グリホサート発がんと分類せず

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州化学品庁のリスク評価委員会はグリホサートの現行分類を維持することに合意した。科学的で広範なレビューに基づきグリホサートを発がん物質と分類することは正当化されないと結論した。

注目記事

【ANSES】PFASs:注目される化学物質

 パーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)には4,000以上の化合物が含まれる。付着防止性、防水性および耐熱性といった化学的特性をもつことから、1950年以降、繊維、食品包装、泡消火剤、付着防止コーティング、化粧品、植物保護製品など、さまざまな製品に広く使用されてきた。しかし、環境での残留性が高く、食品や水が汚染される可能性がある。フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)がQ&A形式でPFASの概要とEUの規制状況を簡潔に紹介。

【ECHA】グリホサート:ハザード分類に変更なしを提案

 欧州化学品庁(ECHA)のリスク評価委員会(RAC)はグリホサートの現行分類である、眼に対する重篤な損傷性と水生生物への有害性、を維持することに合意した。科学的根拠の広範なレビューに基づき、RACは再びグリホサートを発がん物質と分類することは正当化されないと結論した。新しいRACの意見は、現在グリホサートを評価している4つの加盟国(スウェーデン、フランス、ハンガリー、オランダ)およびRACの2017年の意見と一致している。2023年7月に予定している欧州食品安全機関(EFSA)の評価結果が出された後に、欧州委員会がグリホサートの再認可の可否を検討し、規則案を提示する。

【EC】おもちゃの二酸化チタンの安全性についての予備的意見にパブリックコメント募集

 欧州委員会の要請を受け、健康・環境・新興リスクに関する科学委員会(SCHEER)は、おもちゃに含まれる二酸化チタン(TiO2)について、吸入暴露と経口暴露による安全性について予備的意見を公表し、パブリックコメントを募集する。

【FDA】表示されない成分が含まれる可能性があるとして、FDAはArtriおよびOrtiga製品を購入しないよう消費者に注意喚起する

 米国食品安全局(FDA)は、関節炎、筋肉痛、骨粗鬆症、骨癌などの治療効果を謳っている「Artri」または「Ortiga」製品について、製品ラベルに記載されていない医薬品成分のデキサメタゾン、ジクロフェナクナトリウム、メトカルバモールが含まれているとして、購入または使用しないよう消費者に警告する。FDAに肝毒性や死亡などの有害事象報告が届いている。

【WHO】世界食品安全デー2022

 2022年6月7日の「世界食品安全デー」は、「より安全な食品で、より健康に(safer food better health)」をテーマに、食品由来のリスクを予防、検出、管理し、人々の健康を向上させるために活動する。キャンペーンやガイドライン、ウェビナー開催の情報などを掲載。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.12(2022.06.08)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2022/foodinfo202212c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. イベント情報
2. 世界食品安全デー2022

【FAO】
1. FAO は農業センサス調査データに基づく新しい公共ツールを公表
2. Codex

【EC】
1. おもちゃの二酸化チタンの安全性についての予備的意見にパブリックコメント募集
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【ECHA】
1. グリホサート:ハザード分類に変更なしを提案

【EFSA】
1. EU-FORA-欧州食品リスク評価フェローシッププログラム
2. 化学的及び生物的リスク評価の原則に関する EFSA の研修コースの評価
3. テーマ(概念)論文
4. 銅の許容摂取量に関する助言更新―パブリックコメント募集開始
5. 化学物質の規制リスク評価における発達神経毒性(DNT)の新しいアプローチ方法論
(NAMs)とその使用に関する欧州関係者のワークショップ
6. 新規食品関連
7. 食品添加物関連

【FSA】
1. FSA が追加の NFCU の調査権限に関する意見募集を開始する

【FSS】
1. 更新情報:FSS 及び FSA が原料代替としての油の使用に関する追加のガイダンスを発表する

【DEFRA】
1. 遺伝子工学法案:食料安全保障強化のための革新を可能にする

【COC】
1. ポジションペーパー2022

【DWI】
1. Southern Water が飲料水違反で罰金

【ASA】
1. 物を減らす-ダイエットと広告規則

【RIVM】
1. Western Scheldt 産の PFAS 汚染製品摂取

【ANSES】
1. PFASs:注目される化学物質

【FSAI】
1. セカンドエキスパートオピニオンを受ける権利に関するガイダンス
2. Castlemaine Production Area の貝への最新警告
3. リコール情報

【Ruokavirasto】
1. 食品に含まれる塩の量をさらに減らす必要がある

【FDA】
1. FDA は食料生産動物からの抗菌剤使用データの収集と分析のための官民パートナーシップの確立に関する Reagan-Udall 財団の新しい報告書を公表
2. 乳児用調製乳不足に関する記事
3. 乳児用調製乳:安全上の注意点
4. FSMA に関するよくある質問
5. 表示されない成分が含まれる可能性があるとして、FDA は Artri 及び Ortiga 製品を購入しないよう消費者に注意喚起する
6. FDA は食料生産動物への使用を意図した CBD 製品を違法に販売したとして4社に警告する
7. 警告文書

【CDC】
1. フィールドからの報告:飲料水の石油汚染後の自己申告による健康症状-オアフ、ハワイ、2021年11月から2022年2月

【USDA】
1. USDA は8月30日に抗菌剤耐性ワークショップを開催する

【FTC】
1. FTC は乳児用調製乳危機の調査を始める

【CFIA】
1. ホットドリンクとインスタントコーヒーミックス中の非表示のアレルゲンとグルテン
―2020年4月1日〜2021年3月31日

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【香港政府ニュース】
1. ニュースレター
2. メディアは、グアテマラで貝類を食べて30人以上が体調を崩し、4人が死亡したと報じた
3. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 消費者関心製品に対するオンライン不当広告の合同点検結果
3. 食薬処、消費者団体とともにオンライン流通監視強化
4. 消費量が増加する即席摂取畜産物の収去検査の結果発表
5. 食薬処、若菜(春期多消費農産物)の収去検査の結果発表
6.「共にする食品安全、健康的な大韓民国」のための跳躍 食品安全テクニカルサポートチーム
7. 子供の食品添加物の摂取量は安全!
8. メタバース空間の「食品安全国」に遊びに来てください!

【SFA】
1. 肉のラクトパミン
2. 何かが燃えている-加熱処理食品中のアクリルアミド
3. 肉を加熱調理するときに生成する化学物質
4. フグ101
5. 鶏組織中のナイカルバジンの最大残留基準値の設定について

【HSA】
1. HSA の警告:‘Prime Kopi Pejuang3In1’は消費者への有害影響につながる強力な医薬品成分を含むことがわかった

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から