FDAはΔ-8THC対策継続

No.15(2024.07.24)

菓子(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州委員会(EC)は、麦角菌核および麦角アルカロイドの最大基準値の変更のいくつかについて適用を延期する。米国FDAと他当局は、デルタ-8THCを含む模倣食品の違法な販売に対する取組みを継続する。オランダ当局はムクナプルリエンス種子(八升豆、ハッショウマメ)を含むハーブ製品の使用について注意喚起を行っている。

注目記事

【EC】食品中の麦角菌核および麦角アルカロイドの最大基準値の引き下げの適用日に関する規則(EU)2023/915の改正

 欧州委員会(EC)は、2024年7月1日から適用予定だった麦角菌核および麦角アルカロイドの最大基準値の引き下げについて、未加工ライ麦穀粒中の麦角菌核については1年間、小麦製粉品、ライ麦の製粉品および消費者向け市販ライ麦中の麦角アルカロイドについては4年間、適用を延期すると発表した。これは、提供された情報を詳細に検討した結果、気候条件により穀類中の麦角菌核および麦角アルカロイドの含有量の増加が見込まれることによる措置である。

※ポイント:本件は、食品に含まれる汚染物質に関する最大基準値は、適切な栽培(農業生産工程管理/GAP、汚染の低減や防止のための実施規範の適用など)を行った上で合理的に達成可能な範囲で低く設定するというALARA(as low as reasonably achievable)原則に則った措置となります。EUでは他に、汚染状況の悪化に応じて、一時的に最大基準値の緩和措置などを検討することもあります。

【FDA】FDAとFTCは、デルタ-8THCを含む模倣食品を違法に販売する企業から消費者を保護する共同の取組みを継続する

 米国食品医薬品局(FDA)と連邦取引委員会(FTC)は、デルタ-8テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8THC)を含む模倣食品を違法に販売し、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)に違反したとして、5社に警告文書を発行した。また、FDAは同様の違反について、独自に1社に警告文書を発行した。

※ポイント:米国では数年前からデルタ-8THCを含む食用製品の販売が問題となり、米国FDAが製品の販売を確認する度に警告を発しています。とくに菓子類に違法成分を添加した製品が多いことから、成人による意図的な摂取だけでなく、子供が誤って手にすることによる有害事象も多数発生しているようです。

【RIVM】ムクナプルリエンスを含むサプリメントを使用する際は注意すること

 オランダではムクナプルリエンス(Mucuna pruriens)の種子(八升豆、ハッショウマメ)を含むハーブ製品がオンラインで販売されている。オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)は、当該製品が健康に有害かどうかを調査した。

※ポイント:M. pruriens種子を含むハーブ製品に関する入手可能な情報は少なく、遺伝毒性や発がん性、慢性毒性といった重要な情報が不足していると指摘しています。さらに、M. pruriens種子抽出物の摂取による肝臓、腎臓、生殖機能、胎児発達への有害影響が示唆されていることから、予防措置として、妊婦・授乳中の方、肝臓・腎臓に問題がある方は、当該製品の摂取をしないよう注意を呼び掛けています。また、M. pruriens種子抽出物には医薬品成分としても使用されている「レボドパ」が含まれており、サプリメント製品が推奨する量を摂取した場合に、レボドパの摂取量が医薬品としての投与量と同等か超える可能性があるとして懸念を示しています。

目次

【WHO】

1. 出版物

2. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】

1. 世界会議は、食料不足、栄養不良、貧困に取り組む漁業及び養殖業の重要な役割に焦点を当てる

2. 概略報告書:農業食品料システムにおける環境阻害抑制剤の食品安全への影響に関するウェビナー

3. 気候リスクは世界の海洋における魚類バイオマスに影響を及ぼすとFAO報告書が予測

4. Codex

【EC】

1. 食品中の麦角菌核および麦角アルカロイドの最大基準値の引き下げの適用日に関する規則(EU)2023/915の改正

2. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)

3. 加盟国が農業食料チェーン上でどのように不正行為と闘っているかご存知ですか? 欧州委員会の新しい報告書がそのヒントを与えてくれる

4. 食品廃棄の削減:科学はどのように役立つか?

5. 査察報告書

6. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】

1. EFSA の科学的評価に使用する疫学研究由来の根拠の評価と統合に関する科学委員会のガイダンス

2. 食品酵素関連

3. 遺伝子組換え関連

4. 農薬関連

5. 食品接触物質関連

【FSA】

1. リスク評価

2. FSA理事会-2024年6月:議題とペーパー

3. FSAの最新の消費者調査によると、食品価格が依然として消費者にとって最大の懸念事項である

4. アシュワガンダ

【DWI】

1. 飲料水2023

【BfR】

1. 動物由来食品に含まれるPFASの最大基準値の遵守は、飼料がカギとなる

2. 消費者健康保護ヒト研究センター

3. PFASとは一体何なのか?

4. より健康的なバーベキュー:食中毒や健康に有害な物質の生成を避ける方法5. 若い世代の詳細調査

【RIVM】

1. フッ素系ガスを含むPFAS排出のリスク-REACH規制案の根拠のまとめ

2. RIVM:ムクナプルリエンスを含むサプリメントを使用する際は注意すること

3.2023年、降雨量により適用除外の農場の地下水の硝酸塩が減少

【CAFIA】

1. CAFIA、農薬が残留した輸入唐辛子1.135トンを押収

【FDA】

1. FDAとFTCは、デルタ-8THC模倣食品を違法に販売する企業から消費者を保護する共同の取組みを継続する

2. シーフード関連天然毒素及びスコンブロイド魚中毒に関する調査疾患及びアウトブレイク表の更新

3. 公示

4. 警告文書

5. リコール情報

【EPA】

1. EPAはいくつかのクロルピリホス製品に対する最終的な中止命令と既存在庫条項の更新を発表

2. EPAはより多くの州、部族及び準州が魚類中のPFASへの暴露を削減できるよう科学的根拠に基づく新たな勧告を発表

3. EPA、水中の農薬濃度を推定するより使いやすい計算ツールを発表

【CDC】

1. Diamond Shruumzブランドのチョコレートバー、コーン、グミの摂取に関連する重篤な疾患の可能性について

【USDA】

1. USDA、栄養ハブネットワーク構築に450万ドルを投資

【NIH】

1. ODS更新情報:最新のダイエタリーサプリメント科学の発展

【CFIA】

1. 外国産の肉、魚介類、砂糖/糖蜜に含まれる有害金属–2021年4月1日〜2022年1月31日

2. 表示されていないアレルゲン及びグルテン–2021年4月1日〜2022年1月31日

【NZMH】

1. ナチュラルヘルス製品規制への国際的アプローチ

【香港政府ニュース】

1. 違反情報

2. リコール情報

【MFDS】

1.日本産輸入食品の放射能検査の結果

2.「オメプラゾール」、国内搬入阻止原料・成分の新規指定

3. チーズの小分け・販売許可など食品衛生法施行規則の改正・公布

4. 輸入パン類に対する検査命令の施行

5. チョコレート、混合飲料など消費期限の参考値を追加提供

6.「韓国-スペイン水産物衛生約定」締結で輸入水産物の安全確保

7. 食薬処、動物用医薬品安全性評価の結果、国際的に認定される

8. 食薬処、現場に基づく食品栄養情報の活用支援に本格的に乗り出す

9. 暑い夏、野生キノコの摂取に注意!

【SFA】

1. 昆虫規制の枠組み

2. プレスリリース

【その他】

・食品安全関係情報(食品安全委員会)から

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.15(2024.07.24)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202415c.pdf