米国の減塩策。達成品目は4割

No.18(2024.09.04)

食塩(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国FDAの、事業者による自主的な減塩支援のフェーズIが終了。このフェーズの対象品目のうち4割でナトリウム量の削減目標に近い結果と報告している。FDAと米国農務省が食物アレルゲン検査について新たな検査法を追加した。米国に続いてニュージーランド環境保護庁が、ダクタールを含む製品の使用を中止するよう勧告した。

注目記事

【FDA】FDAはナトリウム削減の取組みにおける進捗状況を発表し、特定の食品の目標を引き下げたガイダンス案を公表する

 米国食品医薬品局(FDA)は、国民のナトリウム摂取量の低減に向けて、2021年10月に、事業者による自主的な自社製品のナトリウム削減(減塩)を支援するための段階的アプローチを発表した。フェーズIの2年半計画が終了したことから、今後3年後の目標を示したフェーズIIの事業者向けガイダンス案を発表した。今回も市販の加工食品、包装食品、調理済み食品に重点をおき、各品目に含まれるナトリウム量の実測平均値、削減後の目標値を提示している。

※ポイント:FDAによると、フェーズIで対象とした品目のうち約40%でナトリウム量の削減目標に非常に近いか、達成できたと報告しています。ただ残り60%程度は削減できておらず、製品レベルでのナトリウム量の削減が難しいこともうかがえます。フェーズIIの目標値を見ると、フェーズIの目標値を達成できていない品目でも削減目標は下げられており、FDAは3年毎に定期的に評価していくと報告しています。

【USDA】FSIS公開Q&A:アレルゲンに関する質問と回答

 米国農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS)は、アレルゲンに関するQ&Aの中で、FSISが行う食品製造施設におけるサンプリング及び食物アレルゲン検査について説明した。検査の対象となるのは、1つ以上の主要食物アレルゲンに関する表示(例:乳不使用、卵不使用)を行っている、そのまま喫食可能な製品の製造施設であり、年1回のサンプリングが行われる。さらにFSIS検査室は、XMAP®食物アレルゲン検出アッセイ(XMAP®-FADA)を新たに採用したことを報告した。

※ポイント:XMAP®-FADAは、FDAとRadix BioSolutions社が開発した検査法です。抗体を用いるものの従来のELISAとは異なる手法を用い、1回の検査で14種の食物アレルゲンを検査できるとしています。米国内でどの程度汎用されるかは不明ですが、FDAとUSDAが食物アレルゲン検査について従来法に加えて新たな検査法を導入した点は注目しておく必要があるでしょう。

【NZEPA】ニュージーランドEPA、米国で使用禁止となった除草剤に警告を発出

 クロルタールジメチルは、テトラクロロテレフタル酸ジメチル、DCPA、ダクタール、クロルタールメチルとも呼ばれ、イネ科植物やその他の雑草の防除に使用されている。ニュージーランド環境保護庁(NZEPA)は、この化学物質を含む製品の使用を中止するよう勧告するため、レッドアラートを発令した。本件は、米国環境保護庁(US EPA)が2024年8月7日、クロルタールジメチルを含む製品のすべての使用・販売を停止する緊急命令を発令したことを受けたものである。

※ポイント:米国EPAの報告を受けて、ニュージーランド政府が当該農薬の登録・使用について急遽対応したようです。現在は使用状況の把握を行っており、今後さらなる対応の実施が予想されます。

目次

【FAO】

1. FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)第99回会合(特定の食品添加物の安全性評価)概要報告書

2. ブリーフィングノート:限られた食料の中での食品安全

3. Codex

【EC】

1. 査察報告書

2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】

1. 食品及び飼料中の新興化学物質リスク

2. PFASの免疫毒性を探求するためのNAMsの利用についてのEFSAプロジェクト

3. 遺伝子組換え関連

4. 農薬関連

【FSS】

1. 加工食品と超加工食品について知っておくべき5つの事実

2. FSSは有害な可能性のある偽造ウォッカを発見し公衆衛生警告を発令する

【DWI】

1. 研究報告書「未処理の表層水中のシアノトキシン」の出版

【BfR】

1. フタル酸モノ-n-ヘキシル:ヒトの尿サンプルに検出されたレベルに基づく暴露量推定

及び健康リスク評価

2. イノシシの肝臓の摂取によりPFASの多量摂取につながる

3. 食品中のカビ―健康リスクとその避け方

4. BfR副長官Tanja Schwerdtle博士がマックス・ルブナー研究所の所長に就任

【VKM】

1. 国民のための食事ガイドライン案における栄養素の評価

【FDA】

1. FDAはナトリウム削減の取組みにおける進捗状況を発表し、特定の食品の目標を引き

下げたガイダンス案を公表する

2. 疾病調査:Diamond ShruumzブランドのMicrodosing Chocolate Bars(2024年6月)

3. 取り組みと次の段階:動物及び獣医学イノベーションアジェンダの初年度

4. 消費者向け情報

5. 警告文書

6. リコール情報

【EPA】

1.6価クロムのIRIS(統合リスク情報システム)による毒性学的レビュー

2. EPA、900種の絶滅危惧種を除草剤から守る初の戦略を最終決定:戦略は、生産者やそ

の他の農薬使用者の広範な意見を反映したものである

3. バイデン-ハリス政権、学校や保育施設の飲料水に含まれる鉛から子供たちを守るため

2,600万ドルの助成金を発表

4. EPAはクラークソン大学に対し、PFASを検出および分解する技術の開発と実証のために約150万ドルを授与

5. EPA、薬剤耐性に関する知見のギャップに対処するため900万ドルの研究助成金を授

6. 動物実験削減に関するウェビナーへの登録7. DIY愛好家のための鉛に安全なリフォーム

【USDA】

1. FSIS公開Q&A:アレルゲンに関する質問と回答

【CFIA】

1. 子供の食品プロジェクト-2022年度年次報告書

2. 穀類ベースの食品、大豆製品、茶に含まれるフモニシン-2012年4月1日〜2018年3月31日

3. ブロスやスープにおける表示されないアレルゲン及びグルテン–2020年5月1日〜

44286

【FSANZ】

1. FSANZ、消費者に焦点を当てた栄養表示を進める2. 食品基準通知

【MPI】

1. ニュージーランド食品安全局は警察の調査を支援する2. リコール情報

【NZEPA】

1. ニュージーランドEPA、米国で使用禁止となった除草剤に警告を発出

【香港政府ニュース】1. ニュースレター2. プレスリリース

【MFDS】

1.日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 健康機能食品、安全はより強化し、原料審査は速やかに

3. デリバリー店、アイスクリーム無人販売店を点検、29カ所を摘発・措置

4. 海外オンラインプラットフォームの不法流通、不当広告に注意してください!

5. 政府、オンラインプラットフォームを含め、秋夕に備えて農・水産物の安全性検査及び原産地表示の一斉点検を実施

6. K‐鶏肉製品、欧州連合(EU)に続き、英国の門も開いた!

7. 食薬処、K‐健康機能食品のグローバル先導支援

8. 食薬処‐教育部、ヌルボム学校を通じて子供の食生活・栄養教育の内実化を一緒に推進

9. リコール情報

【その他】

・ProMED-mail 4件

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.18(2024.09.04)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202418c.pdf