国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.11(2021.05.26)を発表した。
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【米国】サリナス産レタスのサンプリング検査を計画
米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)は、2021年5〜11月に、地域の商業用冷蔵施設からカリフォルニア州Salinas Valley産レタスの検体を採取し検査を行う予定である。当該地域に関連したアウトブレイクが、直近の2020年秋を含め繰り返し発生していることを受け、大腸菌O157:H7などの志賀毒素産生性大腸菌(STEC)およびサルモネラ属菌の検査を行うこととした。
FDAは、収穫されたレタスの圃場熱の除去および加工される前の冷蔵保存を行う商業用冷却・冷蔵保管施設で実施される予定のサンプリング検査の指導業務を行う。冷却前の製品が優先的にサンプリングされ、冷却後の製品もサンプリング対象に含まれる可能性がある。商業用冷却施設でのサンプリングにより、製品が集約された場所で複数の農場由来の検体をFDAが効率的に採取できるようになり、汚染が検出された場合には迅速に追跡調査が推進される。
FDAは、収穫されたアイスバーグレタス、リーフレタスおよびロメインレタスを合計で約500検体採取および検査する計画である。各検体には10のサブ検体が含まれ、各サブ検体はレタス1玉(トリミングし芯を抜いた製品、場合により包装済み)、もしくはロメインレタスの場合、外葉のみの製品または中心部(ハート)の包装製品で構成される。FDAの検査機関が全ての検査を行う。
今回の取り組みとは別に、カリフォルニア州のCentral Coast栽培地域において、同じ病原性大腸菌株が繰り返し発生している場所、および葉物野菜のSTEC汚染が起こる可能性が高い経路を特定するため、利害関係者との共同の取組みも実施されている。この取り組みには、最近改訂された「葉物野菜のSTEC汚染に関する行動計画(LGAP:Leafy Greens STEC Action Plan)」で定められた取り組みの継続的な実施が含まれ、これには当該地域における食品由来病原体の存在に影響を与えている環境要因を評価するための複数年にわたる縦断的研究などがある。
行動計画に従い、FDAは、大腸菌O157:H7などの病原体を検出した場合、可能性のある汚染源および汚染経路を特定するための追跡調査を実施する。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.11(2021.05.26)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202111m.pdf
今号の目次
【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)がカリフォルニア州Salinas Valley産レタスのサンプリング検査の実施を計画
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Jule’sブランドのチーズ代替品cashew brieに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Duisburg、S. Urbana)感染アウトブレイク(2021年5月7日付更新情報)
2. 米国の複数州にわたり発生した感染源不明の大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(最終更新)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. ONE – Health, Environment, Society会議2022
【Eurosurveillance】
1. 大規模な水由来カンピロバクター感染アウトブレイク:複数の調査手法を用いた飲料水供給システム汚染調査(ノルウェー、2019年6月)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)の調査によると成人の半数が食品の「消費期限(use-by date)」を必ずしも確認していない
【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. アイルランド食品安全局(FSAI)の調査によると未登録の食品事業者が2020年に増加
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. オランダでの感染症の発生状況(2019年)
【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(07)