国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。FAOとDanone社の専門家は食品包装の技術革新に関連するリスクの可能性と機会について検証している。コーデックス委員会は第47回総会を開催した。FDAは魚介類中PFAS情報を求め、データ不足を補う方針。BfRは二酸化チタンの認可取り消しを受けて二酸化チタンに関するFAQの更新版を発表した。
注目記事
【FAO】最近の新興食品包装代替品:化学的安全性リスク、現行規制、分析上の課題
国連食糧農業機関(FAO)とDanone社の専門家の共著による食品包装代替品の安全性に関するレビューが、Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety誌に掲載された。このレビューでは、食品包装に使用されるリサイクル素材やバイオベース素材、再利用可能なハイブリッド包装、ナノテクノロジーやアクティブでインテリジェントな包装などの技術革新に関連するリスクの可能性と機会について検証している。
これら新しい食品接触物質に特有の食品安全ハザードとして、バイオベース素材におけるタンパク質の存在とアレルゲン性のリスク、再利用可能な包装における微生物学的および化学的汚染物質、食品接触物質として意図されていないリサイクル材料における特定の物質の存在などが挙げられた。
新しい食品接触物質は、消費者に健康リスクをもたらさないことを保証するために適切に評価されなければならないが、世界的に統一された規制がないために状況が複雑化している。
【FAO】FAO-WHOコーデックス委員会が新規格を採択
コーデックス委員会が、2024年11月25日から30日にかけて、食品の安全性と品質に関する規格、ガイドラインや実施規範を採択するための第47回総会(CAC47)を開催した。コーデックス委員会は、消費者の健康保護と食品貿易の公正性を確保することを目的としてFAOとWHOにより設置された、国際食品規格策定を行う政府間組織である。今次総会で最終採択されたコーデックス規格や文書を紹介する。
【FDA】FDAが魚介類に含まれるPFASに関する情報提供を要請する
米国食品医薬品局(FDA)は、魚介類中のパー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に関する情報提供依頼(RFI)を発行した。FDAは、魚介類、周囲の環境、加工水中のPFAS濃度、及び魚介類に含まれるPFASへの暴露を減らすための低減戦略について、水産業界、学界、州及び連邦機関、その他の関係団体からの科学的データと情報を求める。
FDAは、2019年以降のトータルダイエットスタディ(TDS)など、さまざまな方法でサンプルを収集し、一般的な食品に含まれるPFASの調査を行っている。これまでも米国で最も一般的に消費されている魚介類を対象とした調査を実施したが、他の多くの種類の魚介類についてのデータは依然として限定的であることから、情報提供を要請することにした。提出期限は2025年2月18日。
【別添】二酸化チタン:健康リスクはあるか?
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、2022年のEUにおける食品添加物としての二酸化チタンの認可取り消しを受けて、2021年に公表した二酸化チタンに関するFAQを大幅に見直し、更新版を発表した。FAQでは、二酸化チタンの用途、性質、ヒトにおける暴露経路、欧州化学物質規制に基づくリスク評価、関連法規の適用、飼料添加物としての認可の取り消し、各用途による健康への影響などについて簡潔にまとめている。
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
【FAO】
1. FAO統計年鑑2024は、世界の農業の持続可能性、食料安全保障、雇用における農業食料システムの重要性に関する重要な洞察を明らかにする
2. 最近の新興食品包装代替品:化学的安全性リスク、現行規制、分析上の課題
3. Codex
【EC】
1. SCHEER-リスク評価のための根拠の重み付けアプローチに関する覚書-2024年改訂版
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【ECHA】
1. ECHAと欧州5カ国、PFAS規制に関する進捗状況を発表
【EFSA】
1. DRVファインダー(2024年11月に新しい耐容上限摂取量に更新)
2. EFSAとFSAIの健康危機に対する深刻な国境を越えた脅威への対応訓練
3. 食品酵素関連
4. 新規食品関連
5. 農薬関連
6. ポッドキャスト
【FSA】
1. 缶コーティングの安全性評価
2. ブログ:缶詰ツナの水銀について心配すべきか
3.2024年12月のFSA理事会のペーパーが公表される
【COT】
1. COT会合:2024年12月10日
【UKHSA】
1. 子供の鉛暴露サーベイランスシステム年次報告書2024
【BfR】
1. 食品及び飼料に含まれる化学物質のリスク評価:国際的な取り組み
2. 単なる昆虫ではない:代替タンパク質源が従来の飼料や食品を補完する
3. 食品安全に関する新たな協力方法:BfRは英国機関との作業計画に合意
4. ドイツ-チュニジアの食品安全強化リーダーシッププログラムチュニスでのリーダーシッププログラムの開幕ワークショップでのBfR
5. ブドウ(Vitis vinifera)からワインへの14種類の農薬の移行―農薬を添加したブドウと
畑で農薬処理したブドウの比較
6. フードサプリメントに含まれるメラトニン:「優しい睡眠補助薬」ではない
【RIVM】
1. 地下水と地表水中の窒素とリンがまだ多すぎる
2. 最も有害な化学物質の段階的廃止と代替を加速するための必須用途の概念化学物質に関するEU法への水平展開のための要件
【FDA】
1. FDAが魚介類に含まれるPFASに関する情報提供を要請する
2. FDAは小売食品店及び食品サービス施設向けのアレルゲン表示に関するウェビナーを開催する
3. FDAは食品中の化学物質の市販後評価のための強化された体系的プロセスの開発に関するパブリックミーティングを開催
4. FDAは食品分析のためのFSMA試験所認定プログラムに基づくカビ毒検査の能力が
十分であると発表する
5. 公示
6. 警告文書
7. リコール情報
【EPA】
1. EPAはPFASに取り組み、水に含まれる新興汚染物質を特定する新たなイニシアチブを立ち上げる
2. プラスチック汚染防止のための国家戦略
3. EPA、農薬に関する研究レビューに関する数千件の記録を一般公開
【NIH】
1. ODS戦略計画2025-2029
【US GAO】
1. 科学技術スポットライト:有害化学物質の代替
【CFIA】
1. What we heard報告書:非小売用容器に包装済みの生鮮果物又は野菜の特定食品の正味量表示の測定単位の変更案に関する協議
2. 食品安全調査:SiftoブランドのHy·Grade Saltに金属片が混入
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【TGA】
1. ハーブ成分名の市販前評価の中止:よくある質問(FAQ)
【MPI】
1. Bay of Plentyの貝類バイオトキシン警告
【香港政府ニュース】
1. ニュースレター
2. プレスリリース
3. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食薬処、生産段階の農産物安全管理のための農薬14種の基準を新設
3. 食薬処、新たな食品添加物の開発支援を推進
4. 食薬処、ナトリウム・糖類低減製品の開発を支援
5.「山羊乳タンパク質粉末」輸入・製造・販売業者を摘発
6.「キャンプ用調理器具」「骨・関節の健康を標榜する食品」の海外直輸入に注意してください
7. 食薬処、ペルーと手を携えて中南米の食品規制協力を拡大
8. リコール情報
【SFA】
1. プレスリリース
【HSA】
1. HSAはオンラインプラットフォームとの初の共同作戦で違法健康製品のオンライン商品3,000件以上を削除する
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・ProMED-mail1件
別添
【BfR】
1. 二酸化チタン:健康リスクはあるか?
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.25(2024.12.11)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202425c.pdf
- 食品安全情報(化学物質)No.25(2024.12.11)別添
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202425ca.pdf