メキシコ産キュウリの食中毒

No.25(2024.12.11)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。CDC、FDA、複数州の当局は、19州で68人が感染したサルモネラ感染アウトブレイクを調査している。感染源はメキシコ産キュウリで、FDAは単一の栽培業者を特定した。多数の業者が対象のキュウリとそれを使用した製品を回収中。CDCは回収対象品について注意喚起、FDAは輸入業者と対応を継続。

注目記事

【米国】キュウリに関連のサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Typhimurium)感染アウトブレイクを調査するためさまざまなデータを収集している。

 2024年11月26日時点で、S. Typhimurium アウトブレイク株に感染した患者計68人が19州から報告されている情報が得られた患者50人のうち18人が入院した。死亡者は報告されていない。

 患者は、さまざまな飲食店や施設でのキュウリの喫食、およびさまざまな小売店舗でのキュウリの購入を報告した。

 2024年11月27日、SunFed Produce 社はキュウリの回収を発表した。疫学・追跡調査によるデータは、SunFed Produce社が回収している製品など、Agrotato, S.A. de C.V.社(メキシコ Sonora)が栽培したキュウリがサルモネラに汚染されている可能性があり、本アウトブレイクの感染源となっている可能性があることを示唆していた。FDAによる追跡調査から、患者に関連したキュウリに共通する単一の栽培業者としてAgrotato, S.A. de C.V.社が特定された。

 2024年12月5日現在、多数の業者が、回収対象のキュウリおよびこれらを使用した食品を回収している米国疾病予防管理センター(US CDC)は、回収対象のキュウリを喫食・販売・提供しないよう注意喚起している。米国食品医薬品局(US FDA)は、Agrotato, S.A. de C.V.社が栽培したキュウリのその他の輸入業者と連携しながら対応を継続している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】

1. キュウリに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Typhimurium)感染アウトブレイク(2024年12月5日付更新情報、11月29日付初発情報)

2. そのまま喫食可能な(ready-to-eat)食肉・家禽肉製品に関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2024年12月5日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】

1. 公衆衛生通知:ヤモリに関連して複数州にわたり発生した(Salmonella Lome)感染アウトブレイク(2024年5月14日付最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】

1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】

1. 英国食品基準庁(UK FSA)が学校における食品基準の遵守状況に関するパイロットプログラムの最終報告書を発表

【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】

1. アイルランドの胃腸疾患および人獣共通感染症、2022年(赤痢)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】

1. 家禽肉は無菌ではない:台所の衛生管理は抗生物質耐性細菌の予防にも有効である

2. サルモネラ対策プログラムの2023年次報告書:陽性率は低レベルを維持

【ProMED-mail】

1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(81)(80)(79)(78)(77)(76)

2. 原因疾患不明の死亡、コレラの疑い(ナイジェリア)

3. コレラ、デング熱:死亡者および患者が増加(スーダン)

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.25(2024.12.11)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202425m.pdf