ポンプ式消毒液利用の注意点

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.16(2021.08.04)を発表した。

注目記事

【FSA】ゲノム編集食品の消費者の認識

 英国食品基準庁(FSA)は、ゲノム編集(GE)食品と将来の表示の可能性について消費者の認識を理解するための調査結果を発表した。消費者はGE食品の認知度が低く、知識が非常に少ないという傾向が見られた。さらに、より多くの情報を得た消費者は、GE食品をより受け入れていた、またはより受け入れるようになった。

※ポイント:ヒトは自分がよく知らないものに不安を感じるものです。ですから、この調査結果にもあるように、正しい情報をより多く得ることが不安の解消や新しい食品の許容につながります。GE食品や培養細胞食品など新規技術を利用した食品が徐々に認可されている中で、科学に基づいた丁寧な説明をしていくことがますます重要になっています。

【EC】食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF):エチレンオキシド

 食品添加物(ローカストビーンガム:E410)においてエチレンオキシドの残留が確認されたことを受けて、2021年6月29、30日、7月13日、EU加盟国の食品および飼料危機調整官会議が開催された。

※ポイント:昨年9月にEUに輸入されたインド産ゴマ種子において燻蒸剤の成分であるエチレンオキシドの残留が確認されたことがきっかけとなり、その後、さまざまな食品についてもエチレンオキシドの検査が実施されていました。今回、増粘剤や安定剤として使用される食品添加物から検出されたことから、その使用により影響を受ける加工食品の範囲が広く、EU全域で対応に追われています。

 この会議の議事録よると、エチレンオキシドの濃度が定量限界0.1mg/kgを超えるE410が使用された製品は撤収/リコール対象にするとの結論が出されていますが、一方、すでに撤収/リコールを実施している国からは、条件に該当するすべての製品を対象にするのは食品廃棄および食品ロスを減らすという持続可能性へのEUの取組に反するとの懸念も示されています。

【ANSES】ハンドサニタイザーがコロナウイルスに有効であることを確認する

 フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)が、COVID-19パンデミック対策のために製造・販売されているハンドサニタイザーについて、容器の種類(個人用100mLボトル、ポンプ式500mLボトル、1Lボトル、詰め替え用5Lボトル)や使用頻度・時間と有効性に係わるアルコール濃度との関連性を調べ、その結果をもとにハンドサニタイザーの保管方法についての推奨事項をまとめた。

※ポイント:食品安全に直接関係するものではないですが、興味深い実験報告だったので時事問題として紹介しました。ANSESは、ポンプ式500mLボトルに入れたハンドサニタイザーを2時間おきに1日8〜10時間、3週間使用した場合にはアルコール濃度が5〜10%減少したという実験結果を受けて、ポンプ式ボトルの製品はキャップ式の製品よりも気密性が低くアルコールが蒸発しやすいため、使用頻度が高い場合に用いることを勧めています。細かい点として、アルコールの蒸発防止のために詰め替えは20℃以下の場所で行うことなどを推奨しています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.16(2021.08.04)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202116c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. UNICEF 事務局長と WHO 事務局長の国連フードシステムプレサミットへの共同声明
2. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. FAO 戦略枠組み
2. FAO 事務局長:世界は飢餓、貧困を終わらせ SDGs を達成する形勢に変える歴史的課題に直面している
3. Codex

【EC】
1. 行動規範:より持続可能な食品に向けて、農場から食卓までの最初の一歩
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. ミツバチの健康:新しいデータハブが稼働
2. 食用糖類の安全性:意見案パブリックコメント募集
3. 農薬関連
4. 新規食品関連
5. 飼料添加物関連

【FSA】
1. 国家食品戦略パート2
2. 国家食品犯罪ユニット
3. ゲノム編集食品の消費者の認識
4. FSA はウェールズの食品法実施規範、食品法実施ガイダンスの改訂を公表し、実施体系を導入する
5. 公衆衛生を保護するための政府横断的なサーベイランスプロジェクトに1,920万ポンド
6. リコール情報

【FSS】
1. FSS は国家食品戦略の発表への対応を発表する

【DHSC】
1. 不健康な食品の宣伝が2022年10月から制限される

【ASA】
1. 思考の糧:あなたの食品に関する主張が広告基準に従うことを確実にするための三つの重要なコツ
2. カンナビジオール(CBD)を含む製品

【BfR】
1. BfR は消費者の健康保護においてよく知られた機関である
2. 加熱調理したマメのみを楽しむように

【ANSES】
1. ハンドサニタイザーがコロナウイルスに有効であることを確認する
2. ウォータービーズは子どもの手のとどかないところに保管

【FSAI】
1. FSAI はエチレンオキシド汚染のためローカストビーンガム(E410)を含む一部の食品の撤収を助言する
2. リコール情報

【FDA】
1. 国際食品保全学会の規制関連情報更新での Frank Yiannas の発言
2. FDA の第2回目となるテックトークポッドキャストは全ゲノムシークエンスについて3. 電子商取引に関するよりスマートな食品安全の新時代サミット
4. 警告文書
5. リコール情報

【EPA】
1. EPA は PFAS についての初めての報告を含む2020TRI の予備的データを発表

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. 食品基準ニュース

【TGA】
1. キャンベラの個人が COVID-19に関連してホメオパシー医薬品を違法に宣伝したことで$2,664の罰金
2. 安全性警告

【MPI】
1. 食品添加物と保存料
2. Hawke Bay の貝のバイオトキシン警告解除

【香港政府ニュース】
1. 食品の有害物質(改正)規則2021が2023年に段階的に開始予定
2. 食品安全センターはエチレンオキシドの可能性のためフランス産の安定剤を摂取しないよう市民に呼びかける
3. 食品安全センターは夏場の食品安全リスクへの注意を喚起する
4. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食薬処-カカオ、正しい食品安全情報提供のために手を取り合う!
3. [報道参考] 輸入食品制度改善、産業界・学界と共にする4. 畜産物製造・販売業者計4,816ヶ所点検……73ヶ所摘発
5.「リアルタイム商取引放送」、食品などの不当広告の管理を強化
6. 食薬処は国連食糧農業機関<FAO>と抗菌剤耐性解決のため先頭に立つ
7. 食品安全国公共データを活用した優秀なアイデアを探します!
8. 食薬処-関税庁、通関検査で協力し、海外個人直輸入食品のハザードを事前に遮断
9. クユンチョル国務調整室長、福島原子力発電所汚染水への対応を点検
10. SNS 体験記を利用した不当広告の集中点検
11. ハンバーガーなど調理・販売業者、栄養成分表示義務の対象店を拡大
12. 食薬処、夏休暇シーズン多消費輸入食品など検査強化
13. [報道参考] 食品添加物と容器・包装を正しく知るコンテンツ公募展を開催

【SFA】
1. リコール情報

【FSSAI】
1. メディアコーナー

【PNA】
1. フィリピンが Bt ナスを食品と飼料に使うことを認可
2. 農業省がゴールデンライスの商業繁殖を認めた

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から8件
・ProMED-mail1件
・Eurekalert5件