国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。カナダでミニペストリーに関連するサルモネラ感染アウトブレイクが発生している。5州から計61人報告されており、他地域への拡大の可能性も。WHOは病原体ゲノムサーベイランスを強化するために、約200万米ドルの助成金を供与する対象プロジェクトを発表した。データはワクチンと治療法開発等に役立つ。
注目記事
【カナダ】ミニペストリーに関連のサルモネラ
カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、ミニペストリーに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイクに関する公衆衛生通知を発表した。
本アウトブレイクに関連して検査機関でS. Enteritidis 感染が確定した患者が5州から計61人報告されている。報告患者のうち17人が入院し死亡者はいない。
患者の多くが、回収対象となっているミニペストリー製品が提供された行事や施設などで、発症前にミニペストリーを喫食していたことを報告した。
本アウトブレイクは、現時点で患者が報告されている5州以外の州・準州にも関連している可能性がある。
【WHO】病原体ゲノムサーベイランスの実施を強化するための研究助成
世界保健機関(WHO: World Health Organization)およびその関連機関は、病原体ゲノムサーベイランスの実施を強化するために、約200万米ドルの助成金を供与する1回目の対象プロジェクト10件を発表した。
この助成金制度(catalytic grant fund)は、低・中所得国における病原体のゲノム解析能力の養成を支援するために、国際病原体サーベイランスネットワーク(IPSN:International Pathogen Surveillance Network)によって設立された。ウイルスや細菌などの病原体について、さまざまなデータと組み合わせた上で、容易に拡散する仕組みや疾患を引き起こす方法などを解明するため、ゲノム解析が行われている。このデータは、研究者や公衆衛生担当者による感染症の脅威の調査と対応、ワクチンと治療法の開発、および各国の迅速な対策決定に役立つ。
この助成金は国連財団が主催し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ロックフェラー財団およびウェルカム財団の支援を受けている。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
目次
【世界保健機関(WHO)】
1. 国際病原体サーベイランスネットワーク(IPSN)が疾患の脅威に関する研究を支援するための第1回助成金を供与する研究機関を発表
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. queso frescoチーズおよびcotijaチーズに関連して複数州にわたり発生したリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2024年4月10日付最終更新)
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:ミニペストリーに関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(2025年1月19日付初発情報)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)/欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症に関するOne Healthの観点からの報告書(2023年)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)が第4回小売食品サンプリング調査の結果を発表
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. NethMap2024:2023年のオランダにおける医学的に重要な細菌への抗微生物剤の使用および抗微生物剤耐性に関する報告書/MARAN2024:2023年のオランダにおける種々の動物での抗微生物剤耐性および抗生物質使用のモニタリングに関する報告書
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. ノロウイルス-感染原因の認識および排除
【ニュージーランド第一次産業省(MPI, NZ)】
1. ニュージーランドの食品由来疾患に関する2023年の報告書
【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(04)(03)(02)(01)(92)(91)(90)
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.02(2025.01.22)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2025/foodinfo202502m.pdf