国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.14(2020.07.08)を発表した。
注目記事
【米国】袋入りミックスサラダに関連のサイクロスポラ
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、アイスバーグレタス、ニンジン、レッドキャベツなどを原材料に含むFresh Express社製の袋入りミックスサラダに関連して複数州にわたり発生しているサイクロスポラ感染アウトブレイクを調査している。
Fresh Express社は、サイクロスポラ汚染の可能性があるとして、アイスバーグレタス、レッドキャベツ、ニンジンなどを使用し同社施設(イリノイ州Streamwood)で製造したFresh Expressブランドおよびプライベートブランドのサラダ製品の回収を開始した。
サイクロスポラ感染症のクラスターは、毎年夏季に複数発生することが多い。CDCはFDAと協力して、最近発生した他のサイクロスポラ感染患者について、上記の袋入りミックスサラダ製品に使用された汚染原材料に関連しているかどうか調査を進めている。本アウトブレイク調査は継続している。
【アイルランド】鶏肉は洗わない/内食増加受け注意喚起
アイルランド食品安全局(FSAI: Food Safety Authority of Ireland)および「safefood(アイルランドにおける食品安全や栄養問題に関する知識と認識の向上を支援する機関)」は、生の鶏肉を決して洗わないよう消費者に再認識を促している。
COVID-19の流行が始まって以降、アイルランドの人々の家庭での食習慣が変化したことが最近の研究で明らかになった。この研究では、成人の3人に1人が食材を用いて初めから自分で料理をすることが増えたと報告している。また、別の調査では、成人の約半数が以前より料理をすることが増えたと報告し、18〜34歳の10人に4人が日常的にインターネットでレシピを検索するようになったことが示された。
家庭で料理をする人が以前より増えたことを受け、safefoodは消費者に対し、調理の際に生の鶏肉を決して洗わないよう注意喚起している。生の鶏肉を洗うことで、食中毒菌がシンクから周囲へ飛び散り、健康被害を引き起こす可能性がある。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.14(2020.07.08)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202014m.pdf
今号の目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 袋入りミックスサラダに関連して発生しているサイクロスポラ感染アウトブレイク(2020年6月29日、26日、23日付更新情報、19日付初発情報)
2. 小規模飼育の家禽類との接触に関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Hadar、S. Agona、S. Anatum、S. Enteritidis、S. Infantis、S. Mbandaka、S. I4,[5],12:i:-)感染アウトブレイク(2020年6月24日付更新情報)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. エキノコックス症―2017年疫学報告書
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 市販食肉(豚肉、牛肉、鶏肉)から検出される大腸菌の抗菌剤耐性(AMR)に関する欧州連合(EU)統一調査
【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 手洗いを励行し、生の鶏肉は洗わない
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. コロナウイルスが食肉製品を介して伝播する可能性は低い
【ProMED mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2020(06)