国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.23(2020.11.11)を発表した。
注目記事
【MFDS】菓子類などアクリルアミドの安全管理強化
韓国の食品医薬品安全処は、食品を高温で調理・加工するときに生成するアクリルアミドの予防的な安全管理のため、食品別の推奨規格を設定して2021年1月1日から運営する計画を発表した。2年ごとに運営結果を評価し、基準・規格に切り替えるかどうかなどを検討する予定である。推奨規格を超過した場合は営業者にその結果を通知して、1)自主回収、2)生産・輸入自粛、3)低減化などの行政指導を実施する。改善措置が行われない場合は、製品情報を消費者が分かるように食品安全国ホームページに公開する予定である。
※ポイント:これまで提示していた勧告値(ジャガイモスナック1mg/kg)よりも対象食品が大幅に拡大されています。この推奨規格は義務的なもの(規格・基準)ではないとしていますが、超過した場合の対応をみると市場への流通は許されなさそうです。アクリルアミドについては、EUで乳幼児用食品に含まれるアクリルアミドの最大基準値について設定作業が進んでいますので、そちらも近いうちに公表されるでしょう。
【ANSES】キノコ狩りの時には中毒に注意!
フランス中毒管理センターによると、直近2週間に野生キノコの摂取による中毒事例が急増している。医療システムはCOVID-19パンデミックのためにすでに逼迫した状況であり、そのためフランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は安全にキノコを食べるために慎重に行動するよう再度呼び掛ける。
※ポイント:この季節恒例の注意喚起です。日本でも関係省庁から注意喚起や情報が公開されていますので、ここに紹介しておきます。
- 厚生労働省:毒キノコによる食中毒に注意しましょう
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kinoko/index.html
- 農林水産省:野生きのこによる食中毒を防ぐために
- https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/yaseikinoko/yaseikinoko.html
- 食品安全委員会:毒キノコによる食中毒にご注意ください
- http://www.fsc.go.jp/sonota/kinoko_tyudoku.html
- 消費者庁:毒キノコによる食中毒に注意!
- https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_039/
【BfR】昆虫によって引き起こされるアレルギー?
2020年9月、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、食用昆虫のアレルギー反応の可能性から消費者を保護するための新たな共同研究プロジェクト「Allergen-Pro」を立ち上げた。このプロジェクトの目的は、食品中のアレルゲン物質の詳細な分析方法を確立することと、アレルギー疾患のある人への影響を説明することである。スイスとドイツから7機関が参加しており、食品中の昆虫成分の検出を意図した適切かつ再現性のある方法の開発に取り組んでいる。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.23(2020.11.11)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202023c.pdf
今号の目次
【WHO】
1. 化学物質のリスク評価優先順位付けについてのネットワークウェビナー
2. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. FAOは食品アクセスを向上させ持続可能な農業・食料システムのために食品連合Food Coalitionを立ち上げる
2. Codex
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. 発達神経毒性の評価用in‐vitro試験バッテリーの実行と解釈のための先験的なプロトコルの確立
2. 食品及び飲料水中のニッケルのリスク評価の更新
3. 飼料中の硝酸塩及び亜硝酸塩のリスク評価
4. 健康強調表示関連
5. 香料グループ評価
6. 農薬関連
【DEFRA】
1. 政府は空気をきれいにするために肥料の使用について意見募集
2. Defraはミツバチを助けるために健康なミツバチ計画2030を始める
3. 食品中残留農薬:2020四半期モニタリング報告
【BfR】
1. 昆虫によって引き起こされるアレルギー?
2. ビタミンD:高用量フードサプリメントの摂取は必要ない
【RIVM】
1. オランダ人の食事:2012-2016オランダ全国食品摂取調査
2. オランダにおける農薬への累積食事暴露
3. 農地のすぐそばに住む人の健康調査:追加解析
【AFSCA】
1. キノコ狩りの時には中毒に注意!
2. ウリ類とマロニエの誤食への注意喚起
【FSAI】
1. リコール情報
【FDA】
1. FDAは食品トレーサビリティ規則案に関連して追加のリソースを公表
2. コロナウイルス(COVID-19)更新
3. 警告文書
【CDC】
1.19才未満の子どもと青少年のダイエタリーサプリメントの使用-米国、2017–2018
【USDA】
1. 信頼して食べて
2. APHIS:遺伝子組換えを用いて開発したトウモロコシの規制解除申請に意見募集
【NIH】
1. セミナーシリーズ
【CFIA】
1. リコール情報
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【TGA】
1. ヨモギ種を含むリスト掲載医薬品
2. 安全性警告
【香港政府ニュース】
1. 食品安全センターは淡水ハタのサンプルにマラカイトグリーンを検出
2. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 韓国みそ33製品でアフラトキシンの基準超過検出
3. 子供嗜好食品栄養成分を確認して召し上がってください!
4. 中国産天然香辛料、輸入者自ら安全性を立証すれば輸入可能
5. オンライン虚偽・誇大広告根絶コンテンツ公募展に参加してください!
6.「食用不可」農・林産物販売行為の集中点検実施
7. 菓子類などアクリルアミドの安全管理強化
8. コチュジャンと干し柿、国際食品規格に採択
9. 食品取り扱い施設で従事者マスク着用など義務化
10. 飲食店・カフェなど防疫規則移行可否点検結果
【SFA】
1. 食肉のラクトパミン
2.「Bellamyの オーガニック – 有機玄米パスタ」ヒ素過剰のためリコール
【FSSAI】
1. 食品当局はインド全土でのKhoa(コア、濃縮乳)の調査を開始
2. メディアコーナー
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から