
国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国で小規模飼育の家禽類との接触に関連し、複数州にわたるサルモネラ感染が発生。2024年1月〜9月に470人が感染し、1人が死亡。患者の半数以上が発症前に家禽類を入手していた。CDCは衛生対策の徹底を呼びかけ、州の当局と家禽類の販売者らと協力して、家禽類を初めて所有する人への啓発等に取り組んでいる。
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【米国】小規模飼育の家禽類との接触に関連のサルモネラ
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)および複数州の公衆衛生当局は、複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Altona、S. Cerro、S. Enteritidis、S. Indiana、S. Infantis、S. Johannesburg、S. Mbandaka、S. Typhimurium)感染アウトブレイクを調査するためさまざまなデータを収集した。
2024年10月22日までに、サルモネラ(S. Altona、S. Cerro、S. Enteritidis、S. Indiana、S. Infantis、S. Johannesburg、S. Mbandaka、S. Typhimurium)アウトブレイク株のいずれかに感染した患者が48州から計470人報告された。患者の発症日は2024年1月1日〜9月4日であった。情報が得られた患者378人のうち125人(33%)が入院した。ミネソタ州から死亡者1人が報告された。
情報が得られた患者181人のうち92人(51%)が、発症前に家禽類を購入または入手していたことを報告した。患者はこれらの家禽類の入手先として、小売店、孵化場、地元の農場、フリーマーケット、友人または親戚を報告した。患者が購入場所として報告した小売店には複数の孵化場が家禽類を供給していた。本アウトブレイクのすべての患者に共通する単一の供給業者は特定されなかった。
本アウトブレイクは終息している。CDCは、小規模飼育の家禽類を取り扱う際に健康被害を防ぐための衛生手順を遵守するよう繰り返し注意喚起を行っている(下記Webサイト参照)。
- Backyard Poultry(裏庭の養鶏)
- https://www.cdc.gov/healthy-pets/about/backyard-poultry.html
CDCおよび州の当局は家禽類を販売する孵化場や小売店と協力し、家禽類を初めて所有する人への啓発およびサルモネラの拡散防止に取り組んでいる。
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.08(2025.04.16)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202508m.pdf