国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国で発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイクで、疫学・追跡調査によるデータは、小売店でバルク容器から販売された有機栽培のクルミが感染源となっている可能性が示唆されている。
注目記事
【米国】有機クルミに関連の大腸菌O157:H7
米国疾病予防管理センター(US CDC:Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、複数州にわたり発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイクを調査するためさまざまなデータを収集している。
疫学・追跡調査によるデータは、Gibson Farms社が供給した有機栽培のクルミに大腸菌汚染の可能性があり、本アウトブレイクの感染源となっている可能性があることを示している。
2024年4月30日時点で、大腸菌O157:H7アウトブレイク株感染患者が2州から計12人報告されている。患者の発症日は2024年2月1日〜4月4日である。情報が得られた患者11人のうち7人が入院した。2人が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した。死亡者は報告されていない。
FDAが収集した追跡調査によるデータから、患者が買い物をした小売店舗でバルク容器から販売された有機栽培のクルミの供給業者としてGibson Farms社が特定された。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 有機栽培のクルミに関連して複数州にわたり発生している大腸菌 O157:H7感染アウトブレイク(2024年4月30日付初発情報)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. リステリア(Listeria monocytogenes)のタイピング技術に関する第9回外部精度評価
の報告書
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)/欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症に関する One Health の観点からの報告書(2022
年)
【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 牛海綿状脳症(BSE)および伝達性海綿状脳症(TSE)に関する科学ネットワークの2023
年次報告書
【英国保健安全保障局(UK HSA)】
1. 超多剤耐性を示す赤痢菌の感染者増加に対する注意喚起
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 人獣共通感染症および食品安全に関するシンポジウムを開催:食品の微生物汚染、食
品由来感染および防止対策
2. 英国食品基準庁(UK FSA)とドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)がリスク
評価およびリスクコミュニケーションに焦点を当て食品安全に関する科学交流を実施
【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(15)
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.10(2024.05.15)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202410m.pdf