国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.04(2021.02.17)を発表した。
注目記事
【米国】アウトブレイク対応評価統合ネットワークのアウトブレイク調査リスト
米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)は、アウトブレイク対応評価統合ネットワークのアウトブレイク調査リスト(Coordinated Outbreak Response and Evaluation(CORE)Investigation Table)を公開した。この新たなツールにより、FDAの食品由来疾患アウトブレイク調査について、初期段階やFDAが対応を開始した直後でも情報が共有されることになり、全米各地で複数州にわたり発生しているアウトブレイクについて、消費者が早期に情報を把握できるようになる。
FDAのCOREネットワークは、この新たな調査リストを用いて、アウトブレイクの発生から終息までに関する情報を提供していく予定である。
この調査リストは週に1回更新される予定である。
【米国】感染源不明の大腸菌O157:H7
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局、米国食品医薬品局(US FDA)および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、複数州にわたり発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイクについて、原因食品を特定するためさまざまなデータを収集している。
WGS解析からは、本アウトブレイク株が過去にさまざまな感染源に関連したことも示された。本アウトブレイクの感染源を特定するためには更なる情報が必要である。
【米国】フレッシュソフトチーズに関連のリステリア
米国疾病予防管理センター(US CDC)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイクを調査するためさまざまなデータを収集している。
2021年2月11日時点で、L. monocytogenesアウトブレイク株感染患者が4州から計7人報告されている。6人がヒスパニック系である。患者7人全員が入院した。死亡者は報告されていない。
聞き取りが実施された患者4人のうち3人が、ヒスパニックスタイルのフレッシュソフトチーズを1種類以上喫食したと報告し、3人全員がqueso frescoの喫食を報告した。公衆衛生当局は、チーズの具体的な種類やブランドを特定するため患者への聞き取り調査を続けている。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.04(2021.02.17)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202104m.pdf
今号の目次
【世界保健機関(WHO)】
1. 国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)第3四半期報告(2020年7〜9月)
【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)がアウトブレイク対応評価統合ネットワーク(CORE:Coordinated Outbreak Response and Evaluation Network)のアウトブレイク調査リストを公開
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 米国の複数州にわたり発生している感染源不明の大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(初発情報)
2. ヒスパニックスタイルのフレッシュソフトチーズに関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(初発情報)
3. ペットのアゴヒゲトカゲ(Bearded Dragon)に関連して発生したサルモネラ(Salmonella Muenster)感染アウトブレイク(最終更新)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州における抗菌剤耐性サーベイランスの2018年次報告書
【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. ギリシャの小売店で取り扱われる非包装のそのまま喫食可能な(RTE)加熱済み食肉製品の喫食に関連するリステリア症リスクの評価
【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 欧州食品安全機関(EFSA)における透明性規則の導入 - 研修プログラム
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. オランダにおける人獣共通感染症の発生状況(2019年)