米国が家禽施設向け指針を更新

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.20(2021.09.29)を発表した。

注目記事

【米国】USDA FSISが家禽関連施設向けガイドラインを更新

 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS: Department of Agriculture, Food Safety and Inspection Service)は、家禽関連施設における生の家禽肉のサルモネラ汚染およびカンピロバクター汚染対策に役立つガイドラインを更新し、改訂版が利用可能になったことを発表した。

 FSISは、新たな科学的・技術的データや、2015年版のガイドラインに対して寄せられたパブリックコメントにもとづき、サルモネラ対策とカンピロバクター対策のガイドラインを分離して別個に発行するとしたFSISの決定を踏まえ、従来のガイドラインの内容を見直した。

 今回の更新内容には、サンプリング時に抗微生物物質の混入を防止するため使用される中和剤に関する情報、および施設用抗微生物剤の最新リストが含まれている。また、食鳥処理前の規範に関する情報の改訂も含まれており、敷き藁区域について包括的な見直しが行われている。

【米国】カンピロバクター汚染の可能性で貝類採捕場を閉鎖

 米国ロードアイランド州保健局(RIDOH: Rhode Island Department of Health, US)および同州環境管理局(RIDEM)は、サウスキングスタウンにある Potters Pond のすべての貝類の採捕場を緊急閉鎖すると発表した。

 調査の結果、当該地域で採捕された貝類がカンピロバクター症患者と関連していることが示され、これを受けて今回の閉鎖が実施された。RIDOHは、さらなる検査のため貝類の追加検体の採取を進めている。

 貝類による感染症のリスクは、内部温度が華氏145度(63℃)以上に達するまで加熱することで低減できる。これらの病原体による胃腸感染症を防ぐためには簡単なスチーム調理だけでは不十分である。生のカキやその他の貝類は、有害な細菌やウイルスに汚染されている場合でも、外見・匂い・味が通常と変わらない可能性がある。

【スコットランド】豚皮スナック関連のサルモネラ食中毒で注意喚起

 スコットランド食品基準庁(FSS: Food Standards Scotland)および英国食品基準庁(UK FSA)は、2月以降に販売された一部のポークスクラッチング(豚皮のスナック食品)がサルモネラ食中毒に関連しているとして、当該製品を喫食しないよう消費者に注意喚起している。

 検査の結果、2020年9月〜2021年8月21日に英国全域から報告されたサルモネラ症患者計176人と当該製品が関連していることが明らかになった。本アウトブレイクと関連している製品の製造施設1カ所で2月以降に製造されたすべての製品が市場から回収・撤去されている。

 製造業者であるTayto Group社は予防措置として回収を行っており、当該製造施設は、アウトブレイクと関連している可能性が2021年8月初めに特定され、その時点で当該製品の製造を自主的に停止した。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.20(2021.09.29)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202120m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. 国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)2021年第2四半期報告(2021年4〜6月)

【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)が生の家禽肉のサルモネラ汚染およびカンピロバクター汚染対策のための家禽関連施設向けガイドラインを更新

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 米国の複数州にわたり発生している原因食品不明のサルモネラ(Salmonella
Oranienburg)感染アウトブレイク(2021年9月23日付更新情報、17日付初発情報)

【米国ロードアイランド州保健局(RIDOH, US)】
1. カンピロバクター汚染の可能性により Potters Pond の貝類採捕場を閉鎖

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. フードチェーンにおいて計画的に使用される微生物の全ゲノムシークエンシング
(WGS)解析の要件に関する意見書

【スコットランド食品基準庁(FSS)】
1. サルモネラ食中毒に関連しているポークスクラッチング(豚皮のスナック食品)を喫食しないようスコットランド食品基準庁(FSS)が消費者に注意喚起

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 欧州連合食品安全年鑑第5版を発行 - 欧州の食品安全関連機関の概略

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(35)(34)(33)