キュウリ関連のサルモネラ感染

No.14(2024.07.10)

きゅうり(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国で複数州にわたって発生しているサルモネラ感染アウトブレイクの調査で、キュウリが関連していることが疑われ、その栽培業者から得た検体のうち用水路の未処理水から本アウトブレイクの原因株と同じサルモネラ株が確認された。一方、他の土壌検体、水検体からは異なるサルモネラ株が検出された。調査は継続中。

注目記事

【米国】キュウリに関連のサルモネラ感染アウトブレイク

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Africana、S. Braenderup)感染アウトブレイクを調査するためさまざまなデータを収集している。疫学・追跡調査および検査機関での検査によるデータは、キュウリがサルモネラに汚染されており、本アウトブレイクの感染源となっていることを示している。

 各州・地域の公衆衛生当局は、患者が発症前1週間に喫食した食品に関する聞き取り調査を行っている。聞き取りが実施された患者188人のうち129人がキュウリの喫食を報告した。FDAの追跡調査から、本アウトブレイクに関連しているキュウリの供給元としてBedner Growers社(フロリダ州の栽培業者)が特定された。ただし、この1社だけでは本アウトブレイクのすべての患者は説明できない。

 FDAは、この栽培業者から複数の検体を採取し、用水路の未処理水からS. Braenderup株を検出した。WGS解析により、当該株が本アウトブレイクの原因株と同じ株であることが確認された。また、同社で採取された土壌検体および別の水検体からは、アウトブレイク株とは異なるサルモネラ株が検出された。CDCおよびFDAは、新たに検出されたこれらのサルモネラ株が本アウトブレイクの原因となっているかどうか確認するため調査している。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】

1. キュウリに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Africana、S.Braenderup)感染アウトブレイク(2024年7月2日付更新情報)

2. 小規模飼育の家禽類との接触に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ( Salmonella Altona、S. Cerro、S. Indiana、S. Infantis、S. Johannesburg、S.Mbandaka、S. Typhimurium)感染アウトブレイク(2024年6月27日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】

1. カンピロバクター症―2022年次疫学報告書

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)/欧州食品安全機関(EFSA)】

1. ECDC-EFSA合同迅速アウトブレイク評価:鶏肉製品の喫食に関連して欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)加盟数カ国および英国で発生しているサルモネラ(Salmonella Mbandakaシークエンスタイプ(ST)413)感染アウトブレイク(第1回目の更新情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】

1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国保健安全保障局(UK HSA)】

1. 英国内で発生している志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O145感染アウトブレイク(2024年6月27日、20日付更新情報、6日付初発情報)

【ProMED-mail】

1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(26)(25)

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.14(2024.07.10)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202414m.pdf