国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。国際がん研究機関(IARC)がモノグラフ134巻を発表した。米国食品安全検査局(FSIS)は新しいスクリーニング法を導入する。米国農務省(USDA)は動物飼育および環境関連の強調表示の裏付けを強化する。オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)はパラコートとジクワットの規制を再検討している。
注目記事
【WHO/IARC】IARCモノグラフ134巻:アスパルテーム、メチルオイゲノール、イソオイゲノール
国際がん研究機関(IARC)がモノグラフ134巻を発表した。モノグラフはIARCウェブサイトでPDF版をダウンロード可能である。対象はアスパルテーム(ヒトに対して発がん性がある可能性がある:グループ2B)、メチルオイゲノール(ヒトに対しておそらく発がん性がある:グループ2A)、イソオイゲノール(グループ2B)である。それらのうちアスパルテームについては、公衆衛生上の要求に応じて、2024年4月29日に他の物質より先んじてモノグラフを発表していた。
【USDA】FSISは残留化学物質検査に新しいスクリーニング法を導入
米国農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS)は、現行の動物用医薬品と農薬の分析を1つのワークフローに統合した新しいスクリーニング法として、「超高速液体クロマトグラフィー‐タンデム質量分析法(UHPLC-MS/MS)による動物用医薬品および残留農薬の一斉スクリーニング」(CLG-MEGA1.0)を導入する。FSISの検査室システムは、2024年9月30日以降に到着する、いくつかの食肉分類(牛肉、豚肉、家禽、ヤギ、羊)の筋肉、ナマズの筋肉、液卵製品を対象に新しいスクリーニング方法を実施する予定である。
【USDA】USDAは、食肉および家禽のラベルにおける動物飼育および環境関連の強調表示の裏付けを強化するためのガイドラインの更新版を発表
USDAは、食肉や家禽製品のラベルに記載される動物飼育や環境関連の強調表示(例:放牧飼育、放し飼い)について、表示の裏付けを強化するためにガイドラインを更新した。企業が提出する強調表示に関する書類はFSISにより審査され、承認を得た後に食肉および家禽製品のラベルに記載することができる。更新されたガイドラインでは、強調表示を立証するために第三者認証の使用を強く推奨している。また、抗生物質に関する強調表示(例:抗生物質を使用せずに飼育、抗生物質不使用)について、食肉処理前の家畜の定期的なサンプリングと検査プログラムを実施するか、検査を含む第三者認証を取得することを推奨している。
【APVMA】パラコートに関する規制決定案について
パラコートはビピリジニウム系の非選択性除草剤で、単一の対象種のみではなく、あらゆる植物に作用する。同系の除草剤としてジクワットがある。オーストラリアでは両除草剤の使用が1964年から登録されている。パラコートは農業や園芸のさまざまな場面で使用されるほか、道端や防火帯などの雑草防除にも登録されている。パラコートの使用は非常に制限されており、訓練を受けた作業者のみが使用できる。ジクワットに関しては、濃度が低い製品はそれほど制限されていないが濃度が高い製品は非常に制限されている。パラコートとジクワットは、人々や環境に対する安全性、貿易への影響に関する懸念のため、再検討の対象となった。オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)の規制決定案が公開され、2024年10月29日まで意見募集している。
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
【WHO】
1. オンライン公開協議:栄養表示政策に関するガイドライン案
2. 国際がん研究機関(IARC)
3. 出版物
【FAO】
1. 予防が抗生物質の必要性をいかに減らすか
2. Codex
【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1.2022年の新興リスクに関するEFSAの活動
2. 欧州委員会はEFSAの次期事務局長の公募を開始
3. 食品添加物関連
4. 新規食品関連5. 農薬関連
【FSA】
1. NHS(国民保健サービス)のデータを使用して、重篤な食物誘発性アレルギー反応の発生傾向を監視する
2.2024年9月のFSA理事会の資料が公表される
【FSS】
1. スコットランド食品基準局は、偽造アルコールの追加押収を受けて消費者に情報提供する
【COT】
1. COT会合:2024年9月3日
【BfR】
1. 注目を浴びる食品添加物
【BMUV】
1. 健康と食品の安全性に関する消費者向けのヒント
【RIVM】
1. オランダのリサイクルプラスチック包装はまだ不十分
【FDA】
1. FDAは2022会計年度残留農薬モニタリング報告書を公表する
2. FDAは自主的なナトリウム削減目標(Edition2)のガイダンス案と進捗状況の予備評価に関するウェビナーを開催する
3. 疾病調査:Diamond ShruumzブランドのMicrodosing Chocolate Bars(2024年6月)
4. FDAはUmaryとAmazyの製品は健康に害を及ぼす可能性があるため、消費者に購入又は使用しないよう警告している
5. ヒト用食品担当副長官からの最新情報-トレーサビリティの強化:レーガン・ユーダル財団との会議結果と今後の一般参加の公開会議について
6. 警告文書
7. リコール情報
【NTP】
1. フッ化物暴露と神経発達および認知についての科学の現状に関するNTPモノグラフ:システマティックレビュー
【EPA】
1. EPA、農薬ダクタールの自主的な登録取り下げを発表
2. EPA、フタル酸ジイソノニル(DINP)のリスク評価案を公表し意見募集
3. EPA、意思決定過程における有意義な関与と市民参加のための方針を最終決定
4. EPA、農薬の2カ国語表示に関する新しい資料を発表
5. EPAは農業におけるPFASへの暴露と削減に関する研究に1,500万ドルを助成
【USDA】
1. USDAは、食肉および家禽のラベルにおける動物飼育および環境関連の強調表示の裏付けを強化するためのガイドラインの更新版を発表
2. FSISは残留化学物質検査に新しいスクリーニング法を導入
3.2023年米国における家庭の食料安全保障報告書に関するTom Vilsack USDA長官の声明
【CPSC】
1. CPSCは消費者に対し、飲み込む危険性があるため、直ちにマグネットチェスゲームの使用を中止するよう警告
【CFIA】
1. CFIAの食品偽装対策における役割
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【APVMA】
1. パラコートに関する規制決定案について
【TGA】
1. Sun Herbal社は、補完医薬品の違法販売の疑いで18,780オーストラリアドルの罰金を科せられた
【香港政府ニュース】
1. 食品警告
2. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 海外直輸入食品から麻薬類成分を検出-麻薬ゼリー・キャンディーは絶対に購入、摂取しないでください-
3. 食薬処、大量調理配達給食業者など衛生点検、6カ所を摘発
4. 乳幼児用調製乳、調製食の月齢区分を細分化する
5.2023年輸入農・水・畜産物9.1%減少、加工食品の輸入は大きな変化なし
6. リコール情報
【HSA】
1. リコール情報
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・ProMED-mail1件
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.19(2024.09.18)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202419c.pdf