が前年同月割れだった。

売上高については、前年同月以上となったデータは既存店・全店とも半減し、前年同月に達しなかったデータは既存店・全店とも10件前後増加している。

11月好調だった物語コーポとくら寿司が暗転

既存店売上高がとくに好調だったのは、ゼットンのアウトドア（126.2％）。また、小僧寿し持ち帰り寿し事業（小僧寿し+茶月）直営店（114.7％）、モスフードサービス「モスバーガー」（114.2％）が、前年同月に対して2桁増となった。

ほかに、既存店売上高が前年同月を上回ったのは、日本マクドナルドHD（107.2％）、プレナス「ほっともっと」（105.2％）、小僧寿しデリバリー事業（デリズ）直営店（101.9％）、ゼンショーHD「すき家」（101.3％）、フライングガーデン（101.1％）、ホットランド「築地銀だこ」（101.0％）、日本KFCHD（100.8％）、アークランドサービスHD「かつや」（100.6％）、スリーエフ「ローソン・スリーエフ」（100.3％）。

既存店売上減を5％未満に留めたデータは10件だった。

既存店で11月度に好成績を記録していたくら寿司国内（11月度134.4％）と物語コーポレーション焼肉部門（同120.4％）が前年同月割れとなったことが注目される。11月度にやはり好調だったフライングガーデン（同121.8％）も、12月度では前年をクリアしたが微増の結果。

ギフトとアークランドの攻勢続く

新店を含む全店売上高がとくに好調だったのは、ギフト国内直営店（122.7％）とアークランドサービスHD全店（121.3％）。

また、モスフードサービス「モスバーガー」（112.8％）も全店売上高が前年同月に対して2桁増となった。

ほかに、全店売上高が前年同月を上回ったのは、日本マクドナルドHD（107.9％）、スシローグローバルHD「スシロー」（104.4％）、プレナス「ほっともっと」（104.3％）、ゼンショーHD「すき家」（102.5％）、日本KFCHD（101.8％）、フライングガーデン（101.3％）、SRSHD国内全店（100.1％）。

居酒屋を中心とした破壊的苦戦続く

既存店売上高が前年同月の50％を割ったデータが17件ある。

既存店売上高が前年同月の60％を割ったのは計34件（前月10件）。同じく前年同月の90％を割ったのは計108件（前月84件）。

新店を含む全店売上高が前年同月の50％を割ったデータが14件ある。

新店を含む全店売上高が前年同月の60％を割ったのは計26件（前月11件）。同じく前年同月の90％を割ったのは計69件（前月63件）。

売上減がとくに深刻なのは居酒屋などアルコール系業態が中心だが、全体的な落ち込みも厳しい。

主要なフードサービスの2020年12月の業績一覧

各社発表データによる。一部に速報値を含む。売上高、客数、客単価のパーセンテージは前年同月比。

凡例：10％以上のプラス／5％以上のプラス／前年同月未達／5％以上のマイナス／10％以上のマイナス。順不同。