はちみつの糖添加調査で英は黒

No.05(2025.03.05)

はちみつ(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。EUは包装廃棄物の新規則PPWRを制定し、2025年2月11日に発効予定。再利用促進や2050年の気候変動対策を目指す。ECは蜂蜜の糖添加調査で英国サンプルすべてを疑わしいと判断し、英国政府が分析法の検証を進める。EFSAは紅麹モナコリンの安全性を再評価し、安全な摂取量の特定が困難と結論した。

注目記事

【EC】包装廃棄物:設計と廃棄物管理を含む包装と包装廃棄物に関するEUの規則

 欧州連合(EU)では、商業用、家庭用、工業用、その他の分野におけるすべての包装および包装廃棄物に関する規定である包装・包装廃棄物指令94/62/EC(PPWD)が改正され、新たに包装・包装廃棄物規則2025/40(PPWR)が制定された。新規則のPPWRは2025年2月11日に発効し、その18カ月後に適用予定である。新たに規則として適用することにより、加盟国による措置をさらに調和させることができるようになる。新規則は、再利用や詰め替えでの利用を増やすことにより包装廃棄物を削減する、2030年までにEU市場に流通する包装材を経済的に実行可能な方法でリサイクル可能な製品にする、包装材への再生プラスチックの利用を安全に増やす、未使用原料の包装材への使用量を削減して2050年までに気候変動に影響されない包装を実現することなどを目的としている。PPWRの実施に関する詳細は、近日中に発表予定である。

【DEFRA】蜂蜜の真正性に関する「From the Hives」調査で適用された方法のレビュー

【FSA】英国での蜂蜜の真正性を守る新たな方法の模索

 欧州委員会(EC)は2023年の「From the Hives(ミツバチの巣箱から)」報告書において、蜂蜜に糖が添加されている可能性を調査した結果を発表した。EUへ輸入された蜂蜜に焦点を当て、英国からの13サンプルを含めて、20カ国からの合計320サンプルが採取された。サンプルはECの共同研究センター(JRC)に送られ、いくつかの異なる方法とマーカーを用いて糖シロップの添加について分析が実施された。その結果として英国の13サンプルがすべて疑わしい(suspicious)と判断されたことを受けて、英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)および英国食品基準庁(FSA)は、本調査で用いられた分析法について独立した科学的専門家の意見を求めるために、専門家の作業グループを設置し、そのグループによる意見の要約を発表した。この意見は、英国の蜂蜜サンプルのフォローアップと英国政府のECへの正式な回答に利用された。また、英国FSAは蜂蜜の認証のための新たな検査方法の開発に関するプロジェクトについて発表した。

【EFSA】紅麹由来モナコリンの安全性に関連する追加の科学的データに関する科学的意見

 欧州食品安全機関(EFSA)は、食品に添加できるビタミン・ミネラル類およびその化合物に関する規則(EC)No1925/2006において「制限物質(restricted substances)」としてEUの監視下に置かれている紅麹(RYR)由来モナコリンの安全性に関する科学的意見をECより要請された。本規則では、RYR由来モナコリンの一日の摂取量が3mg未満になるよう指示している。EFSAの専門家パネルは、提出された、RYRサプリメントの組成に関する分析データ、他の食事由来モナコリンの摂取量、モナコリンと他のスタチンのin vitroバイオアクセシビリティおよび細胞毒性データ、ニュートリビジランス/市販後データ、症例報告、臨床研究などを含む追加の科学的データをレビューした。その結果RYRサプリメントに含まれるモナコリンの安全性を3mg/日未満で設定することはできず、また、一般人や感受性の高いサブグループの安全上の懸念を生じないフードサプリメント中のRYR由来モナコリンの一日摂取量を特定することもできないと結論した。

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【WHO】

1. ファクトシート:生物多様性

2. 出版物

【FAO】

1. G20:食料安全保障は平和、安定、人間の尊厳にとって不可欠であるとFAOが発言

2. Codex

【EC】

1. 包装廃棄物:設計と廃棄物管理を含む包装と包装廃棄物に関するEUの規則

2. 欧州食品安全機関のパフォーマンス評価

3. 欧州委員会、EUの農業・農業食料セクターの発展に向けたロードマップを発表

4. EUHPPライブウェビナー:欧州におけるカビ毒リスクと気候変動の潜在的影響(2025年3月10日)

5. 査察報告書

6. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【ECHA】

1. SCIP通知者向けに更新された候補リスト参照物質パッケージが利用可能

【EFSA】

1. 健康影響に基づくガイダンス値(HBGVs)及び全ての供給源からの暴露評価の再評価に関するEFSAの科学的意見を踏まえた銅化合物のMRLs更新の声明

2. 紅麹由来モナコリンの安全性に関連する追加の科学的データに関する科学的意見

3. 食品に含まれる残留農薬への短期(急性)食事暴露の評価に用いる方法論のレビュー

4. 規則(EU)2015/2283第14条に従い、第三国由来伝統食品としてのDurvillaea incurvata(Suhr)Macayaの乾燥葉の通知に関する技術的報告書

5. 食品添加物及び食品香料に関するデータの報告ガイダンス-2025年

6. 農薬リスク評価のためのエージェントベースミツバチコロニーモデル第3版(ApisRAM.03)

7. FFRAUD‐ER:食品安全新興リスクの誘発要因としての食品不正インシデントを特定するための計算モデルの開発

8. EFSAの危機対応のための手順書―2024年12月更新

9. 食品酵素関連

10. 農薬関連

【FSA】

1. 超加工食品

2. 意見募集:同化規則2019/1793の改正:輸入された非動物由来の高リスク食品及び飼料に適用される公的管理及び緊急措置の変更

3. ブログ:英国での蜂蜜の真正性を守る新たな方法の模索

【FSS】

1. 乳児用調製乳市場に関するCMA最終市場調査報告書に関するFSSの声明

【DEFRA】

1. 蜂蜜の真正性に関する「From the Hives」調査で適用された方法のレビュー

2. 精密育種植物品種のための植物品種と種子の枠組み

【FSAI】

1. 海洋漁業保護局によるそのまま喫食可能な水産製品事業所における公的管理の有効性の監査

2. 食品安全におけるAIの変革的役割を探る食品会議

【BfR】

1. BfR MEAL study:バナジウムはほとんどの食品で検出されなかった

2. レビュービデオ:国際会議「食品・飼料のための代替タンパク質」

【RIVM】

1. 飼料中のマーカーとしての二酸化チタン使用のリスク評価

【ANSES】

1. 家庭用品のハザード:消費者情報の改善

【FDA】

1. FDAは更新された「ヘルシー(Healthy)」栄養成分表示を最終決定する2.リコール情報

【EPA】

1. EPA、クロルピリホスのトレランスを取り消す規則案に対する意見募集期間を延長

【USDA】

1. XMAP®食品アレルゲン検出アッセイによるアレルゲンのスクリーニングと確認

【米国大統領府】

1. 大統領の「米国を再び健康にする委員会」の設置

【FSANZ】

1. 食品基準通知

【APVMA】

1. APVMA戦略計画案2025-30について意見募集

【MFDS】

1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 残留農薬基準を超過した「果物・野菜加工品」の回収措置

3. 台湾産ウーロン茶など違法輸入・販売業者を摘発

4. 食品に麻薬を連想させる用語を使用しないでください

5. 食品公典一般試験法実務解説書を発刊

【その他】

・食品安全関係情報(食品安全委員会)から

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.05(2025.03.05)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202505c.pdf