国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。世界保健機関(WHO)の国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)事務局は、2023年の第1四半期に対応した事例の件数と内訳を発表した。
注目記事
【WHO】国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)2023年第1四半期報告
世界保健機関(WHO: World Health Organization)発。2023年の第1四半期に国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)事務局は、世界保健機関(WHO)加盟のすべての地域の計53の国・領土が関連した計47件の食品安全事例に対応した。
このうち生物的ハザード関連の事例は28件で、その内訳は以下のとおりであった。
- サルモネラ属菌(9件)
- リステリア(Listeria monocytogenes)(6件)
- 大腸菌(3件)
- ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)(2件)
- A型肝炎ウイルス(2件)
- アニサキス(1件)
- クロノバクター(1件)
- 赤痢アメーバ原虫(Entamoeba histolytica)(1件)
- レプトスピラ(1件)
- ノロウイルス(1件)
- 赤痢菌(Shigella)(1件)
化学的ハザード関連の事例は9件で、その内訳は以下のとおりであった。
- メタノール(2件)
- アフラトキシン(1件)
- クロロタロニル(1件)
- 麦角アルカロイド(1件)
- ヒスタミン(1件)
- 鉛(1件)
- 窒素(1件)
- パツリン(1件)
非表示のアレルゲン/成分に関連した事例は6件で、その内訳は以下のとおりであった。
- ピーナッツ(2件)
- 卵(1件)
- グルテン(1件)
- 乳(1件)
- 大豆(1件)
物理的ハザード関連の事例は3件で、その内訳は以下のとおりであった。
- ガラス(1件)
- 金属(1件)
- 石(1件)
上記以外の残り1件については関連したハザードが不明であった。
本四半期にINFOSAN事務局が対応した上記47件の事例に関連した食品カテゴリーは以下のとおりであった。
- 魚・水産食品(6件)
- 食肉・食肉製品(6件)
- 複合食品(5件)
- ナッツ・油糧種子(5件)
- シリアル・シリアルベース製品(3件)
- 果物・果物製品(3件)
- 乳・乳製品(3件)
- スナック・デザート・その他の食品(3件)
- 野菜・野菜加工品(3件)
- アルコール飲料(2件)
- 乳幼児用食品(2件)
- ハーブ・香辛料・調味料(2件)
- 豆類(1件)
- ノンアルコール飲料(1件)
上記以外の残り2件については原因食品が不明であった。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.13(2023.06.21)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202313m.pdf
今号の目次
【世界保健機関(WHO)】
1. 国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)2023年第1四半期報告(2023年1〜3月)
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 冷凍の有機栽培イチゴに関連して複数州にわたり発生している A型肝炎アウトブレイク(2023年6月12日付情報)
2. 小規模飼育の家禽類との接触に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ
(Salmonella Braenderup、S. Enteritidis、S. Indiana、S. Infantis、S. Mbandaka、
S. Typhimurium)感染アウトブレイク(2023年6月15日付更新情報)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州疾病予防管理センター(ECDC)の迅速なリスク評価法およびリスクコミュニケーションに関する研修をチュニジアで実施
2. トリヒナ症 -2020年次疫学報告書
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 食品安全強化のためドイツとチュニジアが協力
【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(12)