エコラップの作り方に注意を

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.09(2021.04.28)を発表した。また、「【BfR】フードサプリメントと強化食品のビタミンやミネラルの最大量」を食品安全情報(化学物質)No.09(2021.04.28)別添として発表した。

注目記事

【BfR】蜜蝋布:何に注意すべき?

 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)が蜜蝋布に関するQ&Aを発表した。蜜蠟布はしばらく前から、アルミホイルやラップフィルムの代用品として市場に出回っている。たとえば、冷蔵庫で保管されるお弁当や食品を包んだり覆ったりできる。蜜蝋布で食品を覆う時、温かい手でワックスに圧力をかけることが一種の密閉包装を作り出す。その際、物質が意図せずこの包装から食品に移行する可能性がある。通常の蜜蝋布の構成要素は、布、蜜蝋、オイル、おそらく樹脂である。

※ポイント:エコ志向により最近人気が出ているようで、インターネット上でも作り方がたくさん紹介されています。食品への利用に適した材料と作り方をしなければ健康に有害となるので注意しましょう。BfRがポイントをわかりやすく説明しています。

【ANSES】ANSESとDGCCRFは中毒を避けるためにシイタケは食べる前に十分に加熱調理することが重要であると繰り返し言う

 アジア原産のシイタケ(椎茸)を生のまま、あるいは十分加熱せずに食べると、深刻なかゆみを生じる「鞭で打たれたような」皮膚炎を全身に引き起こすことがある。そのためフランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は、そのような反応を避けるために、生、乾燥、粉状などいかなる形態でもシイタケを食べる前に完全に加熱することが重要であると消費者および調理者に呼び掛ける。

※ポイント:一般的に「シイタケ皮膚炎」と呼ばれている中毒です。身近な食材でも適切な食べ方をしないと中毒を生じることがあります。似たような例で、タンパク質のレクチンを含む豆類を加熱不十分で食べたことによる中毒というのもあります。

【ANSES】貝のブレベトキシン:消費者を守るためにガイドライン値を提案

 ブレベトキシン(BTX)は、神経伝達に異常をもたらすマリンバイオトキシンの一つである。2018年に初めてフランス領コルシカ島のイガイに検出された。ヒトが摂取すると神経系、消化器系および/または循環器系の症状を引き起こす可能性がある。他の国々で発生した食中毒事例に基づき、ANSESは、カキやイガイなど貝類の消費者を守るために、ガイドライン値として貝の身について180μg BTX-3当量/kgを提案した。

※ポイント:BTXはメキシコ湾や豪州・ニュージーランドで問題になることが多いため、コーデックス、米国FDAおよび豪州では二枚貝を対象に基準値が設定されていますが、EUでは設定されていません。ANSESが提案しているガイドライン値は、コーデックスなどが採用している基準値(可食部について200MU/kgまたは相当量(0.8mg BTX-2当量/kg))よりも低く、毒性等量を換算する類縁体も異なっています。これについてANSESの報告書によると、BTX-2よりもBTX-3の方が半数致死量(LD50)が低く、貝類に検出されることが多いことを理由にしていて、800μg BTX-2/ kgは680μg BTX-3/ kg(注:単位はANSESの記載のまま)に相当するとのことです。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.09(2021.04.28)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202109c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.09(2021.04.28)別添
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202109ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. Codex

【EC】
1. 衣類へのビスフェノールAの存在の安全性に関するSCCSの意見
2. 査察報告書
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 健康強調表示関連
2. 食品酵素関連
3. 遺伝子組換え関連
4. 体重管理用完全食事代替品の必須成分に関する追加の科学的根拠についての声明
5. 行政ガイダンス
6. 農薬関連
7. 飼料添加物関連
8. 新規食品

【FSA】
1. 事業者向けガイダンス

【ASA】
1. アレルギー広告の春の掃除
2. ASA裁定

【BfR】
1. 蜜蝋布:何に注意すべき?

【RIVM】
1. 研究報告

【ANSES】
1. ウマ用医薬品の摂取事故を予防する
2. 世界中の植物保護製品耐性を監視する
3. 貝のブレベトキシン:消費者を守るためにガイドライン値を提案
4. Zootopique:将来に焦点をあてたANSESポッドキャスト
5. ANSESとDGCCRFは食中毒を避けるために椎茸は食べる前に十分調理することが重要であることを繰り返し言う

【FSAI】
1.2030までの農業食料戦略案の環境評価にパブリックコメント募集
2. 高齢者向けの食品ベースの食事ガイドラインの科学的助言の更新を公表する

【FDA】
1. FDAはよりスマートな食品安全新時代のテックトークポッドキャストを始める
2. FDAはある種の遺伝子組換えキャノーラ種子の不注意による低レベル存在について企業に助言
3. 急性非ウイルス性肝炎調査-「リアルウォーター」ブランドのアルカリ水
4. リコール情報
5. 警告文書
6. 消費者情報

【USDA】
1. 乳児栄養の歴史にスポットライト
2. 遺伝子組換えを使って開発したある種の動物の規制監督のための規則提案事前通告に意見を歓迎する
3. USDAは遺伝子組換えを使って開発したジャガイモの規制解除拡大を発表

【NIH】
1. ダイエタリーサプリメントについて知っておくべきこと

【FTC】
1. COVID-19パンデミック1年、新しいFTCのスタッフレポートはFTCの消費者を守るための現在進行中の努力を強調する
2. COVID-19消費者保護法での最初の対応として、FTCはコロナウイルス治療法との詐欺的な宣伝に罰金を求める

【FSANZ】
1. 食品基準ニュース
2. 食品基準通知

【APVMA】
1. 動物用医薬品規制ニュースレター

【香港政府ニュース】
1.日本産食品の輸入コントロール最新更新(2021時点)
2. 違反情報
3. ニュースレター

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 高価食材を不法輸入・製造・販売した7業者摘発
3. 食品安全国を知らせるボランティア募集!
4. 食品中の「ステリグマトシスチン」汚染レベルは安全
5. 無申告原料で加工補助剤を製造・販売した業者摘発
6. 国民関心製品の不当広告再点検結果発表
7. 子供給食安全でスマートに! 冷蔵庫は知能型感知器が、メニューは人工知能(AI)が支援します
8. 国内流通水産物の動物用医薬品残留レベルは安全
9. 国民健康増進と健康的な食生活環境拡散のための共同努力
10.「ダイオキシン類及び重金属」統合リスク評価結果発表
11. ヤギミルク安全管理強化のためにカビ毒基準新設
12. 輸入プロバイオティクス製品の検査命令施行結果
13. 国際基準に合うように香料分類システム改編
14. オンラインマーケットを通じて無申告など営業行為48件摘発

【FSSAI】
1. メディアコーナー

【その他】

●食品安全関係情報(食品安全委員会)から

●ProMED-mail3件

●Eurekalert4件

別 添
【BfR】フードサプリメントと強化食品のビタミンやミネラルの最大量