国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国FDAが提案していた食品部門の組織再編が決定した。米国FDA、USDA、EPA、USAIDは、食品ロスと廃棄の削減に向けた協力体制を大幅に拡大した。ドイツBfRは、フタル酸エステル類に関するQ&Aを発表した。
注目記事
【FDA】FDAの統合したヒト用食品プログラム、現場運営の新モデル及びその他の近代化の取組みに向けた再編案が承認された
2024年5月、米国食品医薬品局(FDA)の組織再編案が承認された。食品関連の部門として、以前の食品安全・応用栄養センター(CFSAN)、食品政策対応局(Office of Food Policy and Response)及び規制局(Office of Regulatory Affairs)の主要機能を統合した「ヒト用食品プログラム(Human Foods Program)」、査察、調査、輸入業務を主な任務とする「査察調査局(Office of Inspections and Investigations)」、以前からある「動物用医薬品センター(Center for Veterinary Medicine)」がFDA長官事務局直下の並列組織として配置されている。FDAは、組織再編により食品安全近代化法に示された予防的ビジョンをより効果的に実現し、栄養の重要性を高め、地域・州・国際的なパートナーシップを強化し、革新的な食品及び農産物をより効果的に規制することができるようになるとしている。2024年10月1日の運営開始を目標としている。
※ポイント:FDAが2023年1月に提案した食品部門の組織再編が決定しました。今回の組織構造の見直しは、2022年の乳児用調製粉乳におけるCronobacter汚染と関連製品の大規模リコールによる乳児用調製粉乳の深刻な供給不足に対するFDAの対応が問題になったことが契機となりました。そのためFDAは、組織再編により、より合理化された効率的な意思決定が促進され、食品にかかわる緊急時対応も含めFDA全体の連携が強化されることを強調しています。
【FDA】FDA、USDA、EPAが食品ロスと廃棄の削減に向けた取組みを強化、USAIDを省庁間協力に迎える
FDAは、米国農務省(USDA)及び米国環境保護庁(EPA)との間で、食品ロスと廃棄物を削減するための連邦省庁間連携を更新する正式合意に署名したことを発表した。さらに、米国国際開発局(USAID)が、食品ロスと廃棄物の削減において国際的な広がりを持つ重要な連邦政府パートナーとして協力に加わり、連邦政府の協力体制が大幅に拡大した。米国政府は2030年までに食品ロスと廃棄を50%削減するという目標を掲げている。
【別添 BfR】フタル酸エステル系可塑剤についてのQ&A
フタル酸エステル類は、主にポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチックの可塑剤として使用される化学物質である。フタル酸エステル類は大量に生産、使用されてきたため、環境や食品中に不純物(汚染物質)として検出される可能性がある。ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)が、フタル酸エステル類の規制状況、健康影響とリスク、バイオモニタリング、代替品などの概要を説明するQ&Aを発表した。
※ポイント:フタル酸エステル類は規制が進み、近年は使用の減少とともに暴露量も
低減しました。その現状を反映して、諸外国ではフタル酸エステル類の規制の見直しが行われています。BfRのQ&Aは、欧州におけるフタル酸エステル類の規制の概要を理解できる内容となっています。
【FAO】
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
1. 生物多様性関連プロジェクトが承認され、農業セクターにおける生物多様性の主流化に関する FAO 戦略の実施に向けた新たな行動計画がスタート
2. 食品安全とコントロールに関する国際シンポジウム
3. 新規出版物:限られた食料の中での食品安全
4. 国際ポテトの日:祝賀会で、FAO はポテトの重要性とさらなる可能性を強調する
5. コーデックスのポッドキャスト:食品安全の未来への備えはできているだろうか?
6. 食の安全についての学生との対話7. Codex
【EC】
1. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. 全国食事調査(ポーランド)
2. 食品酵素関連
3. 農薬関連
【FSS】
1. Corporate Plan2024–2026
【BfR】
1. 化粧品:全成分を検査しなければならない
2. ヘンプ種子食用油に含まれる16種類のカンナビノイドの定量及び熱処理がカンナビノイドの含有量とプロファイルに及ぼす影響
3. ホルモン活性化学物質:用量の問題
4. グローバルな商品チェーン:飼料と食品の安全性をより高めるための多数のステーション
5. 事実と数値2023-BfR の概要
6. ドイツとアメリカの科学的協力の中間結果は良好
7. ドイツからフランスを通して韓国へ:サプライチェーンに沿った安全な食品のための知識の交換
【RIVM】
1. 南ホラント州南部地域及びアルテナ市の鶏卵に含まれる PFAS のリスク評価
【ANSES】
1. 薬剤耐性の統合サーベイランスに向けて
2. 朝食から夕食まで:食品摂取量は一日を通してどのように配分されているのか?
【CAFIA】
1.2023年の CAFIA 検査:49,000件の検査、1億2,800万コルナ以上の罰金
【FDA】
1. FDA の統合したヒト用食品プログラム、現場運営の新モデル及びその他の近代化の取組みに向けた再編案が承認された
2. FDA、USDA、EPA が食品ロスと廃棄の削減に向けた取組みを強化、USAID を省庁間協力に迎える
3. FDA はヒト用食品に関する予防的管理に関するガイダンスの序論と附属文書の改訂案を公表する
4. CVM GFI #115(VICH GL22)ヒト用食品中の動物用医薬品残留物の安全性を評価する研究:生殖毒性試験(改訂1)
5. FDA は 麻痺性貝毒に汚染されている可能性のあるオレゴン州及びワシントン州産の特定の貝類をについて、レストランや小売店で提供又は販売しないよう、また消費者は食べないよう助言する
6. FDA はアプリコットの種子に含まれる有毒なアミグダリンについて警告を発する
7. FDA は食品分析のための FSMA 試験所認定プログラムに基づくカビ毒検査の能力が十分であると発表する
8. バイオリサーチ監視査察に適用されるプロセスと実施規範
9. よりスマートな食品安全の新時代におけるデータとテクノロジーに関するバーチャル公開会議
10. リコール情報
【NIH】
1. ODS 更新情報:最新のダイエタリーサプリメント科学の発展
【NYSDAM】
1. 消費者警告:Badia Spices 社ブランドの粉末ジンジャーと粉末シナモンに高濃度鉛が検出された
【CFIA】
1. カナダ保健省からのメッセージ-世界食品安全の日2024
【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. リコール情報
【MPI】
1. 食品のリコール警告により安全に身を守る
2. 世界食品安全の日-予期せぬ事態に備えましょう
3. 最新の消費者調査で Health Star Rating の優れた結果
【NZMH】
1.「Rebalancing our food system」報告書を発表
【香港政府ニュース】
1. プレスリリース
2. 違反情報
【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食薬処、ハイトジンロ社製品の凝固物・異臭原因の調査結果を発表
3. ソウキセイ、イワヒバなど食用不可農・林産物の摂取に注意してください
4. 食薬処、海外オンラインプラットフォームの不法流通、不当広告を点検
5. 自動販売機の調理食品安全基準を新たに設ける
6. 食薬処、超高齢化社会に備え患者用食品開発のために積極的な支援
7. 食品に対する安心が日常になる世の中! 食薬処が開きます
8. APFRAS を成功的に開催し、グローバル食品規制をリード
9. すべての輸入食品の通関申告を5分以内に処理
10. 食薬処、コンビニ内の健康食コーナー運営を支援
【SFA】
1. 食品着色料の安全性
2. 共同の取り組みを通じてシンガポールの食品安全を確保
3. リコール情報
【HSA】
1. 強力な成分を含む海外で発見された製品に関するHSA の更新情報(2024年5月)
【その他】
・ProMED-mail4件
別添
【BfR】フタル酸エステル系可塑剤についての Q&A
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.12(2024.06.12)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202412c.pdf
- 食品安全情報(化学物質)No.12(2024.06.12)別添
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202412ca.pdf