国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。アイルランドではノロウイルス感染が増加している。最近数週間に季節外れの上昇が見られており、この傾向は他の欧州諸国および米国でも認められている。
注目記事
【アイルランド】ノロウイルス感染患者数が季節外れの増加傾向
アイルランドではノロウイルス感染が増加している。この高い流行レベルは数週間にわたり継続する可能性がある。
ノロウイルスの流行レベルは通常は12月から翌年の4月の間に上昇するが、最近数週間に季節外れの上昇が見られており、この傾向は他の欧州諸国および米国でも認められている。
医療従事者向けの主要な助言
- 原因に関係なく、嘔吐物はすべて感染性があると考えるべきである。
- 同一の建物・区域・部屋・グループ内で1〜2日以内に2人以上が嘔吐症状を呈した場合、ノロウイルス感染の可能性が高い。
- 汚染された区域は速やかに洗浄・消毒を行う。
- アウトブレイク発生中は定期的な衛生管理・予防対策を徹底し、清掃・消毒の実施を強化する。
- 感染拡大を防ぐため患者を隔離する。
- 感染した職員を業務から外す。
- 初期の段階で職場の感染予防管理の担当者に知らせる。
一般向けの主要な助言
ノロウイルス感染は必ず防ぐことができるとは限らないが、以下の助言に従うことで、感染の拡大を抑えることができる。
- 症状の消失後48時間以上が経過するまで出勤や登校を控え、この期間は病院内の人との接触を避けるべきである。
- 石鹸と水で手指を頻繁かつ念入りに洗う。アルコールハンドジェルにはノロウイルスを死滅させる効果はないため、これに依存しない。
- 汚染された可能性がある物やその表面はすべて消毒する。消毒には、漂白剤を主成分とする家庭用洗剤の使用が最適である。
- ウイルスを確実に死滅させるため、汚染された可能性があるすべての衣類および寝具類を個別に熱湯で洗濯する。
- タオル類や衣類を共用しない。
- 患者の便や嘔吐物はすべてトイレに流し、汚染区域とその周囲を洗浄する。
- 未洗浄の生の農産物は喫食しない。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
目次
【世界保健機関(WHO)】
1. 世界保健機関(WHO)が抗菌剤の開発状況に関する最新の報告書を発表
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小型のカメに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Stanley および S. Poona)感染アウトブレイク(2024年8月16日付初発情報)
2. キュウリに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Africana、S.
Braenderup)感染アウトブレイク(2024年8月14日付更新情報)
3. デリカウンターで薄切りされた食肉製品に関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2024年8月8日、7月31日付更新情報)
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:回収対象の冷蔵植物性飲料に関連して発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2024年8月12日、7月30日付更新情報)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. アイルランドでノロウイルス感染患者数が季節外れの増加傾向
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 食品を保温状態で維持する際の食品由来疾患を防ぐ
【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(38)(37)(36)(35)(34)
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.17(2024.08.21)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202417m.pdf