国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.04(2021.02.17)を発表した。
注目記事
【EFSA】食品に関する統一された包装前面表示と強調表示の制限に向けて情報提供するためのEFSAの科学的助言
EUの「農場から食卓まで戦略」の活動計画に従って、欧州委員会は、2022年末までに包装前面の統一した栄養義務表示や、塩、糖類および/または脂肪を多く含む食品の販売促進を制限するための栄養プロファイル設定の提案を行うつもりである。欧州食品安全機関(EFSA)は、その欧州委員会の活動を支援するための科学的意見を2022年3月までに提出するよう要請された。
※ポイント:現在EU諸国では、消費者が情報に基づいて食品を選択できるように、食品製品包装の前面に栄養表示がなされています。たとえば、その製品の1食分に含まれる脂肪、砂糖、塩の量(g)とそれら成分の一日の推奨量や目安量に対する割合(%)、あるいはその製品が栄養的に望ましいかどうかのランク付け(例:A優〜E劣の5段階)が一目でわかるようになっています。国によっては各成分の量に応じて、多い(赤)、中程度(黄色)、少ない(緑)といった信号表示も用いています。しかし、表示される記載内容やデザインが国それぞれで多様なことから、これから2年かけて、EUで統一するための作業が行われます。
【FSAI】有害毒性事象のニュートリビジランスシステムのパイロット版
ニュートリビジランスシステムは有害毒性事象の報告システムである。アイルランドには一般市民が食品やフードサプリメントとの関連が疑われる有害毒性事象を報告できるシステムがいくつかあるが、多くの医療従事者からの情報と一般市民からの提供情報を結びつけるニュートリビジランスシステムがない。そのため、アイルランド国内でのニュートリビジランスの構築に向けて、国立中毒情報センターが中心となってパイロット版を試行している。
※ポイント:ニュートリビジランスはフランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)がすでに導入して、紅麹、p-シネフリン含有減量用サプリメント、エナジードリンク、スピルリナなど、さまざまなフードサプリメントに関する注意喚起につながっています。その成功例から、アイルランドでも有害事象の早期発見のためのシステムづくりが開始されたようです。
【FSAI】竹由来物を含むプラスチック食品接触物質
アイルランド食品安全局(FSAI)は、竹繊維やその他の竹材を含むプラスチック食品接触物質に関するQ&Aを公表した。
※ポイント:最近、エコを売りにした竹繊維を含むプラスチック製の食器をよく見かけますが、EUではそれらの製品が問題になっています。EU規則では、食品と接触することを意図したプラスチック素材(プラスチック食品接触物質)に使用できる物質が決められており、竹繊維は認可されていないことから、それを含む製品の輸入や販売は規則違反となるためです。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.04(2021.02.17)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202104c.pdf
今号の目次
【FAO】
1. Codex
【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. ONE – Health, Environment, Society –2022年会議
2. 食品に関する統一された包装前面表示と強調表示の制限に向けて情報提供するためのEFSAの科学的助言
3. 化学物質モニタリング報告ガイダンス:2021年データ収集
4. 合成生物学から得た遺伝子組換え植物の分子特性解析や環境リスク評価の妥当性のための既存のガイドラインの妥当性評価
5. 香料グループ評価
6. 農薬関連
【FSA】
1. 食品接触物質認可ガイダンス
2. 科学評議会の3年に一回の報告書とそれがどのようにして我々の仕事を導くか
3. FSAは初めて国際食品規制分析バーチャル会議を開催する
【FSS】
1. 報告によるとロックダウンにより家庭での調理に移行したがさらなる変化が求められることを示す
【ASA】
1. 健康:食物アレルギー検査
【ANSES】
1. 子供用ビタミンD:過剰摂取リスクを予防するためにフードサプリメントではなく医薬品を使うこと
【FSAI】
1. 有害毒性事象のニュートリビジランスシステムのパイロット版
2. 竹由来物を含むプラスチック食品接触物質
3. FSAIは食品表示に関する意見を募集する
4. リコール情報
【Ruokavirasto】
1. 欧州プラットフォームは食品安全においてより緊密な協力へと進む道を開くだろう
【FDA】
1. FDAはAI輸入水産品パイロット計画の第II相に移行する
2. FDAは食品トレーサビリティ公聴会の資料を公表、サプライチェーンの例を含む
3. 警告文書
【EPA】
1. EPAはアマゾンに農薬の違法販売を中止するよう命令
【CFIA】
1. 電子商取引-オンラインで食品、植物又は動物製品を売買する際に考えること
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【TGA】
1. 安全性助言
【香港政府ニュース】
1. よくある質問
2. エチレンオキシドの可能性のためイタリア産ブレッドスティックを食べないよう呼びかける
3. 違反情報
【SFA】
1. シンガポール:逆境に打ち勝つ食料安全保障
【FSSAI】
1. India@75(インド独立75周年)に向かってもう一歩:2022年までにトランス脂肪酸無しに
2. メディアコーナー
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・EurekAlert4件