店頭で薄切りの肉製品の安全性

No.15(2024.07.24)

食肉製品の販売(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国で発生しているリステリア感染アウトブレイクについて米国当局が調査を行っており、患者はデリカウンターで薄切りされた七面鳥肉、レバーソーセージ、ハムなどの食肉製品の喫食を報告している。

注目記事

【米国】デリカウンターで販売された食肉製品に関連のリステリア

 米国疾病予防管理センター(US CDC:Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイクの原因食品を特定するためさまざまなデータを収集している。

 疫学データは、本アウトブレイクの多数の患者がデリカウンターで薄切りされた食肉製品の喫食を報告していることを示している。本アウトブレイクの患者が包装済みデリミートにより感染したことを示すデータはない。

 各州・地域の公衆衛生当局は、患者が発症前1カ月間に喫食した食品に関する聞き取り調査を行っている。患者は、デリカウンターで薄切りされたさまざまな食肉製品の喫食を報告している。聞き取りが可能であった患者18人のうち16人が、デリカウンターで薄切りされた食肉製品の喫食を報告し、とくに多く報告された製品は、七面鳥肉、レバーソーセージおよびハムであった。これらの食肉製品は、さまざまなスーパーマーケットおよび食料品店のデリで薄切りされた。

 CDCは、妊婦、65歳以上の人および免疫機能が低下している人に対し、リステリア感染の症状がみられる場合は医療機関を受診するよう助言している。CDCはまた、デリミートの喫食によるリステリア感染を防ぐための対策の実践も促しており、デリカウンターで薄切りされた食肉製品は加熱してから喫食するよう注意喚起している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】

1. デリカウンターで薄切りされた食肉製品に関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2024年7月19日付初発情報)

2. コロラド州の家禽農場の従業員で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)A(H5)ウイル

ス感染患者4人を確認

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】

1. 公衆衛生通知:回収対象の冷蔵植物性飲料に関連して発生しているリステリア(Listeria

monocytogenes)感染アウトブレイク(2024年7月17日付初発情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】

1. 赤痢-2022年次疫学報告書

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】

1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】

1. 伝達性海綿状脳症(TSE)の2022年のサーベイランス結果に関する欧州連合(EU)要

約報告書

【英国食品基準庁(UK FSA)】

1. 英国食品基準庁(UK FSA)が2022/23年次報告書および決算報告書を発表

【ProMED-mail】

1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(30)(29)(28)(27)

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.15(2024.07.24)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202415m.pdf