WHOの食物アレルゲン資料

No.22(2024.10.30)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。WHOは食物アレルゲンに関する概要シリーズ4件を公表した。欧州食品安全機関(EFSA)は、新規食品に関する規則の対象となるEU域外国由来伝統食品の認可申請に関する科学的ガイダンスの更新版を発表した。コーデックス委員会の新事務局長が、コーデックス委員会についてのわかりやすい説明を行っている。

注目記事

【WHO】(出版物)概要:食物アレルゲン

 世界保健機関(WHO)は、2022-2024年に公表したFAO/WHO合同特別専門家会合の報告書「食物アレルゲンのリスク評価」パート1-5の内容をわかりやすくコンパクトにまとめた、食物アレルゲンに関する概要(In brief)シリーズ4件を公表した。

※ポイント:イラストを用いて報告書の内容を理解しやすいよう工夫されています。2024年10月27日より第48回コーデックス食品表示部会(CCFL)が開催されています。包装済み食品の表示に関する一般規格(CXS1-1985)のアレルゲン表示に関する条項の見直しや、予防的アレルゲン表示に関するガイダンスの策定における科学的根拠を理解する上で、非常に役立つ資料です。

【別添 WHO】Sarah Cahill氏の紹介:FAO/WHOコーデックス委員会の新事務局長に就任

 FAO/WHOコーデックス委員会(Codex Alimentarius Commission)の新しい事務局長にSarah Cahill氏が任命された。コーデックス委員会のことを知らない人でも理解できるように、その役割と重要性、FAOとWHOとの関係、規格策定の手順、代表的な文書などについて、新事務局長がQ&A形式でわかりやすく説明する。

【EFSA】第三国由来伝統食品の認可のための通知と申請の科学的要件に関するガイダンス

 欧州食品安全機関(EFSA)は、新規食品に関する規則(EU)2015/2283の対象となる第三国由来伝統食品の認可申請に関する科学的ガイダンスの更新版を発表した。

※ポイント:EUの新規食品のうち、第三国(EU域外の国のこと)の伝統食品に関する認可申請については、第三国における食品としての安全な使用歴を示すことができることを条件に手続きを簡略にしています。その安全な使用歴とは、「申請前に、問題になっている当該食品の安全性が、組成に関するデータと少なくとも第三国の1ヶ国において相当数の人々が日常的な食事で少なくとも25年間継続的に使用している経験から確認されていること」であると新規食品規則に定義されています。そのため申請者は、安全な使用歴を実証するために、当該食品を食している地理的範囲、食べ方(加工・調理方法等)、消費期間と継続性、一人当たりの消費量・年間生産量、消費パターン(頻度等)、消費者集団の特徴と規模などに関するデータの提出が必要になります。

【情報提供】きのこ狩りのシーズン到来とともに食中毒も発生しています。その原因の多くは、食用にできるきのこと毒きのことの誤認です。そのため、食中毒の原因となることの多い毒きのこについて、よく似た食用きのことの見分け方のポイントを写真とともに説明したパンフレットを公開しました。今号に紹介しているドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)の注意喚起と合わせて、ご参考にしていただけましたら幸いです。

*パンフレット「毒きのこに気をつけて!」

https://www.nihs.go.jp/dsi/section_s3/toxins/mushroomA4.pdf

(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)

目次

【WHO】

1. ファクトシート:水銀

2. 出版物

【FAO】

1. 食品安全フォーサイト:新たな食品の安全性を探る

2. 循環型経済における食品安全の確保

3. トロントで細胞性食品と精密発酵に関する第3回関係者会議を開催

4. 専門家がカナダの食品製造施設を訪問し、最新技術を直接理解する

5. 世界食料フォーラム:2024年の世界的最重要イベントがローマで開幕

6. FAO、2024年11月6日に「食品安全のためのAI」に関するハイブリッドセミナーを開催

7. FAO、Mattarella伊大統領に謁見し、ローマに新たな食料農業ミュージアム・ネットワークを発表8. Codex

【EC】

1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】

1. ビューベリシンの遺伝毒性

2. 食品中の臭素化フェノールとその誘導体のリスク評価の更新

3. 第三国由来伝統食品の認可のための通知と申請の科学的要件に関するガイダンス

4. 新しい微量栄養素源の安全性と相対的生物学的利用能の評価のための科学的原則とデータ要件に関するガイダンス

5. 食品・飼料のリスク評価において新しいタンパク質の毒性を予測するin silico方法論の開発

6. 明日の潮流をナビゲートする:海洋資源の未来と食品・飼料の安全性への影響を調査

7. 欧州の食事における代替タンパク源-健康リスク・ベネフィットと持続可能性「ALTERNATIVA」の統合

8.2024年IPA恩恵国の食品及び飼料の安全性に関する危機準備訓練

9. 食品添加物関連

10. 食品酵素関連

11. 新規食品関連

12. 農薬関連

【FSA】

1. 食品2023

2. 細胞培養製品のための画期的なサンドボックスプログラムが発表された

3. 進行中の調査により、ピーナッツ混入によるマスタード製品の英国での更なるリコールにつながる

【FSS】

1. 食品法実施規範2019

【BfR】

1. 植物ベース飲料のマイコトキシン類:詳細なデータが必要マックス・ルブナー研究所による研究結果とリスク評価への関連性

2. キノコ:間違えると致命的

3. 科学にはどのような価値があるか?

【ANSES】

1. グリオキシル酸を含む縮毛矯正製品のリスクについての警告

2. 環境及び職業上の健康リスクをより良く理解するための2件の研究提案を募集

【FDA】

1. FDAは食料生産動物用抗菌剤の販売及び流通に関する年次概略報告書2023を発表する

2. 魚介類に関連する毒素及びスコンブロトキシンによる魚中毒の報告方法

3. FDAは食品中の化学物質の市販後評価のための強化された体系的プロセスの開発に関するパブリックミーティングを開催

4. 食品コンプライアンスプログラム

5. 着色添加物認証に関する報告:2024会計年度第4四半期、7月1日-9月30日

6. 警告文書

7. リコール情報

【EPA】

1. EPA、化学物質DIDPおよびDINPレビューに関する科学諮問委員会の会議議事録および最終報告書を発表

2. EPAは国家試験戦略の下、製造に使用されるPFASの試験命令を出す

3. EPA、抗菌および抗真菌農薬に関連する耐性リスクに関する省庁間協力の枠組みを最終決定

4. EPA、ウイルスに対する有効性表示の利用可能性を追加抗菌製品に拡大するための暫定ガイダンスを発表

5. EPA、クロルピリホスから絶滅危惧種を守るための次のステップを発表

6. EPAは過塩素酸塩の第一種飲料水規則について意見を募集

7. EPA、新規農薬メタミトロンの登録案を発表

8. バイデン-ハリス政権は、10年以内に鉛管の交換を義務付け、EPA第8Regionに1億6800万ドル以上の資金提供を発表

【CFIA】

1. 特定の食品中の食品着色料(2022年4月1日から2023年3月31日)

【APVMA】

1. APVMA、クロルタールジメチルを含むすべての製品を取り消し2. クロルピリホスの再検討に関する規制上の最終決定

【TGA】

1. 安全性助言

【香港政府ニュース】

1. 食品保存料(改正)規則2024が官報に掲載された

2. ニュースレター

3. 違反情報

4. リコール情報

【MFDS】

1.日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 消費期限、今は選択ではなく必須

3. 食品購入脆弱地域の移動型店鋪で包装肉の購入が可能になる

4. 食薬処、シンガポールとの規制協力拡大でグローバル新素材食品市場攻略に乗り出す

【SFA】

1. プレスリリース

2. リコール情報

【HSA】

1. リコール情報

【その他】

・食品安全関係情報(食品安全委員会)から

別添

【WHO】

1. Sarah Cahill 氏の紹介:FAO/WHOコーデックス委員会の新事務局長に就任

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.22(2024.10.30)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202422c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.22(2024.10.30)別添
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202422ca.pdf