国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.19(2021.09.15)を発表した。また、EUへ輸出したラーメンにおける2-クロロエタノール検出についてを食品安全情報(化学物質)No.19(2021.09.15)別添として発表した。
注目記事
【USDA】USDAは動物細胞由来の肉や家禽製品の表示について意見募集
2021年9月2日、米国農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS)は、動物由来培養細胞を使用して作られた肉や家禽製品の表示に関する意見や情報を募集するための規則制定案公示(ANPR: advance notice of proposed rulemaking)を発表した。ANPRは、それらの肉や家禽製品の表示に係わる法令および規則要件の策定において考慮すべき課題についての意見を求めている。たとえば、栄養組成や官能特性(味、色、香り、テクスチャー)などに関する製品表示への消費者の期待、間違えたり誤解を招いたりしないような製品名、経済データ、動物の細胞培養技術を用いて作成した製品についての表示用語に関するあらゆる消費者研究の情報などである。
※ポイント:家畜や家禽類の培養細胞を使用して作られた製品(通称:培養肉)に関する制度作りが着々と進められています。細胞バンクや細胞の培養、分化させる段階までの監視は米国食品医薬品局(FDA)の管轄、その後の培養細胞を収穫(ハーベスト)してから加工、包装といった販売製品にするまでの段階の監視をFSISが管轄しています。
FSISの管轄対象については、安全性は既存の衛生管理とHACCPの適用で十分に確保されると考えており、培養肉に関する新たな規制策定は表示規則のみだとしています。
【WHO】WHOと国連協力機関の、環境要因による病気を減らし、命を救うための500の対応の一覧
世界保健機関(WHO)、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)、国連児童基金(UNICEF)は、環境リスク要因による死亡や疾病を減らすための500の実践的な行動をまとめた「健康と環境に関する世界保健機関とその他の国連のガイダンスの概要」を作成した。この一覧の行動が実施されれば、世界の死亡数の約25%を防ぐことができる。これは、政府省庁の職員、地方政府の政策立案者、国内の国連職員およびその他の意思決定者向けである。大気汚染、放射線、気候変動、自然と健康、安全で健康的な食品などを含む12のテーマで構成されている。
【別添:MFDS】EUへ輸出したラーメンにおける2-クロロエタノール検出について
韓国の食品医薬品安全処(MFDS)は、欧州に輸出したラーメンで2-クロロエタノールが検出されたとEU食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)に通知されたことを受けて、関連製品の検査と製造業者2社に対する現場調査を実施した。本件に関するQ&Aも公表している。
※ポイント:昨年からEUで問題になっているエチレンオキシド(EO)の関連記事です。EOは北米では農産物の燻蒸剤として使用されていますが、EUでは認可されていません。2-クロロエタノール(2-CE)はEOの変換物質であり、EUはEOと2-CEを合わせて規制しています。MFDSは、関連製品からEOは検出されず、製造工程においてもEOを使用していないことを確認したと報告しています。そのため、EO以外の汚染源の可能性も考慮した上で、2-CEに関する暫定基準を設定しました。現時点で汚染の原因は不明なので調査を続けるとしています。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.19(2021.09.15)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202119c.pdf
- 食品安全情報(化学物質)No.19(2021.09.15)別添
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202119ca.pdf
今号の目次
【WHO】
1. WHO と国連協力機関の、環境要因による病気を減らし、命を救うための500の対応の一覧
2. よりクリーンな調理への移行
3. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. FAO は食料危機が起こる前に阻止することに、より集中することを呼びかける
2. 現実に変えよう:食品ロス・廃棄を減らす
3. Codex
【EC】
1. 欧州委員会規則(EC)改定:麦角菌核・麦角アルカロイド、トロパンアルカロイド
2. Bamboo-zling:竹の「粉末」を含むプラスチック製の食品接触物質(FCM)に関する
EU の執行行動について
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. EFSA 第25回科学会議-食品中マイクロ及びナノプラスチックのヒト健康リスクを評価するために調整されたアプローチ
2. ONE 会議2022年-要旨募集
3. 新規食品関連
4. 農薬関連
【FSA】
1. FSA リスクコミュニケーションツールキット
2. FSA ブログ
3.2021年9月の FSA 理事会ペーパーが発表される
【DEFRA】
1. 食品中残留農薬:2021年四半期報告
【BfR】
1. カラフル、長持ち、風味が良い-人々が食品添加物について思うのはどんなこと?
【RIVM】
1. 食品安全早期警告ユニット:2020年次報告書
【ANSES】
1. 恐ろしい蜜蜂の病気の拡散を監視する新しい方法
【FSAI】
1. リコール情報
【FDA】
1. ハリケーン Ida による洪水地域の食料生産者向けリソース
2. FDA は電子商取引に関するよりスマートな食品安全の新時代サミットを主催する
3. 食品安全教育月間
4. FDA の教育関連資料ライブラリ更新
5. 警告文書
【USDA】
1. USDA は動物細胞由来の肉や家禽製品の表示について意見募集
【CFIA】
1. 子供の食品プロジェクト年次報告2019年
【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. 食品基準ニュース
【TGA】
1. 安全性警告
【香港政府ニュース】
1. 食品安全に関する2021/2022年学校ウェビナー
2. 食品安全センターは無許可で輸入された1種のミルクを消費しないよう呼びかける
3. 食事からのナトリウム及び糖分の削減
4. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 体脂肪を減らす正しい方法!
3. プロバイオティクス製品など不当広告行為の集中点検の結果
4. ニベを購入するとき、ロングネックニベなどに騙されないでください
5. 食薬処-関税庁、海外直輸入食品安全管理のための協力強化
6. 政府、2022年2月までに食品栄養情報を標準化して公表
7. 福島原子力発電所の汚染水放出実施計画案発表に伴う緊急の関係次官会議を開催
8. 回収措置
【SFA】
1. Woodlands の無許可のザルガイ加工施設について
【FSSAI】
1. 州の食品安全部署は植物由来の飲料や食品の製品ラベルへの乳製品用語の使用を調査するよう指示される
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・ProMED-mail2件
・Eurekalert4件
別 添
【MFDS】EU へ輸出したラーメンにおける2-クロロエタノール検出について