違法ホメオパシー製品に対処

No.01(2023.01.06)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国FDAは、リスクの高いホメオパシー製品についてFDAが執行及び規制措置を優先するためのアプローチを記した最終ガイダンスを発表した。欧州食品安全機関は、食品に使用される香料の認可申請書作成において申請者を支援するための新しい科学的ガイダンスを策定した。

注目記事

【米国】違法に販売されているホメオパシー製品について

 米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)は2022年12月6日、認可されていない、最もリスクの高いホメオパシー製品についてFDAが執行及び規制措置を優先するためのアプローチを記した最終ガイダンスを発表した。本ガイダンスは、違法に販売されているホメオパシー製品はいつでもFDAの執行措置の対象となると通知することが目的である。

 ホメオパシーは1700年代に開発された代替医療であり、ある物質が特定の症状を引き起こすのであれば、その症状を経験した人はその物質を用いた希釈溶液で治療することができるとしている。

 ホメオパシーと表示された製品について、これまでFDAが認可したものはない。高度希釈したと表示されているが、一部の製品には測定可能な量の活性成分が含まれており、そのため重大な障害をもたらす可能性があるとFDAは懸念している。FDAはこれまで、不適切に製造された製品の検査を行っており、それらの製品は、希釈を誤り、汚染の可能性が高まるようなものだった。さらに、深刻な疾病や病状の治療用として販売された製品もあるため、FDAは懸念を示し消費者向けに複数の警告やリコールも発している。

 連邦食品医薬品化粧品法のもとでは、ホメオパシー製品には他の医薬品の認可、異物混入、不正表示と同じ要件が求められている。

【欧州】香料のリスク評価に必要なデータに関する科学的ガイダンス

 欧州委員会からの要請を受けて、欧州食品安全機関(EFSA:European Food Safety Authority)は食品中及び食品上に使用される香料の認可申請書作成において申請者を支援するための新しい科学的ガイダンスを策定した。このガイダンスは、規則(EC)No1331/2008に従って提出される食品香料の新規認可や既存の認可改訂の申請書に適用される。

 すべての申請で提出すべき情報は、(a)食品香料のキャラクタリゼーション:同定、製造工程、化学組成、規格、安定性、食品での反応性と結果についての記述など、(b)用途と使用量及び食事暴露評価、(c)安全性データ:食品香料の遺伝毒性の可能性に関する情報、遺伝毒性以外の毒性学的データ、環境の安全性に関する情報など、である。

【WHO】「すべての人に安全な飲料水と衛生」には行動加速が必要

 世界保健機関(WHO)とUN-Waterの衛生と飲料水の世界解析と評価Global Analysis and Assessment of Sanitation and Drinking-Water(GLAAS)報告書の知見は、2030年までに全ての人に水と衛生を、のSDGs達成には加速が必要であることを示した。

GLAAS2022の報告書は、120か国以上における飲用水、公衆衛生及び衛生(WASH: drinking-water, sanitation and hygiene)システムの最新の状況を詳しく説明しており、これまでで最も多くの国々からの最大のデータ収集である。一部の国ではWASH予算は増加しているが、75%以上の国々ではWASH計画及び実施するための資金が不足していると報告された。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.01(2023.01.06)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202301c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.01(2023.01.06)別添
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202301ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 全ての人に安全な飲料水と衛生を確保するには行動加速が必要

【FAO】
1. Codex

【EC】
1. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)
2. SCHEER(環境及び新興リスクに関する科学委員会)
3. 健康・食品査察・解析-2023計画発表
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. ベイジアンベンチマーク用量解析のための EFSA のプラットフォーム
2. 全国食事調査の方法論とツールに関する文献レビュー;ERA EU-Menu プロジェクトの結果
3. EFSA 第26回科学討論会:食品由来の栄養素と汚染物質への複合暴露のリスク-ベネフィット評価
4. 食品中及び食品上に使用される香料のリスク評価に必要なデータに関する科学的ガイダンス
5. 食品酵素関連
6. 新規食品関連
7. 遺伝子組換え関連
8. 食品接触物質関連
9. 農薬関連
10. 飼料添加物関連
11. YouTube 動画

【FSA】
1. FY2Wave3-4NI(Food You2北アイルランド第3-4回): 要約
2. 食品衛生格付け方式、表示の監査及び事業調査2021:テクニカルレポート

【FSAI】
1. リコール情報

【BfR】
1. プレゼントや豆電球:ボタン電池は小さな子供が飲み込むと深刻な健康被害をもたらす可能性がある
2. 欧州における食品安全:リスク評価における協力と若い才能の支援
3.「Bovine Meat and Milk Factors: BMMF」に関する新たな知見

【RIVM】
1. 薬物廃棄物の飲料水質に与える影響にもっと注目が必要
2. 建材の再利用の土壌の質への影響
3. ZZS を含む農薬の研究

【ANSES】
1. フランス領カリブ海のクロルデコン:食事暴露を低減する効果的な対策がある
2. ANSES の食品中のナノマテリアルのリスク評価手法を初めて適用

【FDA】
1. ホメオパシー製品
2. FDA はヨーグルトの同定基準を改定
3. FDA は蜂蜜の経済的な動機による異物混入に関するデータを発表
4. 第8回全国消費者食品安全教育会議の登録が開始された
5.2023年1月1日に VQIP 申請を開始する
6. FDA が GRAS パネル招集のためのベストプラクティスに関する最終ガイダンスを発行
7. 警告文書
8. リコール情報

【NTP】
1. ニュースレター

【EPA】
1. EPA は新規化学物質審査プログラムのウェブページ、指標を更新、透明性向上に努める
2. EPA は IRIS ハンドブックとパーフルオロブタン酸とその関連塩の最終 IRIS 評価を発表

【USDA】
1. APHIS は規制状況レビュー回答を発表:ZeaKal, Inc.,の大豆とサントリーの菊
2. 食品表示規則の統一遵守日(2022)
3. 情報提供のお願い:バイオテクノロジー規制のための調整された枠組みにおける曖昧さ、ギャップ、不確実性の特定
4. APHIS は最終規則状況レビューガイドを公表する
5. Pesticide Data Program(PDP)2021年次サマリー
6. USDA は遺伝子組換えを用いて開発したアメリカグリの規制解除のための環境文書へのパブリックコメント期間を延長する

【NIH】
1. ニュースレター2022年冬号

【Health Canada】
1. ヘルスカナダはカナダの大麻使用に関する新しいデータを公表
2. 未承認の製品は深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある
3. 非処方医薬品行動計画
4. リコール情報

【CFIA】
1. 選択した缶入り食品中のビスフェノール A と BPA 代替品―2020年4月1日〜2021年
3月21日
2. リコール情報

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. 食品基準ニュース

【MPI】
1. 小さな捕食寄生性狩り蜂がヤナギコブオオアブラムシとの戦いに強烈なパンチ
2. リコール情報

【香港政府ニュース】
1. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. ワインのカロリーとチーズの無加塩表示、購入時に確認してください
3.2023年に変わる法令・制度など輸入食品安全管理政策を案内
4. 食品に使用できない原料で液状茶などの食品を製造して高額で販売した業者を摘発・措置
5. EU、韓国産フードサプリメントに対する輸入強化措置を撤回
6. 回収措置

【SFA】
1. ゾウムシは米と一緒に食べて安全か?
2. 移動する食品安全
3. マレーシア産小白菜の輸入制限について
4. リコール情報

【HSA】
1. HSA 警告:屋台で販売された発疹用クリームを使用した子供が重篤な有害影響を経験した

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・ProMED-mail5件

別添
【EFSA】欧州食品リスク評価フェローシッププログラム(EU-FORA2.0)シリーズ5
【BfR】ヘンプを含む食品の健康リスクに関するよくある質問